出版社 | 家の光協会 |
ISBN | 4259544152 |
価 格 | ¥3,984(税込) |
発行日 | 1992/09/20 |
著 者 | 金丸 弘美(著),英 伸三(写真) |
14台の漆の山車が疾走する勇壮な唐津くんち
くんちとは「供日」からきた言葉で、神様に供えるという意味です。五穀豊穣を祝う秋祭りに神を迎え供え祝福を受け繁栄を祈るものです。
唐津くんちは十一月二、三、四日(昔は十月二十九日)に行われる佐賀県唐津市の秋祭りです。十一月二日から三日にかけての深夜、神社で神様がお神輿に移られるお宮移しが行われます。そして十一月三日に、お神輿を間に十四台の漆の曳山(山車)をお供に町内を巡行(神幸祭)します。そして人々は、神の祝福を受けるのです。
唐津くんちで有名なのは、江戸末期から明治初期に作られた和紙を何枚も張って漆で塗った(一閑張り)の華麗な庶l台の山車でしょう。けれども唐津くんちの醍醐味は、実は各家庭で作られるくんち料理にあります。どの家でも五署lから百人、多いところは三百名分もの料理を作り、一年間にお世話になった人、仕事の取引先、親戚、友人・知人を呼んでもてなします。多くの人を呼べるのは繁栄の証であり、また多くの家に呼ばれるのは、幸の多いということになります。
料理は、一家の主婦が中心となって、姉妹や娘や、家族の女性陣、それに親戚も加わって料理ををするところが少なくありません。 こんな祭りの姿を、写真家・英伸三氏が4年間に渡って写真を撮り、まとめました。祭りの躍動がここに収められています。