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  旅日記 no.183
「奈良まちおこし 結び会 元気フォーラム」
2008年3月26日
こんにちわ。金丸です。
今日は「奈良まちおこし 結び会 元気フォーラム」の話です。

3月22日奈良の奈良県文化会館で行われた「奈良まちおこし 結び会 元気フォーラム」に呼ばれて参加した。僕の担当は、第一部「グリーンツーリズムを活かした地域ブランド戦略」の分科会講師と、第二部の「まちおこし、村おこし これでいいんかい」のパネラーの出席である。

この催しは地元のNPOの人たちが主催して、奈良の行政、マスコミ、企業が支援する大々的なもの。民間の人たちが運営の中心で、これだけ大掛かりなものも珍しいだろう。当日は、市場もたって、参加者は一万人を超えたということだった。
(奈良元気もんプロジェクトhttp://www.nara2010nenjuku.jp

この開催のメンバーの一人、(株)読売奈良ライフの代表取締役 朝廣佳子さんから声を掛けていただいたのだが、彼女にぜひとも会いたかったこともあり、奈良に駆けつけた。 朝廣さんとは総務省のシンポジウムで、立教大学の山口義行教授の紹介で会ったのが最初。

シンポでは総務省の御園慎一郎さんたちと、町づくりの事例を話し合った。そのなかで 朝廣佳子さんは、奈良を蝋燭でライトアップするというイベント「なら燈花会」を立ち上げた話をされた。平成11年、暗い奈良の古都の夜景に、蝋燭で照らすといアイデアを、実現させた。
(なら燈花会 http://www.toukae.jp)

期間は8月6日から15日まで。奈良公園一体を2万個の蝋燭で毎日照らす。ボランティアスタッフだけで4500名。観光客が自ら蝋燭に火をつけるという参加型イベント。現在68万人の観光客を誘致するまでに育てた。その経済効果は約29億円になるというからすごい。

奈良でのフォーラムの後、懇親会となったのだが、その後、奈良町の民家を改装した「さんが俥座」で二次会を、翌日は、奈良町の街づくりを見学するという。それに朝廣さんのミニ講演もあると知って急遽泊まることにした。

泊まったホテルサンルート奈良は五重塔のすぐそば。東大寺の大仏さんも徒歩15分ほど。早朝に大仏さんを拝んで、集合場所の五重塔に出かけた。よく考えたら、奈良の大仏さんを訪ねるのは初めて。なんだかとてもいい朝を迎えた気分となった。

奈良町は、奈良市の旧市街地で、昔の木造作りの町屋が多く残る。約1500戸の家があり、そのうち伝統的な建築物は約600戸あるという。しかし、開発からはずれて、町が寂れ若い人は都会に住むようになり、お年寄りが多くなり、次々と空き家が増えて、壊されるところも出てきたという。

そこで、住民のボランティアメンバーが、旧市街地の町屋を活かそうと、リニューアルの提案や、旧家屋を使った町の案内の拠点作りなどの活動を始めたのだという。その中心メンバーの一人が、設計士の三井田安康記さん。三井田さんは地域のメンバーと「さんが俥座」というNPOをつくり、町の一軒を家主さんと相談して、平成15年、旧家屋を改装して、町の拠点を生み出した。
(さんが俥座http://www.sanga-kurumaza.com

その拠点となっている町の家に一歩入ったら、昔の柱、梁、土壁、中庭などを活かして、大胆に改築されている。床や天井をとっぱらい、広々とした空間になっている。そこにでんと、大きな木のテーブルがあり、ここで、三井田さんや朝廣さんたちの町づくりの活動を拝聴させていただいた。

みなさん共通しているのは、これまであった伝統的な地域の建造物、暮らし、町並みを、大切にして、それをうまく活用しながら、現在によみがえらせる、工夫を自らされているということだ。しかも行政と連携しながら、補助も上手に使いながら、自らの活動、運動と主体的な形で具現化されている。奈良の人はすごい、と感銘をうけた2日間だった。
 
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金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
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