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  旅日記 no.216
『マルタのやさしい刺繍』
2008年11月12日
こんにちわ。金丸です。
今日は『マルタのやさしい刺繍』の話です。

『マルタのやさしい刺繍』の映画がヒットしたというので大入り袋が映画配給会社から送られてきた。とても嬉しい。映画はスイスの作品で、山村の80歳になるマルタが主人公。雑貨屋を営んでいた夫がなくなり彼女は失意のどん底にある。外にも出ようとしない。

そんな彼女を励まそうと、仲間の女性がカフェに連れ出しにやってくる。そうするうちにマルタは、自分が結婚するまえに刺繍に凝っていて、ランジェリーショップを開きたかったことを思い出す。

仲間の後押しで、マルタは夫の店を改装して、ほんとうにショップを開店することとなる。ところが、息子に理解されないどころか、村の保守的な男性たちが下着を売るなんてと、偏見にみちた嫌が
らせマルタに向けるのだ。

でも仲間の女性たちがさまざまに協力をして成功に導いてゆく。とくにシングルマザーで美容室を営むリージが素敵だ。おそらく、彼女は自分以上に夢を共有できる仲間を欲しかったのだろう。めげそうになるマルタを、なんどもなんども励まし激励するのだ。

この映画、女性監督の作品だが、実にこまやかで、年老いた女性を生き生きと描いている。もうそこに実際のマルタと仲間たちがいるかのようなリアリティがある。歳を経た女優の存在感が素晴らしい。

どんな歳をとっても夢を失わないという素敵な姿が印象的だ。この作品、実はとても心に響いたのは、実際、年齢を経た人たちの元気な姿を全国で見てきたからだ。

つい最近は、徳島県の上勝町で、80歳になるおばあちゃんの葉っぱのビジネスを見てきたばかり。その菖蒲さんは「忙しくて病院なんか行っている暇はない」との話だった。

1994年に全国の100歳100人のインタビューのプロジェクトを行った。そのときにわかったことは、人が生きるということは、なにか目的や生きがいがあるという、じつに単純であたりまえのことだったのだ。

よく長生きの秘けつで食べ物が紹介される。もちろんバランスのとれた食事があることは、重要な項目には間違いがない。だがそれと同等に大切なことは、お年寄りでもなんらかの仕事ややることがあることなのだ。それを100歳の人たちに教わった。

このインタビューは、僕の人生を変えた。好きなことを仕事として行うこと。どんな些細なことも大切にすること。現在の食に関わる取材やコーディネートなどの仕事は、100歳の人たちと出会って明確な方向が決まったのである。

だから「マルタのやさしい刺繍」がなんだか人事ではなく、自分自身のハートに響いたのは、映画の素晴らしさもさることながら、小さなことも夢を大切にする生きかたそのものが、あふれていたからなのだ。最近の映画のなかでは、最上の作品だった。

■公開ワークショップのお知らせ
◎『根獅子の物語と究極のおにぎり』
メイン食材:棚田米、平戸天然塩
日時:11月30日(日) 9:30〜14:00
場所:根獅子公民館(平戸市根獅子町1437)
参加費: 1,000円/大人 500円/小人(定員70名)

平戸島の中西部に位置する平戸市根獅子町。「かくれキリシタンの里」としての文化、日本水浴場88選として全国に知られる「根獅子の浜」や先祖代々守られてきた棚田などの自然、そこに生きる根獅子の個性など多彩な資源を町歩きで体感します。根獅子の棚田で作られ釜炊きした棚田米4品種(コシヒカリ、ヒノヒカリ、赤米、黒米)を平戸天然塩で「究極のおにぎり」にして食べ比べます。付合せに根獅子産野菜の漬物と田舎汁をどうぞ!
※参加費には切支丹資料館の入館料も含んでいます。

問い合わせ・申し込み先:
平戸・松浦地区観光人材育成協議会平戸事務局
(平戸市観光商工課内)
【電 話】0950-22-4111(内線2276)【 FAX 】0950-23-3399
【メール】氏名・住所・電話番号・職業を明記のうえ
kankou_jinzai@city.hirado.lg.jp まで
※交通アクセスは下記URLにて確認してください。
http://www.city.hirado.nagasaki.jp/jinzai/
※お申込はすべて先着順で、定員になり次第締め切りとさせていただきます。また、天候等により会場を変更する場合にはあらかじめ連絡致します