こんにちわ。金丸です。
今日は「常陸太田市のブドウ開発」のお話です。
総務省の地域力創造アドバイザーとなってちょうど半年。このところ毎週関連の催しが続いている。11月19日は、鹿児島県で「全国市町村長サミット」が開催され、各地から370名が参加。僕は第二分科会「食からの地域づくり」のコーディネーターを担当した。各地の活発な取り組みを知ることができた。
11月27日には総務省で全国で活動する11名のアドバイザーと11箇所の行政の担当者が一同に会しての中間報告会をおこなった。具体的な取り組みがみえて、とても興味深い。小浜市の幼学年の食育の取り組みと北斗市との連携、長崎県の西海町の離島の空き家を使ったリゾート開発がもっとも気を引いた。
そんななか11月26日は、常陸太田市の活動で進めていたブドウを使った商品開発のワークショップが、いよいよ形となった。常陸太田市は観光ブドウ農園が60軒ちかくある。このブドウ農園のブドウを使って新しい商品開発ができないかというのが最初の話であった。
ブドウは、ほとんどが観光農園でもぎとりである。だが年々参加者も減っている。また、あまったブドウはワインとジャムにしているが売れていない。そこで、僕が発案したのは、ブドウソースの開発。
これでデザートやケーキやパンや学校給食にストックをしておいて、いろいろに使用できないかというものだ。
このことを横浜の前からの付き合いの櫛澤電気の澤畠光弘さんにお願いした。澤畠さんはパン釜を始めとして、パン関連の機械を扱っている。そればかりではなく独立したい希望者に講習会を開いたりもしている。人脈も多い。
すると澤畠さんは、さまざまな人たちにブドウを使った商品の開発を頼んでくださった。そして26日、澤畠さんと、ケーキ屋さんの「ラ・テール」の中村逸夫さん、パン職人の加藤晃さん、ルヴァンの甲田幹夫さんをともなって、常陸太田市に行くことになった。
会場の保健センターの調理室に集まったのは約40名ほど。ブドウ農家、パン屋さん、ケーキ屋さん、学校給食の栄養士さん、JAの人たちなどだ。甲田さんが紹介したのは、ブドウではなく、地元のそば粉と小麦粉を合わせて練って板状に細くしたものわさび醤油で食べるというもの。うどんと蕎麦のあいだの釜揚げといったおもむきで、なかなかうまい。
中村さんは、ブドウのソースと応用。そして地元の素材の活かし方を具体的に紹介。ソースを目の前で作り、保存方法を紹介。さらにクレープを焼いて、ソースをつけて出すことをライブで披露。
加藤晃さんは、なんとブドウの天然酵母でバケットからアンパンまで、さまざまなパンを焼いてきた。そればかりがブドウの餡を開発し、和菓子も蕎麦やもち米などを使って製作。全部で40点あまりの商品を作ってきた。そして試食をしてもらったところ、これが大評判だった。
3人に共通してたのは、地元のものを使うということ、基本の素材を明確にすることだった。そうすればそこだけにしかない美味しいものができる。たちまち講師陣のところは輪ができて質問が飛び交う。とくに女性人が熱心。
この日のうちに、自分で試作してみようとなったり、パン屋さんと連携しようと話がもりあがったりで、大好評であった。これを今後、講習会形式で、地元にきっちりノウハウをおとしこみ、地元の人の手で商品開発を行い、地元の経済に結びつけるのが、狙いだ。
■イベントのご案内
食文化交流企画 〜 麺がつなぐ2つの食文化 〜
“ 蕎 麦 ” 「イタリア」+「茨城県常陸太田市」
蕎麦の栽培はイタリア北部にも僅かながらあり,ロンバルディア州ヴァルテッリーナ渓谷では1600年頃までその歴史は遡り,そば粉を使った郷土料理も存在します。
日本とイタリアという2つの遠く離れた国が“蕎麦”という食品を介して交流を果たし,お互いの食文化を評価し合いながら,より深い理解へ発展できることを願います。
【主催】 茨城県常陸太田市
イータリージャパン株式会社
【協力】 金丸弘美
(総務省地域力創造アドバイザー,食環境ジャーナリスト)
【期日】 2008年12月5日(金) 及び 6日(土)
【会場】 EATALY(イータリー)
東京都渋谷区代官山20−23 TEL 03−5784−2736
(東横線代官山駅より徒歩2分)
詳細は「イータリー」のホームページから。↓
http://www.eataly.co.jp/book_an_events_06.html