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  旅日記 no.219
「平戸市根獅子の隠れキリシタンの郷」
2008年12月3日
「平戸市根獅子の隠れキリシタンの郷」こんにちわ。金丸です。
今日は「平戸市根獅子の隠れキリシタンの郷」の話です。

平戸市の根獅子で2回目となるおにぎりのワークショップを開いた。平戸には、もう10回以上通っている。飛行機で長崎空港まで行き、そこからジャンボタクシーで佐世保まで50分。佐世保には平戸市の観光課の土田一球君がいつも迎えにきてくれて、ここからさらに1時間かけて平戸に着く。そこからさらに30分車で行った漁港のある小さな地域が根獅子だ。

根獅子は隠れキリシタンの郷として知られる。海に面した斜面の多い土地で、その土地も起伏が激しい。土地の人は半農半漁で生計を建ててきた。周辺は小さなところまで耕作されて棚田がいくつもある。世帯数は194戸。人口は623名が住んでいる。この地域で採れた棚田の米と塩を使って究極のおにぎりを作るというのが、ワークショップだ。

米はいまだに棚田で栽培され、そのほんどは天日で干している。いまどき貴重な存在である。塩は「海の子」「滋玄の塩」と薪釜による塩づくりがおこなわれていて、これがすこぶるいい塩なのである。「こしひかり」「ひのひかり」「くろ米」「アカ米」を薪で釜で炊いて好きな塩で召し上がってもらおうというものだ。釜で炊くときは、ドングリの葉と枝が使われた。そのことや炊き方も地域の方々に説明していただいた。

会場となった公民館には役場の若手メンバーが総出で手伝ったくれてテーブルを入れて、白いクロスを置いた。農家の方々に花をもってきもらい飾りつけをおこなった。テーブルには、紅葉した紅葉や金柑なんどが飾りに置かれる。箸置きは蕾の椿の花がついた枝。おにぎりを置くのは葉蘭である。なかなかお洒落に仕上がった。

ご飯をおにぎりにする前に、精製塩と釜で炊いた地元の塩の味の違い、また塩の背景や加工法の違いを紹介した。その後に釜で炊いたできたての米をもってきてもらいみんなでおにぎりにして食べる。地元の農家の方々が作った手作り味噌での味噌汁、自家製の漬物がついた。食べながら農業の実態や現場の様子、米作りを生産者に来てもらい解説をした。より具体的に食を伝えるためである。

今回は、前日からの「カクレキリシタンの里サミット」との連携。その歴史、最近発掘された人骨からの弾圧の歴史検証、世界遺産登録に向けての活動、歴史的景観の保護など、さまざまな側面から話し合いがもたれた。およそ200名が集まった会の翌日が、ワークショップという設定である。

翌日のおにぎりの前に、9時半に根獅子海浜公園に集まり、そこから11時半まで、カクレキリシタンの里の資料館や史跡をふまえて歴史を巡るウオーキングがおこなわれた。そして11時30分からがおにぎりのワークショップという展開であった。

じつは、こういう歴史的背景を踏まえて食の文化を語るというのが、もっとも理想的と考えてきたので、今回の試みはとても素晴らしいことだった。シンポジウムに参加された方から、「景観や色合いなど、街並を守ることも必要です」とおっしゃっていたので、そこまでを含めて、地域の食がコラボレーションをすることが、まさに食文化というものだろう。今回は、一歩進んだ形の展開で、とても嬉しいものとなった。

■蕎麦のワークショップのご案内。
イタリアのトリノから進出したスローフードのコンセプトから生まれた、今話題の食品マーケット「イータリー」との合同企画が決定!!
12月5,6日と代官山でワークショップが開かれます。

詳細は「イータリー」のホームページから。↓
http://www.eataly.co.jp/book_an_events_06.html

食文化交流企画 〜 麺がつなぐ2つの食文化 〜
“ 蕎 麦 ” 「イタリア」+「茨城県常陸太田市」

【主催】 茨城県常陸太田市
イータリージャパン株式会社
【協力】 金丸弘美
(総務省地域力創造アドバイザー,食環境ジャーナリスト)
【期日】 2008年12月5日(金) 及び 6日(土)
【会場】 EATALY(イータリー)
東京都渋谷区代官山20−23 TEL 03−5784−2736
(東横線代官山駅より徒歩2分)

【プログラム概要】
12月5日(金) 19:00〜21:00
「“蕎麦”をテーマにした夕食会」
日本とイタリアの2つの食文化が“蕎麦”のテーマの下に出会う
会 場:イータリー内レストラン(2F)
GUIDO PER EATALY
参加費:11,000円
定 員:30名(予約制)
内 容:
?常陸太田市長あいさつ
?EATALY代表あいさつ
?夕食会
メニュー(予定です。当日変更になるものもあります)
・前 菜:前菜的な蕎麦料理
・プリモ1:手打ち常陸秋そばを「つけけんちん」(常陸太田市)
・プリモ2:蕎麦粉を使ったパスタ(GUIDO)
・セコンド:魚料理(GUIDO 蕎麦粉を使った付け合せなどでアレンジ)
・ドルチェ:検討中(GUIDO)
・コーヒー,蕎麦粉を使ったビスケット(GUIDO)
・グラスワイン3種類程度(スパークリング。白,赤)

12月6日(土)  14;00〜15:30
「常陸秋そば栽培と食文化を学ぶテイストワークショップ」
会 場:イータリー内ワークショップ教室(2F)
:エノテスカスペース
参加費:有料(2,000円)
定 員:18名
内 容:
?常陸太田市及び常陸秋そばのプレゼンテーション(15分)
(常陸太田市や常陸秋そばの履歴,歴史,栽培法など)
?常陸太田市の蕎麦打ち名人「海老根ひや子」さん(80歳)による蕎麦打ち実演(約40分)
?つけけんちんによる常陸秋そば試食
?蕎麦粉パスタ試食(EATALYが用意。料理の簡単な説明有り)
?質疑応答
ご参加をお待ちしております。

問い合わせ申し込み先:EATALY(イータリー)
東京都渋谷区代官山20−23 TEL 03−5784−2739

いずれのイベントも予約制、参加費は当日のお支払いになります。
以下のいずれかの方法で、お早めにご予約ください。
TEL 03-5784-2739(GUIDO PER EATALY)
FAX 03-5784-2739
Email school@eataly.co.jp
(FAX, Email でお申し込みの場合は、「ご参加ご希望のイベント
と日にち」「お名前」「参加人数」「お電話番号」を必ずご明記
ください。)
当日のメニューは予告なく変更される場合があります

金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
◎総務省 地域力創造アドバイザー
http://www.soumu.go.jp/ganbaru/jinzai/pdf/b022.pdf
◎メールマガジンhttp://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/9697.html
◎ホームページhttp://www.banraisya.co.jp/kanamaru/home/index.php
◎日本ペンクラブhttp://www.japanpen.or.jp/
◎ライターズネットワークhttp://www.writers-net.com/
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■「常陸秋そば」特集「クラリス」好評発売中!!

○雑誌「クラリス」(朝日新聞出版)VOL.5 10月27日発売。
特集「蕎麦をめぐる物語」国産地粉のふるさとを旅する
摩周、常陸太田、越前、白山、奥出雲
金砂郷(かなさご)のそばを知っていますか?

「常陸秋そば物語」が
本文3ページ「そばの実をつくるのは森の昆虫たち」、
別冊16ページ「常陸太田の物語」で特集がされています。
写真撮影:阿部雄介

発行:グローバルプラネット
発売:朝日新聞出版 住所 東京都中央区築地5−3−2
TEL 03−5540−7793(販売)
http://www.clarust.net/
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