サトウキビと純黒糖そして「黒糖焼酎まーらん舟」
12月から2月までは、黒糖作りの最盛期である。サトウキビを刈り、それを絞って釜で炊いて黒糖が生まれる。じつは黒糖にも旬があり、冬の時期に作られるのがいちばん美味しいのである。出来たてのものはまるで餅のように柔らかい。
知り合いに誘われて先日奄美大島を訪ねた。目的は、島にある野草や漢方の薬草、また島バナナ、地域種の大根、タンカンなどの栽培の生産農家の視察である。いずれも無農薬で行っている。なかでもとても見てみたかったのが加計呂麻島のサトウキビである。加計呂麻島は奄美大島から舟で20分ほどでつく。ここには3軒の黒糖作りの工場があるそうだが、その一軒を訪ねた。驚いたのが、このサトウキビは、キビ酢として使われている。絞ったサトウキビの汁をタンクに寝かせるとそのままで酢になるのだ。
一年寝かしたものをさらに、別の工房で寝かせること2年。熟成したきび酢ができあがる。一本3000円だが、健康食品として飛ぶように売れているという。まさにこの酢こそは、長寿の人たちが使っていた酢なのである。「かけろまきび酢」として市販されている。
黒糖は、カルシウム、カリウム、鉄分のほか、ビタミンB1、B2をはじめ、リン、マグネシウムなどの微量栄養素をたくさん含んでいる。長寿の食材として使われていたのは純黒糖である。ところが、黒糖の奄美産というのは少ない。市販されているものには、砂糖やザラメなどが混入されていて、純黒糖はなかなか手に入らない。これは沖縄も同じだ。
純黒糖を欲しいという人や業者も多い。ところがその実態をよく知っている人は案外少ないのだ。沖縄では、伊平屋、粟国、波照間、西表、与那国、多良島の7島で黒糖工場があり、黒糖が作られている。kg220円前後で取引されている。ただし、これらの70パーセントから80パーセントは商社との契約によるもので一般には出回っていない。この値段では、農家、工場ともに、まったく採算があわない。実は商社に販売される差額の赤字分を、国3分の2、県3分1で補填しているのである。これは離島振興法、沖縄振興法の基づき、離島の存続、またサトウキビ農家の存続ということで補助が行われている。
正確にいうと、平成13年度までの30年間行われたもので、「含みつ糖価格差補給金制度」という。
しかし平成14年度から補助が変わり、
1、含みつ糖の新商品開発、販路拡大、販売事業拡大
2、経営改善計画支援事業(新規事業)
3、企業合理化促進事業
を行うところに対し補助がされる、とある。今後は経営能力のあるところに補助を移行する考えで一律補助を廃止する方向だという。離島7島の工場の組合、沖縄黒砂糖協同組合にこれまで交付事業を行ってきた社団法人沖縄糖業振興協会が継続して交付することになっている。
これらの背景には交付事業補填が大きく、できるだけ補填を減らしたい意向のようだ。もちろん、今後のWTO、FAT交渉のなかで輸入の砂糖が入る中で、生き残れるところを支援するという方向も見える。しかし、このままでは、とうていサトウキビが守れるとは思えない。
一般に販売される純黒糖は、工場の残りの20パーセントから30パーセントがまわされていることになる。したがってこれらは、kg600円以上でないと、採算があわない。そこで、お土産で安くするために、再生、砂糖の混入などが行われているわけだ。宮古島のホームページをみると、「量が足りないために、中国産を一部補給しています」と、書いてあるのもあった。
黒糖のことは、奄美の黒糖焼酎を製造にも影響を与えていて、奄美諸島は沖縄と違い、国と県の補助がないために黒糖の原価はkg600〜700円。それで沖縄から仕入れている。米はタイ米が使われているといったのが現実である。奄美の黒糖を使うと高すぎてできないということになる。
ところが最近、徳之島の徳南製糖で作られた純黒糖で、「黒糖焼酎まーらん舟」というのが奄美の冨田酒造造で誕生した。500ml2000円。わずか300本しかなく、その1本が手に入った。まるでグラッパのような品のいい味わいである。
現在、サトウキビは一反あたり4トンしか取れず、トンあたり2万円しかならない。しかもサトウキビを絞るとその一割しか使えない。サトウキビの刈り作業、黒糖の作業を考えるとkg700円でも安いくらいだ。現在、徳之島で純黒糖を再生してもらうように応援をおこなっている。純黒糖が正規の値段で取引され、この長寿の宝とサトウキビ農家の経済、永続する農業を守りたいというのが願いである。
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NPO法人の団体の名称がスローフード/
スローフード協会が行っている事業はさまざまある/
NPOはボランティアではなく事業体である/
明確な活動方針/
グルメツーリズムを総合的にプロデュース
第2章 最初の活動の要はワインと地域の調査から始まった
ワイン、チーズ、料理、観光などの普及をてがける/
地域の個性とマスコミの利用/
マーケティング手法を小さい農家に取り組む/
スローフードの誕生とマクドナルド/
戦略を学べ
第3章 地域食材のブランド化と地図作りがまずはスタート
食文化に立脚し、地域をプロデュース
第4章 もっとも近い存在ファーマーズ・マーケットと産直
地域生産物の持ち味を最大に生かしたながさき南部生産組合/
ツーリズムが形になっている佐賀県の七山村/
地域食材を使っての楽しい雰囲気の演出で集客/
プロモーションがうまい三重県のモクモク手づくりファーム/
地域活性は地域の特性を知ることから始まる
第5章 ツーリズム「ゆらしぃ島のスローライフ」の試み
始めよう東京のスローフード2004
徳之島でおこなったグルメツーリズムの試み/
農家と協議してツアーの体験コースとメニューを作成/
地域の調査を行い個性を全面的に打ち出す/
幕末アンパンプロジェクトがスタート
■前回案内をした交流会は会場が変更になっています。
『唐津・東松浦地区農産物直売所ネットワーク交流会』
テーマ:はじめましょうスローフード
農家に学ぶほんものの味
講師:金丸弘美
日時:1月7日 金曜日 13:30〜16:30
場所:唐津市文化体育館 文化ホール会議室
唐津市和多田 体育の森公園内
電話:0955−73−2888)
入場料:無料
対象:唐津・東松浦管内の農産物直売所・加工所メンバー
食と農に関心ある消費者、関係機関、団体
問合せ:東松浦郡農業改良普及センター
経営係:松村ますみ、横山比呂美
電話:0955−73−1121