最近の旅日記
過去の旅日記一覧
  旅日記 no.148
「飛騨高山の農家を訪ねる」
2007年6月20日
こんにちは、金丸弘美です。
今日は「最近気になった本のこと」のお話

このところ時間があれば料理を作っている。だから料理本を見るのが楽しみになっている。バンタンデザイン研究所のフードマエストロ講座で一緒になった京都のお酢店の飯尾醸造の飯尾彰浩君にもらったのが『京都のお酢屋のお酢レシピ』飯尾さとみ、飯尾淳子著(アスキー)。お母さんと妹さんの料理ブック。中身の紙質やレイアウトなど、「暮らしの手帖」を思わせる作り。

いいお酢があるのだが、できるだけ使ってみたいと思っていたら、ぴったりの料理ガイド。新しいアレンジで、どれもが食べてみたいと思わせる。これまで、「アボガドが主役のポテトサラダ」、「お酢屋のマーボー豆腐」、「揚げナスの中華マリネ」、「プチトマトのマリネ」、「カボチャとドライトマトのほくほくサラダ」、「いわしのオイル焼きしょうがソース」を作ってみた。どれも酸味の爽やかさがぴったり。食欲がわく。全レシピを作ってみたいと思った本だ。

作家の山下惣一さんは、佐賀県唐津市の同郷で、大先輩。このところ出た本は、ほとんど読んでいる。最新刊が送られてきた。『農業に勝ち負けはいらない!』(家の光協会)。山下さんのすごいところは、農業の現場を検証して書かれていること。ロシア、韓国、ブラジルなど、現場の視点で現在の農業と食の問題が明確に書かれている。僕も全国をめぐっているので、山下さんの本の内容は、どれも納得で共感できるものばかりである。

現在農業の現場では、大規模な農家に集約して大規模化するか、小さな村では集落で農業を土地まとめてするかという、効率化と大型化が進められている。いずれくるだろう農産物の輸入にそなえて、生産性をあげて合理化して自給率をあげようという政策。農産物を入れるかわりに車や電気製品を海外に売って経済性をあげるということのようだ。

しかし現場ではどこもうまくいっていない。国の描いている政策は、まったく地域を無視しているとしか思えない。かりに規模拡大をしても生産だけの農業では、たんなる企業の下請けでしかない。地域で連携して、地域経済につながる加工や販売や料理や観光に結びようなつながりが必要だ。まさに、僕が現場で感じていたことが、山下さんが、世界を駆け巡って、同じ結論になっていたので、嬉しかった。山下さんは、日本と佐賀県の財産である。

立教大学経済学部の山口義行教授の自主的な勉強会「J-WAY」によく出ている。最新刊『中小企業の連携が未来を開く 現場に「解」あり!』山口義行著(中央公論新社)は、中小企業の連携が地域を作るという現場の事例が具体的に書かれている。金融、公的機関、中小企業間の連携、知恵のネットワークによって、これらが地域の再生に結びつく。これは、農業のありかたとまったく同じだ、と気づかされる。地域に根付いている中小企業や農業は、ほとんどが大手企業の下請下になってきた。

大手企業は、人件費の安い海外へとシフトしてしまい、中小企業はたちまち行き詰まりとなったところが少なくない。そんななかで、これまでの系列や下請けの流れから飛び出して、新しいネットワークを生み出したところが登場する。地域づくりには必携の一冊といっていいだろう。

今年、BSE研究で有名な青山学院大学の福岡伸一教授に久しぶりにお目にかかったときに再確認をした。「狂牛病の原因はまだなにも解明されていないんですよね?」「そのとおりです。まだ本当のところはなにもわかってません」とのことだった。なぜ、そんなことを尋ねたかというのは、アメリカからの牛肉再開がされ、調査の基準が20ヶ月以上の検査ならいいとか、いや30ヶ月にすべきだとか、いろいろといわれている。

ところが、肝心のBSEが20ヶ月ならいいとか、30ヶ月ならいいとか、なんの根拠もないのである。ようするにBSEが小さな牛では見つけにくいというだけの話であって、20ヶ月で検査しようが、30ヶ月で検査しようが、それが安全という保障はまったくない。そんな基本的なことをわかりやすく解説したのが『岩波ブックレット№696 アメリカ産牛肉から、食の安全を考える』岡田幹治著(岩波書店)。

BSEがまったく解明されていない人獣共通感染症であること。BSEから人に移る変形型ヤコブ病の危機は回避されていない。今回の輸入再開が、アメリカの企業の都合での政治交渉で行われているのであって、安全が確保されたということではない。EUは、アメリカからの牛肉の輸入は、安全が確保されていないという理由で禁止している。対してアメリカは、EUの農産加工品に大幅な報復関税をかけている。だがEUは、まったく動じていないという。

■セミナーのご案内
「学校給食」のセミナーが開催されます。ぜひおでかけください。
・テーマ「いま、一番受けてみたい『食の授業』」
・日時:8月2日(木曜日)
・場所:アルカディア市ヶ谷(私学会館)
・主催:全国学校給食協会

・9:30~10:40 「「食育」の醍醐味を現場からお伝えします」
            食環境ジャーナリスト 金丸弘美

・10:50~12:20 模擬授業「私の食が世界・地球をつくる」
NPO法人コミュニティースクールまちデザイン理事長近藤恵津子

・13:30~16:00 
 パネルディスカッション 「本番です!食の授業づくり」
    (司会)東京都新宿区立大久保小学校 教諭 善元幸夫
    東京都世田谷区立駒沢小学校 学校栄養職員 関はる子
 NPO法人コミュニティースクールまちデザイン理事長近藤恵津子
   東京都荒川区立ひぐらし小学校 学校栄養職員 宮島則子    
・会場 アルカディア市ヶ谷(私学会館)6階「霧島」
    東京都千代田区九段北4-2-25
    電話03-3261-9921
・定員 120名(締切 7月16日)
・参加費 4、000円

・申し込み・問い合わせ 全国学校給食協会
 千代田区九段南2-5-10 久我ビル1階
 電話03・3262・0814 FAX03・3262・0717
 郵便振込み 振替口座番号00140-8-60732

■好評発売中!
『ゆらしぃ島のスローライフ』(学習研究社)
 金丸弘美・著 絵・唐仁原教人

奄美・徳之島に移住した家族と島の人々との物語。
第10回ライターズネットワーク大賞受賞。
NHK総合、NHK FMで連続朗読番組として放送。
おかげさまで73媒体に取り上げていただきました。

「この本は、スローフード、スローライフに応える実践的教典である」(東京農業大学教授 小泉武夫)
本の購入はアマゾンからhttp://www.amazon.co.jp/

◎全国「食」の活動は毎日新聞デジタル「ゆらちもうれ」で紹介中。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/yurachi/

◎日本ペンクラブhttp://www.japanpen.or.jp/
◎ホームページhttp://www.jgoose.jp/kanamaru/
◎ライターズネットワークhttp://www.writers-net.com/
◎メールマガジンhttp://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/9697.html