金丸です。
今日は「唐津くんちの旅館の宴」のお話
11月1日から4日まで故郷の祭り「唐津くんち」に行ってきた。これまでだと各家庭をまわって料理を堪能したものだが、今回は、かなり趣が違う。昨年から古川康佐賀県知事の肝いりで、佐賀にゆかりのある企業を招いての宴が行われ、その席に声がかかることとなった。いわば、佐賀振興に力を貸して欲しい企業に唐津の祭りを通してアピールをしようというものだ。
僕は「えんや 写真集・唐津くんち」(家の光協会 写真:英伸三)、「えんや 曳山が見た唐津」(無明舎出版)という2冊のドキュメントを出していて、唐津くんちの話ができるということで呼ばれたのである。昼間は「綿屋旅館」、夜は「水野旅館」。いずれも老舗の由緒あるところ。翌日4日は、旅館の招待で「洋々閣」に呼ばれた。おかげで、3大旅館ともいえる唐津の豪華な祭り料理をじっくり愛でることができた。
古川康佐賀県知事に「本読みました。ぜひ事業化するまでもっていきましょう。またいろいろお願いすると思いますが、よろしく」と声をかけていただいた。本とは、古川康佐賀県知事の要請で昨年9月から今年3月まで行った「唐津玄海の食プロジェクト」の詳細を紹介した「創造的な食育ワークショップ」(岩波書店)のことである。
毎月現地に行き、農家、漁村、行政、料理家を始め、地域の横断的な取り組みとして、具体的な年間カリキュラムを作り、新しい食のワークショップを実施した。地域のブランド作りと活性化やツーリズムにつながることを目標に行ってきた。これは、県でも高い評価を受けたのである。
佐賀県を始め各地で手がけているワークショップ(参加型講座)は、イタリアのスローフードでは、行政との連携で、学校教育のみならず観光事業と特産作りの有効な手段として、大きな事業として行われている。その手法を参考にしながら、佐賀県で独自の形として年間を通してできたことは、全国でも先例がないだろう。
取り組みの模様は「毎日新聞」のインターネット版の連載で紹介したのだが、それをベースに本にまとまった。岩波書店の反響は素晴らしく、発売2ヶ月で、現在、確認できたところで、マスコミに24媒体に登場している(11月6日現在)。9月には3週連続で「日本経済新聞」「朝日新聞」「毎日新聞」全国版で広告が掲載された。
その後、「TBSラジオ 生島ヒロシのお早う一直線」「静岡放送 愉快、痛快、阿藤快」「ソトコト」「日本農業新聞」「西日本新聞」「大分合同新聞」「佐賀新聞」「読売新聞(大分版)」「毎日新聞(佐賀版)」「ガスエネルギー新聞」「日本食糧新聞」「産経新聞」「学校給食」「グルメジャーナル」「専門料理」「赤旗」「潮」「漁協の共済」「熊本日日新聞」「遥」「社会新報」「田舎暮らしの本」などで取り上げられた。
11月下旬には「文化放送 世相ホットライン はい竹村健一です」(毎週日曜日朝7時〜7時半放送 全国9局ネット)で、ゲストによばれることとなった。「毎日新聞」連載中から問い合わせをもらっていたのだが、各地でのワークショップの取り組みを紹介することになった。
北海道の全市町村長200名を集めたセミナー、全国の過疎地の職員130名を集めた東京での研修セミナー、全国市町村の職員向けの「市町村アカデミー」の講義、学校給食会の栄養士を集めたセミナー、大分県庁の部長クラス以上の昼食の勉強会など始め、さまざまな場面で、紹介させていただいた。また学習院女子大学、武蔵野美術大学、大妻女子大学、早稲田大学オープンカレッジでの講座でも招かれた。
長崎県平戸市では、唐津のワークショップが、人材開発の観光事業として正式に取り上げられ、現在進行中である。また大分県竹田市でも観光事業での取り組みとなった。群馬県では、20年度に食育の全国大会の開催地になっていることからワークショップの手法をメインに紹介するシンポジウムが12月に開催されることなり、招かれることとなった。
またギリシャ政府が行う、観光事業としての食のワークショップの現地視察を日本の代表の一人として参加をさせていただくことにつながった。イタリアもそうだが、ギリシャも、新しい観光事業として、食のワークショップが取り入れられていることを改めて確認でき、大変参考になった。
食のワークショップの試みは、大きな波となって、確実に広がりつつある。「唐津くんち」の席上、旅行会社の方から「文部省から農業体験をすることが来年度から本格化する。食の体験は、私たちも注目しています。それにこらからの観光には物語が必要。食のワークショップの取り組みは面白い」とのことだった。
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