最近の旅日記
過去の旅日記一覧
  旅日記 no.033
『奄美に訪ねる長寿の食』
2005年3月30日
こんにちは。金丸弘美です。
今回は『奄美に訪ねる長寿の食』の同窓会について

 家族の住む徳之島のツアー『奄美に訪ねる長寿の食』を2004年6月に行った。この試みは、僕のエッセイ『ゆらしぃ島のスローライフ』(学研)を読んだ朝日カルチャーセンターの大野るみ子さんから、「本に登場する奄美・徳之島のツアーができませんか?」というのがきっかけだった。僕は、イタリアのスローフード協会が行っているような、生産の現場と歴史的背景がわかるようなことをしてみたいと思っていたので、この企画にのった。

ツアーといっても旅行会社に任せるのでなく、食べ物すべての材料からコースまで、地元の観光協会の丸野清さんと参加農家とうちの女房の早苗と会議を何度も行って決めたのである。吉玉誠一さんはコーヒーを栽培している。コーヒー畑でその栽培方法や、徳之島に来た経由を話してもらい、自宅で自家焙煎でコーヒーを入れてもらい、サターアンダーギーのお菓子でいただく。東京から移住してきた平山京子さんの家では、島にあるタピオカやマンゴーなどを使い手作りのおやつをいただく。夜の食事は、豚を飼っていた水本孝夫さんの豚と義山良一さんの有機野菜、それもツアーにあわせて育ててくれたものを使って、料理をする。といったものだった。

島を巡るのも、島の人には見慣れているような、ふだんの海を観てもらう。もうそれで十分美しいのである。移動の途中でガジュマルの木々や、古い民家の空き地で、運転手さんがオカリナを吹く。徳之島は長寿の島だからというので、案内役の丸野清さんの100歳のおばあちゃんの家庭訪問をして、縁起物の黒糖焼酎をいただく。
お昼の料理は、農家の豪邸前栄子さんの自宅で、農家の方々の手作りの郷土料理。それも材料から、どんなときの料理か話してもらう。
宴会では、若手の三線(さんしん)弾きや、地元の人も参加して歌い踊るというツアーなのであった。そうして僕のエッセイに登場する人たちがみんなかかわり、参加者と交流をしたのだった。

ツアーから9ヶ月たった2005年3月25日、参加したメンバーの一人佐賀県有田の白濱美保子さんが東京に出てくるというので、参加者に連絡網がいっていて、世田谷の祖師谷にあるレストラン「キヨビスカ」に集まることとなった。「キヨビスカ」は、モルタル木造の一軒屋の2階にあるのだが、ちょっと入りつらい。一見なんだかわからない店だからだ。最初の頃、気になるが入りにくいので、店の前をうろうろしていたことがある。たまたま、知り合いの役者の松本きょうじさんに店の前でばったりあって、店にときどききているとわかって、やっと安心して思い切って入り、以来、常連になったところなのである。

その「キヨビスカ」のオーナー岡本美郷さんは、実は演劇の美術をやっていたことがあり、日比野克彦さんのアシスタントをしていた経験があるという。どうりで空間が独特で、木造をふんだんに使い、なんだか田舎の風に吹かれるような雰囲気の居心地のいい店だなと思っていたのだ。飾られている絵が、温かく面白い。それは、すべて岡村さんの作品だった。そんな彼女に徳之島のことを話していたら、従業員全員でツアーに参加してくれた。そんなこともあって、『ゆらしぃ島のスローライフツアー』同窓会が開かれたのだった。

ツアー参加者の17名のうち15名が集まった。朝日カルチャーのもともとは集まりだから、つまりは同窓会である。20代、30代の男女が中心だったから、彼らはそれぞの仕事や悩みやをお互いに話し合って、盛り上がる盛り上がる。この会で初めていろんなことがわかってきた。雑誌を作る人、イラストレーター、安心安全で食べ物を作る仕事、などなど、それぞれ、みんな前向きでいい仕事をしている。この9ヶ月の間に、個々人が新しいチャレンジをして、素敵な未来を築こうとしている熱が伝わってきて、嬉しかった。

なかでも「キヨビスカ」の岡村さんは、故郷高知の農家に嫁ぐこととなり、農業を始める。そうして四万十川の直売所にかかわることとなるらしい。このアドバイスをということから四万十の人とも会うことになった。また78歳の最高齢の大木さんは、旅行の達人で海外も盛んに行ってらっしゃるのだが、お孫さんがフェレンツエにいらして、そのお孫さんが、なんと僕の知り合いのイタリア・スローフード協会の日本人唯一のスタッフ、僕と『スローフード・マニフェスト』を書いた石田雅芳君のアパートを借りていて、スローフードのイベントのアシスタントもしていることが判明。びっくりである。

食品加工をしている富田君は、新しい食材を求め、営業先を探して、全国を旅をしている。彼は、再び単独で徳之島に行ってくれるという。「本気で島の人たちと、材料から吟味して、地域の食材を使って、おいしい食べ物を世に出してみたいんですよ」と語ってくれた。
店で働いていた小鉢さんはイラストレーターに挑戦中、先輩でプロとして働く斉藤さんに、いろんな話を尋ねている。岡村さんの店で働く人たち、集まったみんなはすっかりうちとけて、それぞれの名簿ができあがり、今、新しい交流が生まれ始めた。改めて楽しい会ができたなと、感慨深かった。

●「キヨビスカ」http://park10.wakwak.com/~kouzou/iwa-kiyobisuka.htm 
小田急線祖師ヶ谷大蔵下車徒歩2分(南方向)
世田谷区砧8-7-1 2f 電話03-3415-6582
営業時間・ランチ11:30〜15:00(ラストオーダー)ナイト17:30〜23:00 定休日:水曜日

●〜ゆらしい島のスローライフ〜の旅第二弾
第1弾の旅の様子はHPにて紹介しています。
http://www3.synapse.ne.jp/mcmaru/yurashii01.htm
□日程:2005年6月9日(木) 〜6月12日(日) 3泊4日
□一人125、000円(会員)、一般127、000円。
□旅行費に含まれるもの:受講料、宿泊費(3泊)、航空運賃、
貸切バス代、食事(朝3回、昼3回、夜3回)
□利用予定宿先:サンセットリゾート 0997-85-2349
企 画:朝日カルチャーセンター 電話:03-3344-2041 担当:大野
協力:ニッポン東京スローフード協会、
観光かごしま大キャンペーン推進協議会
旅行主催:日本通運(株)首都圏旅行支店日本通運
電話:03−6251−6356 担当:蔦谷(ツタタニ)・名塚
http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0501koza/G0201.html

■4月の講演会およびシンポジウムのご案内です。
ぜひおでかけいただければ幸いです。

●4月9日(土曜日) 宮城県仙台市
テーマ 「スローフード スローライフ」
     ゆっくりゆっくりいきましょう
・日時:2005年4月9日(土曜)
    13:30〜16:30
・場所:宮城県民会館 6階 602号会議室
・主催:市民政策調査会 市民フォーラム
・入場料:無料
・講師:食環境ジャーナリスト 金丸弘美
・コーディネーター 市民政調ミヤギ代表(参議院議員・医師)
          桜井 充
・問合せ:電話022−723−4077
     FAX022−723−4088

●4月11日(月曜日) 東京・丸の内
タイトル:『地域再生のすすめ』
〜地域の特性を生かしたまちづくり振興策〜

当日は、「第9回ふるさとイベント大賞表彰式」もあります。

○日時:平成17年4月11日(月)13:00〜16:40
○会場:東商ホール
(千代田区丸の内3−2−2 東京商工会議所ビル4F)
○主催:財団法人地域活性化センター
○後援:総務省、全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村会、全国村議会議長会、朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞社、日本経済新聞社、産経新聞社、地域づくり団体全国協議会
○定員:596名
○参加費:無料
 
○内容
・基調講演  荒俣宏氏(作家、博物学者)

・地域再生法概要説明
御園慎一郎氏
(内閣官房 地域再生推進室・構造改革特区推進室副室長)

・パネルディスカッション
コーディネーター: 山口義行氏(立教大学経済学部教授)
パネラー :
・御園慎一郎氏
(内閣官房 地域再生推進室・構造改革特区推進室副室長)
・津上俊治氏
(社団法人日本旅行業協会 国内旅行振興策提言部会委員)
・朝廣佳子氏(株式会社読売奈良ライフ代表取締役兼編集長)
・金丸弘美氏(食環境ジャーナリスト)

◎お問い合わせ先 
情報サービス課 TEL:03−5202−6135
ホームページhttp://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/
「地域づくり百科」に関するお問い合わせは、E-mail:jouhou@jcrd.jpまでどうぞ。
〒103-0027 東京都中央区日本橋2-3-4
日本橋プラザビル13F  
TEL:03-5202-6131 FAX:03-5202-0755

●4月27日(水曜日) 横浜市
『幕末あんぱん』とスローフードについて

・2005 年 4 月27 日(水) PM6:30〜PM8:30
◇◇◇ 入場無料 ◇◇◇
【会 場】●神奈川区民文化センター「かなっくホール」
横浜市神奈川区東神奈川1-10-1
TEL(045)440-1211
【問合せ先】●幕末あんぱんプロジェクト実行委員会
TEL(045)431-1178(クシザワ内)

●4月28日(木曜日) 東京池袋
・池袋コミュニティカレッジ
『「美味しさ」を楽しく追求 金丸弘美のスローフードの魅力』

【曜日・時間帯】 木(第4)   18:30〜20:00
【開講日】 4月28日〜 7月28日〜
【回数】 6ヵ月6回 3ヵ月3回
【受講料】 6ヵ月 18,900円 7月期 10,395円  
・お問い合わせは、03(5949)5487まで     

− 資料請求はこちら−
TEL:03-5949-5486(代表)
FAX:03-5949-3747
ホームページ
http://college.e-doc.co.jp/ikepri/files/200504/homepage/public/hp/20050412889.html


●スローフードの組織について日本で初めて紹介した本。
『スローフード・マニフェスト』(木楽舎=きらくしゃ)
金丸弘美、石田雅芳 共著 定価:1700円
ISBN:4−907818−38−6(全国図書館協会選定図書)

購入はインターネット書店「アマゾン」からできます。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4054023126/249-1566876-8006749