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  旅日記 no.038
「幕末アンパンが大ブレイク」
2005年5月4日
こんにちは。金丸弘美です。
今日は「幕末アンパンが大ブレイク」のお話

4月12日に「幕末アンパン」を横浜のパン屋さんを中心に18軒で売り出したところ、大評判となり売り切れ続出である。毎月12日のパンの日と、毎週土曜日に50個限定で発売しているのだが、すぐ売れてしまうという。お客さんは次の週の予約を入れてくれるのだそうで、滑り出しは上々だ。

このアンパン売り出すにあたって、その中心になったパン釜を扱う櫛澤電機の澤畠光弘さんから「宣伝したいのだが力を貸してもらえないか?」と相談があったのは昨年の暮れだった。それで「ではマスコミに発信しましょう。予算はありますか?」と尋ねると「20万円だったら使えます」ということであった。

実は「幕末アンパン」は、山梨の小麦、徳之島の塩、黒糖を全部原材料から作ることを始め、それも農家を結ぶという異例のプロジェクト。それだけでなく参加したパン屋さんには、宣伝・協賛費として一軒あたり5万円をいただきそれを開発費、研修費、POP、宣伝費用に使うというもの。18軒が参加したのだが、それでも総額90万円しかない。そのうちマスコミへの宣伝費用は20万円。たった20万円だが、逆に言うと20万円もあった。

澤畠さんの意気込みは半端ではない。江戸末期の資料も集めて当時のパン釜は再現するわ、山梨や徳之島の農家を訪ねて、原料を作るところから始めるというわで、遊び心は抜群で、予算は少ないがこだわりは最上である。澤畠さんは「いろなところに発信したい」という。「どのくらい?」と尋ねると「できるだけ多く」という。そこで僕は「では、マスコミ300社に発信しましょう。ただし、プレスリリースを相談して作りましょう」ともちかけた。
澤畠さんと会議をしてプレスリリースを作った。パン発売の3ヶ月も前の1月初旬のことである。そうしてリリースを知っている限りのマスコミに配布したのである。また神奈川の新聞、テレビ、ラジオ、ミニコミも調べて郵送した。

「幕末アンパン」のネーミングのよさ、材料からのこだわり、コンセプトがうけてまずは「東京新聞」がカラーで全面1ページを割いての報道と、のっけから最大級の扱いを受けた。早くからアプローチしていたこともあって、発売前に月刊誌や地元のミニコミ誌などが掲載をしてくれた。発売8日前の4月4日、18軒のパン屋さんが、櫛澤電気に集まりアドバイザーの加藤周さんの指導のもとで、「幕末アンパン」の最終研修会が行われた。その研修会には、さらに取材が集まった。そうして最終確認の会議では、神奈川の2軒のパン屋さんから「新聞に出ているので予約がいきなり来て、発売前に完売ですよ」という報告があって嬉しい悲鳴のスタートとなったのである。

発売の12日には、なんとNHKから日本テレビ、TBSと続き、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌と掲載は40本を超えてしまったのである。おそらく宣伝費に換算すれば軽く1000万円は超えただろう。ただし、あまりに評判となってパンは売れてしまうが、材料がない。それにせっかく売れても、次に続くのがないともったいない。そこで、山梨の農家にさらに呼びかけ小麦農家の参加を増やすことになった。

実は、山梨の今回のプロジェクトに参加した障害者の施設でパンを焼いている「緑の風」の鈴木正明さんのところでは施設内で小麦を栽培するところからパンを焼くだけでなく、近所の農家に連携を持ちかけたことから、アンパンプロジェクトが大きく広がったといういきさつがある。4月19日には、山梨から鈴木さんがやってきて、澤畠さんと私とで協議を行い、山梨まで出向くことが決定。小麦と農産物を使ってのパン作りをさらに広げようとなった。

6月には、澤畠さんや加藤さんたちが徳之島に出向いて、徳之島の農産物で新商品を生み出すプロジェクトを作ろうということになった。徳之島にはマンゴー、パパイヤ、パッションフルーツを始め、島独自の産物がある。これらをパンに生かせればというのである。
さらにパン釜も作ってもらい、みんなで釜作りとパン焼きまで楽しもうとなって、新たな「幕末アンパンプロジェクト」の始動が始まった。


●「幕末アンパン」問合せ先
櫛澤電機製作所
〒221-0014 横浜市神奈川区入江1-32-6
電話 045-431-1178 fax045-431-1121
http://www.kusizawa.com/


■掲示板
●毎週「毎日新聞」デジタルメディアにて食を訪ねる連載開始。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/yurachi/
●月刊誌『ソトコト』6月号(5月5日発売)にて、名護市の学校給食を紹介。
●おにぎりをテーマにした四季の写真が満載の単行本
『むすんでみませんか? おむすび −むすびの話あれこれー』
オオクラ チエコ著 PIE BOOKS が発売。1650円。
◎この本に、私のエッセイも掲載されています。


●「スローライフ スローフード 長寿の徳之島」のツアーが開催されます。 
〜ゆらしい島のスローライフ〜

□南の奄美諸島、鹿児島県徳之島を訪ね、手付かずの自然や昔ながらの文化を大切にする島の人たちとのふれあいを通じながら、都会の日常生活では味わうことの出来ない、この島に根ざした生活を体感するシリーズ第2弾!!
農家や海辺を巡り、地域の人々と触れ合いながらゆったりした時間の中で豊かな食を楽しみます。
 
前回の旅の様子はHPにて紹介しています。
http://www3.synapse.ne.jp/mcmaru/yurashii01.htm
□日程:2005年6月9日(木) 〜6月12日(日) 3泊4日
□一人125、000円(会員)、一般127、000円。
□旅行費に含まれるもの:受講料、宿泊費(3泊)、航空運賃、
貸切バス代、食事(朝3回、昼3回、夜3回)
□利用予定宿先:サンセットリゾート 0997-85-2349

◇内容
徳之島の人々とふれあい。サトウキビ収穫体験。吉玉誠一さんの珈琲園訪問。無農薬野菜の作農。馬鈴薯収穫体験。黒糖づくり体験。ゆっくり海アシビ。郷土料理の昼食。天然塩作り体験。珊瑚礁の探訪と島の魚での手料理宴会(漁なくさみ)など。

企 画:朝日カルチャーセンター 電話:03-3344-2041 担当:大野
協力:ニッポン東京スローフード協会、
観光かごしま大キャンペーン推進協議会
旅行主催:日本通運(株)首都圏旅行支店日本通運
電話:03−6251−6356 担当:蔦谷(ツタタニ)・名塚
http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0501koza/G0201.html


■好評発売中!!
『ゆらしぃ島のスローライフ』(学習研究社)
金丸弘美著 絵・唐仁原教久
定価:1300円 四六版 176頁

・NHKラジオ『私の本棚』の連続朗読番組になったほか、
新聞、雑誌、ラジオなど90媒体で紹介されました。
本の購入はアマゾンから。http://www.amazon.co.jp/

●金丸弘美正式ホームページ
http://210.255.173.147/tml/kanamaru/kanamaru10.html

・ライターズネットワークhttp://www.writers-net.com/
・日本ペンクラブhttp://www.japanpen.or.jp/
・ニッポン東京スローフード協会http://www.nt-slowfood.org/