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  旅日記 no.112
「唐津玄海食のプロジェクト事業」
2006年10月11日
こんにちわ、金丸弘美です。
今日は「唐津玄海食のプロジェクト事業」について

 佐賀県からの依頼で、僕の故郷の佐賀県唐津市で「唐津玄海食のプロジェクト」を行うことになった。それで急遽、唐津市におもむくこととなった。唐津市市役所で、関係者を集めて説明会を行うためである。唐津市は平成17年、18年と市町村合併が行われ、1市6町2村が一つとなった。これで、佐賀県全体の面積の17.4パーセントまで占めるようになった。

この新たに合併となった地域を含めて、2007年3月までに、10本のワークショップと、1本のシンポジウムと、1本の市場を、開いて欲しいというのが、県の要請である。唐津市の担当部署は、合併後、地域の町村の役場の人たちが集まった地域振興課が受け持つ。10月6日に集まったのは、約50名ほど。地域振興課を始め、合併後の支所、商工会、商店街、漁業連、農協、旅館組合、離島グループなどの代表である。

この緊急の予算をどうとらえるかだが、僕は、せっかくのチャンスだからと、引き受けることとした。やってみたいことがあったからである。それは、唐津市の古い町並みや、地域の農家や、漁港を生かして、その場で、本ものの食材を食べて集まってもらうという、ものである。それは、特別になにか大々的なイベントや仕掛けや、タレントを呼んだり、というものではない。

民家や農家や神社など、あるものを使って、歴史的景観と文化とそこに根付いた食をきちんと明確に打ち出し、そうして、地域の人々をクローズアップするというものである。あるものを再発見し、そのよさを前面に出すというワークショップである。そうして、締めくくりは、旧商店街の中町で、もう40年も前になくなってしまった市場を一度復活させるというものだ。今回のプロジェクトは実行委員会方式で行われ、僕が顧問ということとなった。

合併した地域をもう一度きちんと見直すというワークショップである。これまでになかった広範囲の地域が加わることで、多彩で豊かな地域や景観、さらに多様な食の文化を持つ市に生まれ変わった、という考え方を示した。このプランを早急に書き上げ、集まった関係者に配布していただいた。

しかし、具体的に絵が見えないと理解をされないだろう。そこで、あちこちで企画した、あるいは参加したり、取材したところの写真をパワーポイントで、一部をビデオで上映した。例えば、佐賀で昨年行った100年前の民家を使っての料理店での、地場食材を使った料理会。八王子の磯沼ミルクファームの牧場を開放しての料理会、千葉県多古町の11軒の農家の庭先を開放して行われた収穫祭などである。ほぼみなさん理解をしてくださったようだ。

翌日、県の人と、唐津市内を巡った。直売所や道の駅を中心にでかけたのだが、これがあまり面白くない。今、道の駅や直売所がやたら各地でできているのだが、主体性とオリジナリティがあるところは、ほとんどない。ひどいのが道の駅で、これは国土交通省の予算で10数億をかけられているのだが、どこでもあるドライブインと安物のお土産を売る、どうでもいい店ばかりである。
そこに明快なミッションと個性が見えない。おそらくこんな売り方をしていると、早晩に破綻するだろう。もちろん志のあるところもあるが、少ない。だが明快なビジョンのあるところは集客もすごいのである。

それはともかく、農家の庭先や、港の市場の会場などを使いたいということを県の人と話した。それも全体を通して話したのは、地場のものを地域の生産者が売るということ。よそから仕入れて売ってはいけないこと。人工的な添加物を使ったものは、基本的に避けること。加工品は、地域食材を70パーセント以上使ったもの、というルールを守ってもらうこととした。

その後、商店街に行ったのだが、説明会に参加してくれた魚屋さんのおかみさんが、「私たちも考えていたこと。毎日のように話していた。でも、どこに、誰と話せばわかってもらえるか、見えなかった。今回の会は、ぜひ参加したいし、協力したい」とのことだった。1人元気な女性が動けば、必ずイベントは成功する。さしあたって、11月28に、馬路村の松崎了三さん、ぶどうの木の小役丸秀一さん、竹田市の河野通友さんを呼んで、「食からの地域再生」のパネルディスカッションが決定したのだが、このとき、町の伝統的建造物を開放して、一度試験的に海産物と佐賀の日本酒でのワークショップを実施する予定である。

■「料理を楽しむワークショップ」のお知らせ。

大分県の「食育事業アドバイザー」をしています。
毎月、美しい竹田市に行っていますが、こちらは100年前から薬用としてサフランが栽培されています。そこで、農家の周辺の美しい景観と歴史ある農家の建造物を生かしてのワークショップを提案したところ、実現することとなりました。

11月に美しい薄い紫の花を咲かせます。サフラン農家を解放していただき、サフラン農家での料理会を開催します。

・日時 11月8日(水)10:00〜14:00
・場所 大分県竹田市 サフラン農家の庭先
・参加者 限定30名(締め切りは10月末日)
・参加費 3,000円(雨天決行)

・当日は、お料理に参加していいただき、体験しながら味わっていただきます。

・内容
*サフランのお話とサフラン摘み体験
*パエリア作り(2種)
  佐伯からの新鮮な魚介たっぷり〜海のパエリア
  竹田の旬の食材をちりばめた〜山里のパエリア 
*生ハムのマリネサラダ
  辰巳芳子先生ご指導により久住高原で作られた
  生ハムを使ったサラダです
*デザート作り
  サフランの花びら入りの美しいかぼすゼリー
*飲み物
  汲んできた入田の名水で
  かぼすハニー・サフラン水をお楽しみ下さい
*おまけ(お土産)
  サフラン入り地鶏めしおにぎり 

・申し込み・お問い合わせは
竹田研究所
〒878-0011
大分県竹田市大字会々2250番地1(竹田温泉花水月内)
TEL 0974-63-0805 FAX 0974-64-1127
H P : http://www.taketan.net/
E-Mail: takeken@oregano.ocn.ne.jp

金丸弘美
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番組コーナー:「金丸弘美のス農(ノー)フードな旅」
日時:全国の主要ケーブルテレビ120局で原則土・日
(週2回、月8回)繰返し放送。詳細はhttp://www.at-mie.tv/

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