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  旅日記 no.116
「唐津くんち」
2006年11月8日
こんにちは、金丸弘美です。
今日は「唐津くんち」のお話

11月2,3,4日は、佐賀県の「唐津くんち」。秋祭りで、毎年故郷に帰る。いつもであれば我が家で料理を作りもてなしをするということになるのだが、今年は、料理をつかさどる叔母の高田多恵子のご主人高田正昭さんが、ずっと体調優れなかっ
たこともあって、来客のためのくんち料理をしないこととなった。

ところが、これがかえってよかった。親戚同士で、久方ぶりに会話ができることとなったからだ。これまでは、何十人も我が家を訪れるので、誰が誰だかわからないし、ましてや家族や親戚が話すことなんてなかったからだ。それに対応もあるから、家を離れることができない。だが、今年は親戚でのゆったりした時間をもてたのと、こちらも自由になったので、他所に出向くことができた。

このお祭りのときに、僕が顧問となった佐賀県の「唐津玄海食のプロジェクト」が、始まることになっていたから、そこに顔を出すことができた。会場は、唐津駅前のアルピノで「特産市」が行われ、合併した市町村の相知、港、肥前、七山を始めとする市場が開かれた。これは、唐津くんちをきっかけに、多くの観光客に地域の物産をお土産を買ってもらうというわけだ。それと、祭りの期間に気軽に食べるところがないというので、簡易な食事どころを設けて、食事もしてもらうという趣向である。

唐津市と佐賀県の職員、それに地域の方々の協力で、特産市が誕生した。2日間の参加人数は1万1000名となり、まずは成功で、嬉しい限りである。とくに弁当系が人気であったとのこと。売り切れも続出した。この市場をきかっけに、今度は、各地域での、ワークショップを10箇所で行ってもらうということとなっている。小さくともかまわない。それぞれの地域の食材と景観と人とがいちばん格好良く、そしていちばん美味しい形で、行ってもらいたいと思っている。多様性の豊かさを現出させたい。

その事例と地域作りの方法を模索するために、第二弾は、11月28日に、唐津市本町にある明治期に建設された旧佐賀銀行での、『ワークショップ「オイスターアラカルト」(味覚講座) 唐津の美味い牡蠣(オイスター)を最上の日本酒とともに』を行うことになっている。旧佐賀銀行は、設計は清水建設の田中実によるもの。田中実は、東京駅の設計家・辰野金吾の指導を受けたといわれる。辰野金吾は唐津の出身。アールデコの建築物のなかで、食と文化が融合する、という試みである。この時期、最上の生牡蠣と最上の日本酒を味あおうというわけだ。

この後、地域作りでは、各地から視察はもちろん講演にも引く手あまたの竹田市観光課の河野友通さん、福岡県のグラノ24Kぶどうの樹の小役丸秀一さん、高知県の馬路村の柚子製品の仕掛け人・松崎了三さんたちと、二夕子の『唐津市高齢者ふれあい会館「りふれホール」』でシンポジウムを行うこととなっている。いずれも地域の特性を最大限に生かした街づくりをしている。3人とも親しい人ばかり。とりわけ竹田市は、毎月行っていることもあって、その景観の美しさには、いつも感心しているのである。そんな地域の人たちに、地域連携と個性作り、街づくりを学ぼうと思っている。

そうして2007年の3月には、そのしめくくりとして、唐津市中町の商店街で、道路を遮断して、唐津くんちで集合した、各地域の人々に再結集していただいて、再び、今度は、商店街のど真ん中で、市場を開催してもらおうと計画している。中町商店街は、年々閑散としている。現在、県の補助が入ってレトロの街づくりと称して、昭和30年代の外観を作っている。だが、かつて道路を拡幅し、郊外にショッピングセンターができて、商店街は雇用も店も衰退していったいきさつがある。

かつて僕たちが小さい頃、露天の引き売りの店がたくさんあって、活況を呈していた。その感じを再現したい。もっともノスタルジーではない。現在、サンフランシスコ、ニューヨークを始め、アメリカでは、地域活性化でファーマーズマーケットが盛んに行われている。イタリアのスローフードもしかり。かつての市場をリニューアルをした、新しい形の市場である。ただし、小さい生産家で、生産者本人が販売する、地域の生産物を販売する、仕入れたものは販売できない、などのルールがある。
そのことによって地域の生産農家や加工業者にスポットをあてている。その小さい形を唐津で、実現させたい、それが、今、動き出した佐賀県唐津市のプロジェクトである。

■「味覚のワークショップ」のお知らせ
・湯河原四季の恵みセミナー〜オータムフルーツ〜
・開催日時:平成18年11月18日(土)  −1dayイベント−
 13時30分〜15時00分
・開催場所:湯河原観光会館3F大会議室
 住所:神奈川県下足柄郡宮上566 
・主催:食文化創造大学院開校準備室 株式会社シンプルアイ
・後援:湯河原町
・定員 :70名
・参加料:1,000円

・内容:四季の恵みセミナーでは、湯河原町に設立を予定している「食文化創造大学院大学」の公開講座として、湯河原の特産物であるみかんを題材に、味覚のワークショップを実施し、素材を食しながら見た目や香り、味、手触りを表現します。また、素材の歴史、背景と製法、又は栽培法、品種などについて
楽しく解説します。

・講師:金丸弘美 氏(食環境ジャーナリスト)
・申込方法 :お名前、住所、電話番号、メールアドレス、職業、年齢を記入し、11月12日(日)までに、ファックスまたはメールでお申込みください。※ 小学生以下は、保護者同伴でお願いします。
申込先:FAX 03-5722-6257  E-mail info@yugawara-lohas.jp
お問合せ:食文化創造大学院開学準備室
株式会社シンプルアイ 上前泊・松尾
:03-5722-7301

タイムスケジュール

・第1部:セミナー形式  「金丸先生と生産者、技術者、流通業者とのシンポジウム」

・第2部:テイスティング 「みかん数種、ジャム、みかんとハチミツとチーズ、伊豆ワインなど」

■最新刊のご案内!
義姉・大ぞの(義岡)千恵子と女性のための食から健康の本を出版。

・書名 体においしい「ごはんの力」
・著者 金丸弘美+義岡千恵子(イラスト 川口澄子)
・価格 本体1280円+税=1344円
・出版版元 KKベストセラーズ
・ISBNコード ISBN4-584-18975-7
・発売予定 11月15日(水曜日)

・問合せ先 書籍編集部 担当:寺林真規子
電話03ー5976ー9485 FAX03−5976−9289
・ご購入のお申し込み 営業部 
電話03−5976−9121 FAX03−5976−9240
 
■テレビ放映のご案内
「Ageing japan」(生島ヒロシ司会):情報ワイド番組
番組コーナー:「金丸弘美のス農(ノー)フードな旅」
日時:全国の主要ケーブルテレビ120局で原則土・日
(週2回、月8回)繰返し放送。詳細はhttp://www.at-mie.tv/

◎メールマガジンhttp://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/9697.html
◎全国「食」の活動は毎日新聞デジタル「ゆらちもうれ」で連載中。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/yurachi/
◎ホームページhttp://www.jgoose.jp/kanamaru/
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