金丸です。
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
みなさまの、ご健康と心豊かな暮らしが広がることを祈っています。
今年、全国をめぐり新しい地域活動を取材を行うと同時に、美味しい食材を使った食のワークショップを展開します。そして、行動と運動と執筆を連携させていくのが、目指す活動です。
1月は9日の平戸市での地域づくりの取材と食のワークショップの開催から始まります。その後、大阪、豊後大野市、玖珠町、富山、喜界島、名瀬など全国に出かけます。「食からの地域再生」「地域デザイン」「食育とワークショップ」が、2008年のテーマ。これからもよろしくお願いします。
ホームページを一新。メールマガジンと同時に全国の活動を随時紹介していきます。3月から「月刊JA」での連載も始めます。
◎ホームページ
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/home/index.php
さて全国をめぐるなかで、失望し愕然とするのが、駅から郊外にかけての大型店やショッピングセンター、パチンコ店など、画一化した街づくりの無個性化だ。商店街は、ほとんどが道路を拡幅し、車の通路に成り下がっている。郊外は農地は優良地ほど埋め立てられて、どこでも同じチェーン店が並んでいる。
各地を旅をした人なら、日本の街づくりの無自覚さ、先見のなさには、多くの人が気づいているはずである。この結果、商店街はシャッター通りになり、雇用が奪われ、空き店舗がほとんど。おまけに家賃は昔のままというところが多いから、若い人は入らず、空洞化がさらにすすむ。
郊外での大型ショッピングセンターやスーパーなどの出店ラッシュは、安売りが進み、しかも売られているものは、ほとんど外のもの。
地域に還元されない。安い商品の寡占化は、農業・漁業・加工業者にも安売りを強いることとなる。さらに郊外でのインフラの整備は、税制に負担をかけ、そのつけは住民にやってくる。
そんななか、地域の街づくりの問題点を明確に示し、あるべき方向を示唆する本が出た。「地方を殺すな! ファスト風土化から”まち”を守れ」(洋泉社MOOK)。それに「実測!ニッポンの地域力」(藻谷浩介著 日本経済新聞社)である。
「地方を殺すな!」では、商店街の空洞化から、風俗街になった事例、逆に、地権者を説得して賃料を安くし、計画性をもって再開発をして、客を呼び戻している高松市の丸亀商店街などが登場する。
とくに各地で進めらている道路の整備化やショッピングセンター誘致が、街の空洞化に拍車をかけているというあらゆるデータを駆使しての藻谷氏の論考は必見でああろう。
「郊外の遊休地(農地・遊休工業など)を地権者が安く「貸し、それに市町村が敷地の上下水道整備や周辺道路の拡幅を税金を投入して行っている。田んぼに土を埋めているところもある」。肝心なのは、その先で、「固定資産税を払わない農地が開発地に化けるのは増収税だから大歓迎と、積極的に用途変更をおこなっている市町村が後を絶ちません」と言う。
さらに「高度成長期以降に地方、大都市近郊を問わず蔓延してきた郊外乱開発。これらは、一方的な人口増加を前提とした、大手商業者・郊外地権者・自治体三位一体の「焼き畑農業」」と指摘する。
「実測!ニッポンの地域力」の「地域振興戦略の勘違いを正す」という項目では、「人口10万人以上の都市圏の3分の2で、売場面積が増えているのに販売額が低下してることだ。しかもここには、政令都市の都市圏がすべて含まれる。売場面積増加→販売額増加となった都市圏は1割に満たず、しかもそのいずれもで、面積増加率相応の販売増加が達成できていない」と指摘する。
そして都市計画を行い税収にみあったインフラのビジョンがないとも言う。「郊外農地や調整区域の土地の所有者を最大の票田とする市町村議会に、そのセンスはない」とも。この結果、税収は下がっている。さらに魅力のない街づくりは価格競争をあおり、それに負けた店舗は撤退し、荒涼とした風景と犯罪が残る。人は、さらに都市部へと流れてしまうのである。
改革のポイントは明確なビジョンと計画、地権者を仲間にいれ、家賃を安く若い人たちが入れ、高齢者が安心して歩けるような街を作ること。また景観やゆとりを考え、高付加価値で、地域に根付く商品開発と投資を行うということ、などがあがっている。なにより、地域性を生かした、その街らしいパーソナルを作ることだ。
いずれにしても、行政関係者、街づくりに関わる人には、必読の2冊だろう。
■初荷です。
◎月刊誌「ソトコト」2月号 特集「全日本食育都市ベスト100」
「これがニッポンの食育都市だ!」で、大分県竹田市でおこなった食のワークショップが登場します。(1月5日発売)
http://www.sotokoto.net/
◎『通販生活』(カタログハウス)2008年春号(1月15日発売)
「読者が選んだ暮らしの道具07年度ベスト100発表号」で「本のページ 読者のおすすめ本」に、好評の最新刊「創造的な食育ワークショップ」(岩波書店)が紹介されました。
http://www.cataloghouse.co.jp/cat_order/tsuhan/index.html
◎竹村健一氏の雑誌『世相』2月号(1月28日発売)で竹村氏との対談「時の人・話題の人」に登場します。
テーマは「食育を進めることは地域活性化にも繋がる」です。
兵庫県豊岡市のコウノトリを戻した田んぼのことを話しました。
『世相』(
http://www.taiyoo.com/seso.html)
◎日本ペンクラブ
http://www.japanpen.or.jp/
◎ライターズネットワーク
http://www.writers-net.com/
◎関東ツーリズム大学
http://tourism-univ.net/