こんにちは。金丸弘美です。
映画「スーパーサイズ・ミー」のヒットと子供たちからの手紙
「マクドナルドを毎日食べるとどうなるのか?」という衝撃の映画「スーパーサイズ・ミー」のことを以前紹介した。その後、モーガン・スパーロック監督が来日して「週刊金曜日」(12月3日号)で監督と対談。また、雑誌・新聞では6媒体で映画評を書いた。監督はとても健康で、ふだんは、オーガニックの料理を食べているとのこと。現在は学校を巡りファストフードの健康被害のことを講演しているのだという。
先日、「スーパーサイズミー」の配給会社より大入り袋が送られてきた。映画はヒットしていて 全国展開も決定したという。この映画、結構若い人が観ているようだ。地域の食文化を知ってもらう活動をしている私としては喜ばしいことだ。
「マスコミ夜話会」の勉強会での「日経レストラン」菅原雅信編集長の話によると、現在、東京は毎月200店舗の飲食店がオープンし、270店舗が廃業するという完全オーバーストアで、過当競争時代だそうだ。その中で生き残るのは、極端に安いか、または、食材からテーマが明確になっている店かのどちらかだそうだ。二極化している。やはり、食も健康、ヘルシーは重要なポイントになるだろうとのことだった。このときにも「スーパーサイズ・ミー」のことが話題にのぼった。
最近、学校や栄養士の勉強会で講師で呼ばれることが増えた。先日、東京都立府中工業高校の保健の授業に講師として呼ばれ「スーパーサイズ・ミー」の話を通して、現代の肥満と生活習慣病やアトピーのことなど、取材や体験を通しての話をした。驚いたことに、すでに担任の内田一美先生のところには「スーパーサイズ・ミー」を私が応援していることの知らせが届いていた。他の先生から記事がまわってきたのだそうだ。
授業は反響がよく、すでに映画のことを知っている生徒がいて、ぜひ観てみたいとの感想がたくさん届いた。生徒の授業の感想を読んだら、みんな自分の食生活のことを真剣に考えていることがわかった。
「ぼくたちを取り巻くこの食環境、いや、自己の選択により、自分自身で健康な体を作るのも可能なワケで、自己管理、正しい食の事情に理解をもって、今から食事には気をつかいたいと思った」という手紙を代表に、真摯にとらえている表現がいくつもあって感心した。自分の子供の世代と変わらない。その表現の豊かさにとても学ばされることが多かった。
昨年、静岡県伊東市でのお米のティスティングを行った旭小学校の渥美弘美先生からも、生徒たちの手紙がどさりと届いた。授業の後は、さらに子供たちの言葉が豊富になっていて、びっくり。
「私は、お米のできあがるまで苦労や、一つ一つのお米のおいしさ塩の味のちがいなどがよくわかりました。お米のおいしさは、一袋ずつ味が違う。よーくみると、形もちがう、においも違う。すごく興味をもちました。私の家でも2種類くらいで味くらべをやりたいです。お米を育てるのに、カモを使って雑草を食べてもらうのも、おもしろかったです」
「徳之島のことや、お塩のこと、あとお米のことなどのなかで私の思いでは、お米のことです。松井(秀喜)選手が食べているお米を食べれたことです。あのようなお米を食べれたことにびっくりしました。昔に食べられていた黒米、赤米、緑米などの入ったご飯を食べることができてとても嬉しかったです。徳之島の塩はただたんにしょっぱいだけではなくて、甘みもあっておいしかったです」
こんな手紙が30通近くも届いた。今年は、この授業を大きく広げたいものである。
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