こんにちわ、金丸弘美です。
今日は「渡邊政子さんとパンの会」について
パンが大好きという渡邊政子さんが、パン好きの集まり「パンの会」を始めたのは13年前。
そのパンの会を近々解散するということになって、そのラストの催しの一つを、「幕末アンパン」プロジェクトの横浜・櫛澤電機で行うというので出かけた。櫛澤電機はパン釜を販売している会社なので、今回の催しは溶岩釜と電機釜を使ってさまざまなパンを焼き、食べて味わってもらおうというもの。
当日はもう夏のような日差し。そのなかに各地のパン好きの仲間が、なんと80名も集まり、会場には入りきれず、駐車場にテーブルと椅子を並べての、臨時試食会場ができあがっていた。会場では、徳之島にきてくれた加藤晃さんや、木村さちこさんを始め、何人ものパン焼きの人たちがどんどんパンを焼いている。
カンパーニュ、イギリスパン、あんぱん、純黒糖メロンパン、げんこつぱん、チーズフランス、パウンドケーキ 黒糖とゴーヤ、パウンドケーキ、黒糖とピーナッツ、もろみ酢のゼリー、チョコレートなどである。焼きあがったものを、切り分けてみんなで食べる。どれもおいしい。
とりわけ人気だったのが、イギリスパン。おおきなふんわりと山を連ねたような褐色のグラデーションが美しい。ふんわり、アツアツ、もちもち感が、微妙にバランスよくって、うまみがちょうどいい。
他の食べ物とあわせて、調和する味わい。山梨の北斗小麦を使って、胡桃とゴーヤを入れたカンパーニュは、すごくしっかりした素材で、簡単には噛み切れない硬さ。でも噛むとじんわりうまみが口に広がり、素材の個性とくるみとゴーヤの苦味とが、絶妙に調和している。
僕は、これがいちばん気に入った。
みんな食べてみて、いろんな味の感想をのべあっている。食べるってことは楽しい。すごくわかりやすい会だからだろう、13年も続いたのだなと思う。「パンの会」は、ひところ6000人くらいの会員がいたのではないか。政子さんに解散の理由を尋ねたら「いろんな楽しいことやってきたし、好きなことやってきたから。また次のことをしようと思って」という。現在は、会員が2500名だそうだが、会員が少なくなったことも解散の理由だとか。それにしてもすごいなあ。ご苦労様でした。でも、いいよね。楽しくてできた会で、楽しいうちに無理なく発展的に解散できるって。素晴らしいと思う。
政子さんと会ったのは、もう10年前になる。当時、いろんな料理屋さんを訪ねるという「食べ食べ会」という集まりがあって、その会を主宰していた中村雄昂さんが手がけたのが、パン好きの女の子の渡邊政子さんのパンの会の単行本だった。その出版パーティーであったのが始まりである。すでに政子さんは、2000名の会員がいて、「パンの新聞」というの出していた。彼女には、「本を出したい」と、相談されたのだった。
政子さんとは、当時出ていた「毎日グラフアミューズ」のパン特集を一緒に手がけた。そこで紹介されたのが、櫛澤電気の澤畠光弘さんや、本牧館の青木茂さんたちである。澤畠さんとは、「焼きたてパン屋さん。本日開店」(とりい書房)という本を作った。政子さんは、「文化出版局か、扶桑社で出したい」ということで、売り込みにいったのだが、まだ当時は、知られていないという理由で断られてしまった。ところが、講談社がのってくれて『美味しいパンを食べよう!』(講談社文庫)が生まれた。
その講談社の編集中の1993年、米の不作で大米パニックが起こった。いきなりパンが注目となり、政子さんは大注目の人となった。
そうして雄鶏社やちくま書房などから、次々と本を出して、たちまち売れっ子になってしまったのだ。そのとき笑ったのが、断った文化出版局と扶桑社から、「渡邊さんの本を検討したいが、どうか?」と連絡があったのだが、もう遅い。よその出版社から引っ張りだこという状況だった。彼女の媒体の登場ぶりとパリやイタリアやまでパンを食べに行って、次々と本にしていった活動振りには、正直、すごいなあ、うらやましいなと、思ったほどである。
久しぶりに再会した彼女は、かわらずパン好きの女の子で、マイペース。すっかり自分も楽しんでいる。こんな雰囲気作りを見習わなくちゃと思った、嬉しいひと時であった。
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