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  旅日記 no.086
「新しい冒険の始まり」
2006年4月5日
こんにちわ、金丸弘美です。
今日は「新しい冒険の始まり」について

4月1日から新年度になった。この新しい年度から、これまでとは違った新しい取り組みに参加することになった。もっとも、そうなりたいと願ってきたことなので、とても興奮している。
ここ15年全国の食の現場を巡ってきたのだが、食の勉強会や食を訪ねるツアーや現場を紹介してきたことが、どうやら大きな視点でつなぐことができる時期になってきたのである。

その一つ、2005年4月から毎週「毎日新聞」のデジタル版で紹介してきた食の取り組みは連載50回。書くということで、より深く意識的に食をとらえることができるようになった。タイトルは「ゆらちもうれ」。奄美諸島・徳之島の言葉で「ゆっくりしていきなさい」という意味だ。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/yurachi/

2005年に「食育基本法」ができてからというもの、食文化の見直しや地域の食からの地域活性化や食を学ぶ場を作ることは各地域の必須課題となった。それで、各県でさまざまな食の事業が具体的に動き始めたのだ。その事例が求められているのだが「ゆらちもうれ」が、一つの参考として各地で受け止めら
れている。また書籍では三重県の農業法人「モクモク手づくりファーム」のことを書いた『伊賀の里 新農業ビジネス ただいま大奮闘』(NAP)は、食から地域活性化のテキストとして、各地で読まれている。

これらの活動が認められ、4月から大分県の依頼で日本で初の「食育アドバイザー事業」に就任することとなった。モデル地区で大分県竹田市と、もう一つの町を担当することとなる。とりわけ竹田市は景観が美しく食文化を大切にしているところ。
この何年間全国を巡ってきて、もっとも好きになった町だけに楽しみだ。

竹田市は市全体が自然と風景と町並と食づくりが調和がとてれていて、もっとも意欲的なところ。人材も素晴らしい人が多いから、僕はそのよさをどう外部に発信していけるかという役割だろう。これからクローズアップされること間違いなしのところである。

僕の故郷である佐賀県は、現在、県下100団体に呼びかけて、4月29日に食育推進事業のネットワークを立ち上げることとなった。その中心に、私たちが2005年に作った食文化の団体「オリザ・ジャポニカ・クラブ」が幹事団体の一つとなり、多くの方々とともに佐賀の食を発信することになっている。

民間と行政の連携は、すでに早くから政府も打ち出しているが、その具体化が各地で求められている。政策提言は行ってきたが、その活動の具現化を佐賀で経済活動をともなう形で実践したいというのが、夢だ。

鹿児島県は、奄美諸島全体で「奄美ミュージアム構想」というのが早くからプラニングされていた。島のすべてを使った観光と文化事業である。その中身は僕が「ゆらしぃ島のスローライフ」(学研)のエッセイに書いたことと同じで、島の自然を上手に生かすというもの。ああ、やはりもう島の人はきちんと方向を構想されているのだなと思ったものだ。

そのなかで「奄美長寿子宝プロジェクト」という健康と自然と食に的を絞った企画が推進中である。長寿と食育で予算を組み、町おこしを進めている。その委員の一人に任命された。すでに鹿児島と奄美で2回の会議に参加した。今度は5月と、また奄美のシンポに7月に参加する。奄美の食文化の発信をお手伝い
することとなる。家族の住む徳之島もふくめて地域の活性化を具体的な形にしたいと思っている。

全国で食をテーマにした地域活性化が進められている。ここ2、3年急激に講師依頼が増えた。全国行政マンの研修期間「市町村アカデミー」で、昨年に続き、講師をすることになった。内容は「食からの地域再生」だ。三重県のモクモクファームを始めとして、先進事例を早くから取材してきたことが、今、役にたっている。

さらに「学習院女子大学」も昨年に続いて講師をすることになり、他に「早稲田大学オープンカレッジ」「東急セミナーBE」でも講師をすることとなった。もちろんテーマは「食」。嬉しい。あちこちで「食育」が動き出し、現在は、食育から地域活性化へと広がっている。それも具体事例と実践例が求められている。時事通信の「内外情勢調査会」を始め各地の自治体や団体から食と地域づくりの講演依頼もいただくようになった。おかげで新年度も全国を巡ることになるだろう。

今年は、僕のこれからの活動として、本作りと地域活動と運動がより連動するものを掲げた。3月にその第一弾『子どもに伝えたい本物の食』(NTT出版)が出たのだが、その前から準備してきた本も、4月に同時に発売となる。

・一冊は、絵本タイプの日本の身近な食料問題の本である。「フードクライシス 食が危ない!」(ディスカバー)おかあさんや働く女性向けの本。対象は小学校高学年から。オールカラー48本のコラムと絵の入ったもの。これは干場弓子社長の依頼で始まったものだが、2年半も歳月がかかった。すごく楽しい本となった。もっともお洒落な食料問題の本だろう。
ぜひ学校や教育の現場で使って欲しい。

・一冊は、農場とシェフと引き合わせた、ヨーグルトの本である。
「HOME MADE ヨーグルト」(雄鶏社)
ヨーグルト作りから、ヨーグルトを使った料理までの、楽しい料理本だ。こちらは構想から実現まで4年かかった。八王子の牧場の磯沼正徳さんとレストラン薔薇の宮口泰三さんたちとで、できた素敵な美しいヨーグルトの本。斬新な切り口で、写真も素晴らしいから、きっと大きな支持を得られるだろう。


■早稲田オープンカレッジのご案内
今年の4月15日から7月1日まで、
「早稲田大学オープンカレッジ 」が開講します。
【ジャンル】 現代社会と科学  食の安全と安心を問う−現代の食生活と食の生産:期待と現実の大きな落差−
https://www.waseda-extension.com/o2004s/index.php

現在の日本の食糧自給率は40%。これは先進国で最低。現在、日本では自給率をあげるために生産地の統合と効率化を行っていますが、決してうまくいっていません。

一方、私たちの食生活はファストフードを代表とする偏った食の蔓延で生活習慣病が広がり健康被害も生まれています。現実の食の現場をさまざまな角度から取り上げる総合講座。ぜひお出かけください。

講座の詳細は以下の通り。↓
https://www.waseda-extension.com/o2004s/detail/s120734.html

【1】 4/15
「食」と「農」の危機の進行と対応策 山田俊男 全国農業協同組合中央会 専務理事
【2】 4/22
食の安全と安心 原 耕造 全国農業協同組合連合会 SR推進事務局長 3】 5/13
どうすれば安全な「食」を手に入れることができるのか 青山浩子 農業フリージャーナリスト
【4】 5/20
だれが日本の「食」を守っていくのか? 青山浩子 農業フリージャーナリスト
【5】 5/27
取り巻く食環境と各地域の食からの地域再生 金丸弘美 ジャーナリスト
【6】 6/3
本物の食を伝える味覚教育の実践 金丸弘美 ジャーナリスト
【7】 6/10
有機農業等環境保全型農業発展の経過と取組みの現状 蔦谷栄一 農林中金総合研究所特別理事
【8】 6/17
海外の農業環境政策と我が国における推進上の課題 蔦谷栄一 農林中金総合研究所特別理事
【9】 6/24
人と生き物に優しい農業を支援する 原 耕造 全国農業協同組合連合会 SR推進事務局長
【10】 7/1
安全な食、健康を支える食生活、有機農業を総括的に学ぶ 堀口健治 早稲田大学教授


興味をもたれた方には、お電話いただけましたら無料でンフレットと送付しています。電話番号は03-3208-2248です。

担当:早稲田大学エクステンションセンター 蓮沼


◎毎週連載中メールマガジン『金丸弘美のスローライフ旅日記』
http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/9697.html登録無料
◎全国「食」の活動は毎日新聞デジタル「ゆらちもうれ」で連載中。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/yurachi/
◎学校給食での「食育」は、月刊誌「ソトコト」で毎月連載中です。
http://www.sotokoto.net/top.htmlこれまで秋田から沖縄まで紹介。
◎月刊「学校給食」で「食彩宝庫 風だより土だより」新連載開始!!
http://www.school-lunch.co.jp/
◎「日本農業新聞」で「こころの一冊」を連載中。
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/
◎月刊「BOB」で「映画評」を連載中。
http://www.kamishobo.co.jp/

◎金丸弘美正式ホームページ
http://210.255.173.147/tml/kanamaru/kanamaru10.html
・ライターズネットワークhttp://www.writers-net.com/
・日本ペンクラブhttp://www.japanpen.or.jp/
・ニッポン東京スローフード協会http://www.nt-slowfood.org/