こんにちは、金丸弘美です。
今日は「高校生からの贈り物」のお話
今年は、ずいぶんと学校の授業に招かれた。幼稚園、小学校、中学、高校、大学からカルチャーセンター、オープンカレッジまで、すべてに関わって、それぞれの客層に応じての授業を試みた。
若い人たちとの時間は、とても元気をもらうことができ、自分のやってきた取り組みの手ごたえを感じている。
最近、いちばん嬉しかったのは、東京都立農業高校の夜間部の授業である。10代から40代まで年代的にも幅広い。担当の先生から、ずいぶんと前から頼まれていた。事前の話では、せいぜい集中力は30分程度で、なかなか最後まで聴いてくれないかもしれない、ということだった。夕方の給食をはさんで体育館で行われた特別事業は、200名近くの生徒が対象だった。
授業の内容は、パワーポイントを使い、まず僕の食の絵本『フードクライシス 食が危ない!』(ディスカヴァー)から、BSEから鳥インフルエンザ、食料自給率、ファストフードのグローバリゼーションから肥満まで、日本の食糧事情を紹介。そこから三重県の「モクモクファーム」の農家レストラン、福岡県の「ぶどうの木」のぶどう畑での結婚式など、新しい農業と地域づくりを紹介した。
確かに最初の始まりだけは、ざわついて落ち着かなかったものの、あとは、みんな真剣に聴いてくれた。とくに、ぶどうの木のレストランでの結婚式の紹介となると「うわ、かっこいい」「行ってみてえ」と言う声があがった。後半は、高校の京王線沿線にある八王子の牧場「磯沼ミルクファーム」での、牧場を使った料理会をビデオで紹介した。生徒たちは、みんな画面を見つめて、楽しんでくれている。
質問を投げてくれる男の子もいた。「地方の農業は過疎化や高齢化で、危ないといわれていますが、僕のような若い者が参加できる農業はありますか?」と言うものだった。「現在の各地で進められている農地と生産の拡大という農業だけでは、先行きはないでしょう。しかし、新たな組合を作り、レストランや加工の運営など、自らが主体となって、地域経済を支えるあり方の農業だと将来はあるでしょう」と、話した。その質問の回答の後、授業を終えたら、みんなから盛大な拍手をもらった。
あとで職員室に父兄代表の女性が二名訪ねてきてくださった。お二人は、この高校の出身。農業が未来を作っている各地の取り組みを見て、希望がもてたという。とくに、磯沼ミルクファームの都市での自然循環型の農業のあり方に感動したという。握手を求めれて「この高校の卒業生であることを、誇りに思えます」と言われて、嬉しかった。おみやげに、生徒たちが作ったブロッコリーと大根、青梗菜をいただいた。しばらく野菜料理を楽しんだ。
この都立農業高校のあと、前から頼まれて、赴いたのが、僕の次男卓弘が通っている新設の鹿児島県立徳之島高等学校の特別授業である。自分の子供の前で授業をするのは初めて。うちの女房のたっての願いで、子供のいるうちに、行って欲しいということから、授業を引き受けた。授業の展開は、都立農業高校とほぼ同じ。
次男の顔を見ていたら、パワーポイントの画面をまじめにのぞきこんでいる。後で子供に尋ねたら「親父の授業、面白かったよ」と言ってくれた。
授業の後、4日後に、改めて高校に行き、生徒の授業のアンケートを先生からもらった。授業を受けたほぼ7割近くが、びっしりと感想を書いてくれていた。そのなかには「自分のところも農業をしていて、継ぐのはいやだと思っていたけれど、農業でレストランをしたり市場をする新しい形があるのを知って、農業をしてみたくなった」とか、「ぶどうの畑で結婚式をするところがあるなんてびっくりした。徳之島でもやってみたい」「徳之島は長寿の島と思っていたら、違っていると聞いて驚いた。ファストフードを食べるのはやめようと思う」など、内容を読むと、授業で伝えたものを、きちんと受け取ってくれている。
後で妻の早苗にもアンケートを見せたら、「子供たちが未来を作ろうとしている。この子たちにこそ、研修先の場として、これから新しい農業や地域作りを直接見せたい。この授業、今後も続けてよ。学校にも、研修先に、モクモクファームやぶどうの木を訪ねてもらうように働きかけようよ」と、興奮して話してくれた。二つの高校の授業を経験し、生徒たちの反応は、先進的で、新たな試みをする地域には、非常に関心が高いということである。その未来を築き提示するのは大人たちだ。高校生たちに、嬉しい宝物をもらった気持ちだった。
■ヨーグルトとヨーグルト料理の本ができました。
・タイトル『HOME MADE ヨーグルト』
・著者 宮口泰三 磯沼正徳 金丸弘美 斉藤かすみ 辧野義己
・写真 長峰輝明 テーブルコーディネート:高橋みどり
・値段 1400円+税
・出版社 雄鷄社
http://www.ondori.co.jp/
・ISBNコード ISBN4-277-66151-3
・問合せ先 �衢朔閏卻埆孤堯�03-3268-3363
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ヨーグルトって、こんなに奥深く、料理がたくさんできるのって驚くような楽しい本になりました。写真が美しい。素敵な本です。10年の付き合の八王子の牧場・磯沼ミルクファーム磯沼正徳さんミルクから教わったヨーグルトの本です。料理は草月会の最高においしいレストラン「薔薇」の宮口泰三さん、神楽坂の「ピルゥファス」斉藤かすみさん。それに乳酸菌の研究で有名な辧野義己さんが参加してくださいました。ぜひ読んでいただけると幸いです。
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