こんにちは、金丸弘美です。
今日は「新しい中山間地の地域作りの視点」について
3月22日 スローフード・ジャパンの記者会見。九段のイタリア文化会館で、イタリアのメンバーを呼んで、「マスター・オブ・フード」の日本での実施と珈琲のワークショップが行われた。「マスター・オブ・フード」は、イタリアで行われている食材を使った講座。実際の食材を使い、食材の背景、歴史、加工法、味わいを知って、伝統の味と技法を知るもの。この講座のことを知ったのは、2002年にイタリアに行ってからだが、すっかり魅せられてしまった。
食の本来の味わいから歴史文化を知るにはとても有効で、これこそ、日本の「食育」でこそ行うべきだと思い、僕は、ここ3年間、地域の食材を使って資料作りから行うワークショップを試みてきた。大分県、佐賀県では、県の強力なバックアップがあって、かつ地域の若い人たちが、本気で取り組んでくれて大きな成果をあげてきた。あと2年くらいすれば、新しい形が生まれるだろう。嬉しいことに、大分県と長崎県平戸市が、平成19年度に事業化してくれたので、さらなる発展ができるだろう。
もっとも、スローフードの記者会見では、イタリアからイタリアの食材をもってきて、イタリアのメンバーで、これから行うのだという。スローフードの原点からまず学ぶべきということだった。正直のところ、今からイタリアのものをもってきて、日本各地で行ったとしても、どれだけの共感を得るものになるのだろう。イタリアの食材輸入業者にとっては嬉しいだろうし、本場を学ぶチャンスとしてはいい。
しかし、日本の農業の現場では、もう待ったなしで、明日にも、食の安定供給は脅かされるといった状況なのである。スローフードが行ってきた、食のブランド化とツーリーズムや、地域の経済の仕組みの戦略を学び、日本の地域の活力になるものが必要だ。そのためには、日本の現場に立った形のオリジナルな地域に根付いたワークショップが必要なのである。しかも、それには具体的な農業支援の政策提言も必要である。これでは、当分、スローフードは、日本には定着しないかもしれない。いったい、日本の現場をどれだけ歩いているのだろうと、疑問さえ思った。
3月25日 永田町の砂防会館で「中山間地フォーラム」が行われた。まだ2回目というこの会は、日本の中山間地研究の大学、公共機関、行政など、全国各地のメンバーが、およそ100名近くが集まった。国土交通省の人も参加しての、現在の、中山間地対策、国家の政策への具体的な提言書、新しい地域マネジメントなどが論議された。このなかで、中山間地の具体的提案として、5点が挙げられた。
ざっと、要約すると、�|楼茲竜蚕僉∋唆函∧顕修鯏畋罎箸靴臣楼茲凌佑�学習して再生への気付きの視点づくり、��環境保全の視点、��住民や諸組織のパートナーシップ作り、�げ椎修文造蠅僚嗣瓜臆叩↓ゼ�立と支援の両面からの視点づくり、となる。そうして、その有効な手段として、皆さんが挙げたのが、実はワークショップだったのだ。
イタリアのスローフードのワークショップが、じつは、中山間地の農業支援というところから始まっている。その同じ視点が、日本でも論議され、すでに多くの人たちが実践を始めており、それが政府の提言書となり、各地のネットワークへと広がるところまできている。また、現在、中山間地では、農業対策としての、直接支払いという補助金しか出されていない。これを、EUのように環境支払いにしたり、また地域マネジメントやデザインといった、ソフト事業へのシフトもすべきと提案したのだが、こういった新しい予算も、検討されているという。
この各地のメンバーに出会えたことで、佐賀県と大分県の取り組みが、次年度以降、大きなはずみになると、確信を得た。会のメンバーに入会しないかと誘われたので、早速、入会することにした。次回が楽しみ。夏までには、ここ15年間試みてきたワークショップの実践例をテキストにする。このことは、3月26日、唐津市の総合庁舎で行われた「佐賀県唐津玄海食のプロジェクト 味覚ワークショップ」の事業報告での会合で、早速、報告させていただいた。僕にとっては、充実した日々だった。
■「食育」をテーマに、本を書きました。
イタリアでのスローフード協会の食のワークショップや、静岡の小学校の「おにぎり」での味覚の講座、徳之島での1200名の長寿の食の調査と町を巡るワーキング、全国の学校給食の現場など、自ら参加したものをメインにまとめました。
・書 名 『子どもに伝えたい本物の食』
・著 者 金丸弘美
・価 格 1、680円(税込)
・出版版元 NTT出版
・問合せ先・申し込み NTT出版 遠藤・今井
電話:03−5434−1001
FAX:03−5434−1005
・インターネット書店 Amazon.co.jpから注文ができます。
『子どもに伝えたい本物の食』
http://www.amazon.co.jp/
◎全国「食」の活動は毎日新聞デジタル「ゆらちもうれ」で連載中。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/yurachi/
◎日本ペンクラブ
http://www.japanpen.or.jp/
◎ホームページ
http://www.jgoose.jp/kanamaru/
◎ライターズネットワーク
http://www.writers-net.com/