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  旅日記 no.143
「なんとかしてほしい基本調味料」
2007年5月16日
こんにちは、金丸弘美です。
今日は「なんとかしてほしい基本調味料」のお話

 大分県の食育事業アドバイザーとして、15日から玖珠町と豊後大野市に行くことになった。まだ初回の打ち合わせで、役場の方とあっただけだが、みなさんそれぞれの地域の活動があって、それを大きく膨らませたいという思いがあるので、みなさんの意見を聞きながら、個性を広がるようにしていきたいと思う。

ところで、玖珠町もそうだが、各地で、町おこしで、食や地域を生かしてグリーンツーリズムをしたいという計画がある。食をテーマに、食材をいかしてという話なのだが、とても困ったことがある。実は、どこにいっても調味料がいいかげんなのである。

とくにひどいのが醤油である。佐賀も、鹿児島も、鳥取も、大分も、長崎もあちこちで、現場に行ってみると、売っているのは、混合醤油とよばれるものである。これはアメリカで大豆から油を絞ったあとの脱脂大豆を塩酸分解して、サッカリンやアミノ酸やブドウ糖などをいれた、合成の促成の醤油もどきのものである。味が甘ったるくて、後味が悪い。素材のうまみなど消されてしまう。

大豆には、ほとんどが遺伝子組み換えが使用されている。表示はされていない。こんな醤油もどきのもの使っている限り、食の町おこしも、観光もできない。まして食育で、本物の味を子どもに伝えるというなら、こういった基本をきちんとふまえないと話にならない。これは、味醂、料理酒、酢、塩でも同じである。田舎にいくと素材は新鮮でいい。米も美味しい。ところが、調味料というと最悪である。

たいていがスーパーで売っている安い「調味料もどき」である。これでは、どんなに素材がよかろうが、いい料理などできっこない。最近は、あちこちで直売所ができたりしている。ところが、調味料まで気を使っているところは、ほとんどない。農家の郷土料理の会とかもよく行われている。でも調味料に配慮されているケースは、まれである。

観光課でも、「食で町の活性化を」というところが圧倒的。だが、基本の調味料から考えていますと言うところは、今のところお目にかかったことがない。食の町おこし、観光、食育、ブランドを考えているところは、一度、すべての調味料を見直してもらいたいと思っている。今、各地での食育事業を行うところでは、調味料の違いとティスティングから始めることにしている。

ところで、ついさきごろ、日本政府が、アメリカで、日本料理がいいかげんだということで、日本料理を認定する制度を行う、ということを打ち出し、不評で立ち消えになってしまった。僕から言わせると、そもそも、国内での、日本の伝統的食材自体がいいかげんなものが、あまりに多く流通している。

昔から伝統的な手法で造っている、醤油、味噌、味醂、酢、塩などを、まずは認定するということを始めてほしいものだ。


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・テーマ「いま、一番受けてみたい『食の授業』」
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・9:30〜10:40 「「食育」の醍醐味を現場からお伝えします」
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・10:50〜12:20 模擬授業「私の食が世界・地球をつくる」
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・13:30〜16:00 
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    (司会)東京都新宿区立大久保小学校 教諭 善元幸夫
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 NPO法人コミュニティースクールまちデザイン理事長近藤恵津子
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・会場 アルカディア市ヶ谷(私学会館)6階「霧島」
    東京都千代田区九段北4−2−25
    電話03−3261−9921
・定員 120名(締切 7月16日)
・参加費 4、000円

・申し込み・問い合わせ 全国学校給食協会
 千代田区九段南2−5−10 久我ビル1階
 電話03・3262・0814 FAX03・3262・0717
 郵便振込み 振替口座番号00140−8−60732

金丸弘美
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・著  者  金丸弘美
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・ISBN 4−7571−5056−3
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◎全国「食」の活動は毎日新聞デジタル「ゆらちもうれ」で連載中。
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