最近の旅日記
過去の旅日記一覧
  旅日記 no.147
「ギリシャのクレタ島へ」
2007年6月12日
こんにちは、金丸弘美です。
今日は「ギリシャのクレタ島へ」のお話

前に、ギリシャ観光政府の食のデモストレーションが東京であったことを書いた。その記者会見で、ギリシャ観光大使となった三國清三シェフが、「金丸さんをギリシャに連れて行ったほうがいい」との発言があったのだが、それが実現してしまった。

急遽、ギリシャのクレタ島で行われる「ケラズマ(もてなし料理)」の国際会議に参加することとなった。6月8、9、10日の3日間。出発は6月6日。突然に決まった旅なのだが、インターネットで送られた会議日程とEチケットのみ。羽田から関西空港を経てドーハに行き、そこからアテネに行って、クレタに入ることとなっている。

誰がいくのか同乗者も見当たらず、ドーハに着いたのが、関西空港から11時間後。しかも午前5時。アテネ行きは7時間後の13:00。知り合いもいず、空港をうろうろしていた。なんだか「ターミナル」のトム・ハンクスになったみたい。周りはだれも知り合いがいずに、広い空港を隅から隅まで歩き回っていた。

ドーハからアテネまでが4時間。そこからさらに飛行機に乗って40分でクレタ。アテネで、ようやく「料理王国」の編集部の田村亮さんとカメラマンの前川紀子さんと遭遇。実は東京から同じ飛行機だったとわかり大笑い。

アテネから、2便にわかれてクレタに向かったが、クレタに着いたら飛行機に積んでいたはずの荷物が行方不明に。荷物を探してもらっていたら、その間、ホテル行きのバスが行ってしまい、しかもホテルの行き先がわからない。ほんとにトム・ハンクス状態。3時間後に着く田村さんたちを待って、再び空港でうろうろ。バッグはほかに紛れ込んでいたことがわかり、2時間に無事手元に戻った。田村さんたちが着いて、ようやく合流して、ホテルの迎えのバスでたどり着いた。東京を出て30時間。いや遠い。

着いたモリス・ホテルは目の前が海。美しいところで、コテージタイプの部屋は広々として快適。そのお隣のクレタマチスホテルでの国際会議が行われた。ギリシャは伝統的料理の背景から、チーズ、ワイン、オリーブオイルといった加工品、パッケージデザイン、観光事業まで見据えての政策がうちだされていて感心した。ギリシャの長寿の食の背景から解説がある。

アメリカ、韓国、中国、日本など15カ国から参加。150名の食のサロン。エーゲ海が一望にできる高級リゾートホテルでの、会議、ティスティング、ワークショップ、料理のコース、さらにアメリカ、オーストラリア、ニューヨークなどの、人気シェフによる、ギリシャの創作料理のパフォーミングなどもりだくさん。

圧巻だったのは、「AVODOU」の村でのクレタの伝統料理による大宴会である。石を積んだ集会所の庭に、ずらりとテーブルと椅子が並んでいる。その数400。石造りの舞台には、民族音楽と衣装をまとった男女による踊りが繰り広げられる。そこでワインを酌み交わしながら、夜9時から深夜1時までの宴会が続いた。まるでフェリーニの「アマルコルド」の映画みたい。

結局日本からは19名が参加していたのだが、すっかり夜には知り合いとなって、宴会の後半は、われわれも舞台に上がって、踊りを踊った。これが楽しかったですね。

翌日は、モリスホテルのプールサイドを使っての、海外のシェフたちが競演するギリシャの創作料理の披露。こういう設定が楽しい。そのあとビュッフェでのランチが行われた。そうとうに食べたと思ったら夜は、最後のお別れディナーが、丘の上のワイナリー「BOUTARI」で開かれた。音楽があり、最上の料理が並ぶ。

ギリシャもイタリアのスローフードと同じように、食材から料理から、景観やムードまで、全体がデザインがされ、食文化(ガストロノミー)が、きちんと文化と商業と経済と地域活性の視点から組み立てられていて、すごくおしゃれだった。こんな統一したイメージでの地域づくりができれば、どんなにか素敵だろう。ぜひ、日本でも見習いたいものだ。

■セミナーのご案内
「ご飯フォーラム 体においしいごはんの力」

2007年6月24日(日)10:00〜13:00
東京ミキホール(三基商事株式会社東京支店)
会費 1000円

【プログラム】
10:00 チチンプイプイ ミキプルーン(映像)
10:05 子どもたちの栄養について
10:30 “ごはんフォーラム”パネルディスカッション
     パネリスト 小池イツ子先生 & 金丸弘美先生
12:30 今、なぜミキが必要か?   大ぞの千恵子
13:00 終了

************ プロフィール *********
☆小池イツ子 先生(学校栄養職員)
管理栄養士として大学病院に勤めた後、小学校の栄養職員に。柳田小学校は着任11年目。北区の米飯検討委員会に所属し、米飯給食の推進活動を進めてきた。

主催 ミキ東京大ぞの会 /
お問い合わせ 鈴木啓子  TEL 090-7902-1787

金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)

日本ペンクラブ環境委員。
大分県食育事業アドバイザー。
関東ツーリズム大学協議会委員。
ライターズネットワーク相談役。
オリザ・ジャポニカ・クラブ代表。
鹿児島県あまみ長寿・子宝事業推進委員。
シンプルアイ「フードマエストロ資格認定講座」講師。
大妻女子大学「家政学部ライフデザイン学科」非常勤講師。
長崎県平戸松浦観光人材育成協議会地域活性化事業アドバイザー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■好評発売中!
『ゆらしぃ島のスローライフ』(学習研究社)
 金丸弘美・著 絵・唐仁原教人

奄美・徳之島に移住した家族と島の人々との物語。
第10回ライターズネットワーク大賞受賞。
NHK総合、NHK FMで連続朗読番組として放送。
おかげさまで73媒体に取り上げていただきました。

「この本は、スローフード、スローライフに応える
実践的教典である」(東京農業大学教授 小泉武夫)
本の購入はアマゾンからhttp://www.amazon.co.jp/

◎全国「食」の活動は毎日新聞デジタル「ゆらちもうれ」で紹介中。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/yurachi/

◎日本ペンクラブhttp://www.japanpen.or.jp/
◎ホームページhttp://www.jgoose.jp/kanamaru/
◎ライターズネットワークhttp://www.writers-net.com/
◎メールマガジンhttp://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/9697.html