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  旅日記 no.151
「食のワークショップがスタート」
2007年7月5日
こんにちは、金丸弘美です。
今日は「食のワークショップがスタート」のお話

 先週、長崎県平戸市、大分県玖珠町、豊後大野市に立て続けに行ってきた。夏から秋にかけてスタートする食のワークショップの詳細な詰めを行うためである。それぞれが個性的で面白い。

平戸市では、島の景観を生かして散策をしてもらい、それから地元の鯛で茶漬けをしてもらったり、地元の魚で鮨を握ってもらったり。あるいは酒蔵を見学してもらい、地場の魚のブイヤベースと日本酒のコラボレーションをしてもらったりという計画をしている。9月から2008年3月にかけて、さまざまな場所で、毎月、連続で、食のワークショップを展開する。

豊後大野市は、今回は「シイタケ祭り」があり、ここでは、ひとまず講演を頼まれた。ギリシャの食の祭典から、各地の食からの地域づくりを話した。各地の取り組みのレポートは、地域の人たちに好評で迎えられた。

またシイタケの新しい食べ方を知ってもらいたかったので、山口県小野田市のスペイン料理店「ソル・ポニエンテ」の総料理長の湯城明彦さんにお願いをして、シイタケ出汁たっぷりのパエリアを作ってもらった。これを公開したのだが、行列ができてたちまちなくなってしまった。豊後大野市は、これから計画をたてて、秋以降にワークショップを実施する。

「シイタケ祭り」は、全国の品評会。全国から1700名が集まる。形のいい、シイタケが展示され、賞が贈られる。最上のシイタケは、有名な料理店で使われるはずだが、担当に人に聞いても、どこのレストランに行き、どこで食べられているのかわからないという。「それって、変じゃない?」と尋ねたら、みんな「そうですね」との返事。そこをきちんと調べてもらうのと、今後、料理家と連携して、新しい料理展開をしていければと思う。

今回、もっとも張り切っていて、町ぐるみの取り組みになるのが、玖珠町である。人口が1万7000名。もうすでに、食の取り組みが、さまざまに、町で行われている。2日間で、保育園、小学校、高校、食改善グループと、何回かにわけて、打ち合わせをした。これまで、なんども食育のアドバイスをしたが、町ぐるみ、それも幼稚園から高校、さらに町の食のグループまで、一斉にというのは初めて。

担当は保険課なのだが、町ぐるみで食育をしたいというのが、希望である。でも、それぞれに、すでに取り組まれているものがあり、それをどううまく引き出すのかが、僕の役割だ。例えば、地域の食改善グループでは、子供たちの料理会が毎年行われ、朝ごはんを食べようと、朝ごはんのメニューも提案されてきた。今回は、これに朝ごはんの必要性の科学的な視点を入れてもらい、さらに、地域の食材の季節感を出してもらい、その地域のデジカメで撮ってもらって、地域が見えるようにしてもらうこととした。

高校では、豆腐の加工が行われている。それを、豆腐の材料の違いから、料理の展開までを、地域の料理家とコラボレーションをしてもらい、メニューにおとしていき、食べかたまでを学ぶということをしてもらうことにした。小学校では、お米作りをしているので、地域のご飯と、そのほかのご飯のティスティングと、塩の違いと、おにぎりをしてもらうことにした。

保育園は、どこでもすでに野菜作りや体験が行われている。これは、それぞれの取り組みを表に出してもらい、お互いの情報交換をすることにし、広く町に知らしめることとした。さらに、町全体のスケジュールの詳細を7月中に出してもらい、これをマスコミを通して発信する。おそらく町ぐるみで、取り組み実施するというのは、全国でも珍しいと思うので、これを大きなムーブメントにしたいと思っている。楽しみな町である。

■「学校給食」のセミナーが開催されます。
この5年で秋田から沖縄まで学校給食を取材し食べに行きました。また食のワークショップを毎月行っています。その現場の活動報告をすることになりました。ぜひおでかけください。

・テーマ「いま、一番受けてみたい『食の授業』」
・日時:8月2日(木曜日)
・場所:アルカディア市ヶ谷(私学会館)
・主催:全国学校給食協会

・9:30〜10:40 「「食育」の醍醐味を現場からお伝えします」
            食環境ジャーナリスト 金丸弘美

・10:50〜12:20 模擬授業「私の食が世界・地球をつくる」
NPO法人コミュニティースクールまちデザイン理事長近藤恵津子

・13:30〜16:00 
 パネルディスカッション 「本番です!食の授業づくり」
 (司会)東京都新宿区立大久保小学校 教諭 善元幸夫
 東京都世田谷区立駒沢小学校 学校栄養職員 関はる子
 NPO法人コミュニティースクールまちデザイン理事長近藤恵津子
 東京都荒川区立ひぐらし小学校 学校栄養職員 宮島則子    

・会場 アルカディア市ヶ谷(私学会館)6階「霧島」
    東京都千代田区九段北4−2−25
    電話03−3261−9921
・定員 120名(締切 7月16日)
・参加費 4、000円

・申し込み・問い合わせ 全国学校給食協会
 千代田区九段南2−5−10 久我ビル1階
 電話03・3262・0814 FAX03・3262・0717
 郵便振込み 振替口座番号00140−8−60732

追伸:
なお私は、大分県、佐賀県、長崎県平戸市で、地域の活性化につながる食のワークショップを毎月現地で開催していますが、その試みが、高く評価され本にまとまることとなりました。

『創造的な食育ワークショップ』金丸弘美著(岩波書店)です。
定価1800円。8月30日発売予定です。ご期待ください。
http://www.iwanami.co.jp/

金丸弘美
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■好評発売中!
「食育」をテーマに、本を書きました。

イタリアでのスローフード協会の食のワークショップや、静岡の小学校の「おにぎり」での味覚の講座、徳之島での1200名の長寿の食の調査と町を巡るウオーキング、全国の学校給食の現場など、自ら参加したものをメインにまとめました。
 ぜひお読みいただけると幸いです。

・書 名 『子どもに伝えたい本物の食』
・著  者  金丸弘美
・価格予定  1、680円(税込)
・ISBN 4−7571−5056−3
・出版社  NTT出版
・問合せ先・申し込み NTT出版 遠藤・今井 
 電話:03−5434−1001
 FAX:03−5434−1005

・インターネット書店 Amazon.co.jpから注文ができます。
『子どもに伝えたい本物の食』について、詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4757150563/ref=pe_snp_563

◎全国「食」の活動は毎日新聞デジタル「ゆらちもうれ」で連載中。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/yurachi/

◎日本ペンクラブhttp://www.japanpen.or.jp/
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