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  旅日記 no.152
「ミス ポター」
2007年7月5日
こんにちは、金丸弘美です。
今日は「ミス ポター」のお話

 東京に戻ると映画の試写を時間を見つけては出かけている。『ダイハード4・0』『長江哀歌』『レミーのおいしいレストラン』などをみた。気に入ったのは、9月公開の『ミス・ポター』。これをどうしても観たかったのは、主演のレニー・ゼルウィガーが好きだからである。

彼女を最初に知ったのは、『草の上の月』。作家との恋愛を描いた作品。そのあとの『ベティサイズ・モア』ですっかり気に入ってしまった。ハリウッドの女優らしくない普通らしさと親しみやすさがいいのと、彼女は、作品を上手に選択をしているようだ。この後の『コールド・マウンテン』でアカデミー賞を受賞したが、素晴らしかった。

『ミス・ポター』は、事実に基づいた作品で、ピーターラビットの作家ビアトリクス・ポターがモデルになっている。この作品で、作者のことを初めて知った。イギリスの産業革命でのし上がった新富裕層に生まれたポターは、自然と絵を描くのと物語を話すが好き。それがやがて、絵葉書になり、本になって発売されることとなる。

いちばん注目したのは、彼女に恋する新米編集者のユアン・マクレガーとの本が出来るまでのくだりである。ポターは、自分の絵を本にしたいと出版社に持ち込むが、反応はよくない。しかし、出版経営者は、本の出版を引き受ける。実は、成功をねらってのことではない。

というのも家族の弟に、出版をしたいという出来の悪いユアン・マクレガーがいて、彼にまかせれば、ポターの売れない本を出すことで失敗し、出版をあきらめるだろうというわけである。

ところが、ユアン・マクレガーは、彼女のピター・ラビットの物語にすっかり、ほれ込んでしまう。ここからが、素晴らしい。とはいっても、本を出したことがないひとには、あまりぴんとこないかもしれないが、彼が本のイメージを、彼女としっかり話し合う。

紙や色合いや、全体の流れ。そこから、色が観たいという彼女の要望から、印刷所に立ち会って、色使いまでを、印刷所の技術者とためし刷りを何度も繰り返すのである。まるで印刷所のインクの香りが漂ってくるようだ。そのなかから、今に、いたるピーター・ラビットの色調が生まれたのがわかる。

僕も本作りで印刷所に立ち会ったことがあるので、ピーター・ラビットの誕生のプロセスがよくわかる。そうして、出来あがった本が本屋のウィンドウに並んだところに、ポターを案内をするのである。
やがて本は、着実に売れていく。その二人の関係は、やがて恋愛関係になっていく。

この編集者と作家の関係は、とても幸せな本作りをみせてくれる。自分も本を作っているので、いい編集者との出会いは、ほんとうに恋愛関係といっていいものとなる。作家は、編集者に育てられ、才能を引き出される。その素敵な関係が描かれた作品だった。


監督:クリス・ヌーナン 脚本:リチャード・モルトビー.Jr.
出演:レニー・ゼルウィガー、エミリー・ワトソン
配給:角川映画

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