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  旅日記 no.156
「出版記念公開ワークショップ」
2007年9月19日
こんにちわ金丸です。
今日は「出版記念公開ワークショップ」の話です。
最新刊の「創造的な食育ワークショップ」(岩波書店)の出版にあわせて実際の公開形式の講座を恵比寿のシンプルアイで開いてもらった。ここで講師をしていることもあって担当の奈良井清美さんと柴田香織さんに相談したところ、「ぜひやりましょう」といってくれたのだ。
普通の出版記念会となると著者がメインで、関係者が挨拶するといったものがほとんどだが、今回は、本のテーマである本物の味覚を育てるというワークショップを、実際に参加型で本格的な形で味わって知ってもらおうというものだ。
講師は京都の「富士酢」の飯尾醸造の5代目にあたる飯尾彰浩さん。
講座の一週間前に京都の宮津の蔵と酢の元になる棚田の米作りまで観に行っていることもあって、僕らも現場からの伝統的な食のことを語れるようになっている。だからいいものを伝えたいという気持ちはスタッフで一致している。
当日は、会場のシンプルアイの2階が教室形式になっていて、前にはスクリーン。テーブルには、ティスティングのための酢や味醂、りんご酢など、酸味のサンプルが並んでいる。そうして飯尾さんが酢の講義を行う。参加者は32名。教室は満杯である。
飯尾さんの講座は、私たちが舌で感知する味覚には「甘み」「塩み」「酸味」「苦味」それに「うまみ」があり、それらが複雑にからまって食の味わいを生まれているという話から始まった。さながら大学のような授業だ。酸味のある食品には、二つにわけられるという。
レモン、ブドウ、トマトなど、自然にある酸味。そして、ワイン、漬物、チーズ、酢のように、発酵から生まれるものである。
さらに酸味は、成分によって異なるという。代表的な酸味成分は、ビタミンC(イチゴ、トマト)、クエン酸(レモン、梅)、コハク酸(ワイン、日本酒)、乳酸(チーズ、漬物)、酒石酸(ワイン、ブドウ)、酢酸(酢)などである。
こういった話から、実際に、それぞれの酸味の違いを現物で味わってもらう。酢には、昔ながらに米を発酵させて、それを酢酸発酵で一ヶ月以上かける静置発酵と、醸造アルコールとでんぷんを強制発酵させて1日から3日で作るものがある。当然ながら昔ながらの作りのものと工業的な酢では、まったく味わいが違う。料理も味が異なってしまう。
飯尾醸造は棚田で無農薬の米作りから行い、伝統的な醸造法で18ヶ月をかけて酢を作る。米から酒を作り、これを酢酸発酵させて、じっくり寝かせて酢が生まれるのである。実際に現物をティスティングをすると味わいがすぐにわかる。
約一時間にわたっての講義の後、一階に会場を移しての料理を使った懇親会である。料理は、飯尾さんのお母さん飯尾さとみさんのレシピで、「アボガドが主役のポテトサラダ」、「お揚げさんの精進ちらし」、それにナスを使った料理。飯尾さとみさんが、わざわざ宮津から来てくださって、料理を若いスタッフとともに作ってくださった。
会は、本物の作り手、それを知り広めたいと思っていて現場から見ているスタッフ、本物を知りたいと思っている参加者、その三者が見事に一致して、気持ちが一つになったと実感できる素晴らしいワークショップとなった。
ワークショップの翌日、9月15日に静岡放送の「愉快、痛快、阿藤快」に出演するために静岡にでかけた。今度出版された本のなかのワークショップについて話すためである。阿藤さんは、健康や食事に関心をお持ちで、現場を知っていらっしゃるだけに、質問がとても思いがこもったもので、気持ちよく話せた。
その後、手作りでぬかどこを作っている「ぬかどっ子」の野中さん夫妻とあって、お魚を食べながらのひととき。野中さんとは、もう8年くらい前からのお付き合い。昔ながらの糠床を手作りで作り、それを販売するという異色の仕事をしている。この糠床は、漬物を作ると最高の味わいだ。
2時間ほど話して、静岡を出て、東京に戻る。サントリーホールに向い、久しぶりに小泉和裕さん指揮の東京都交響楽団の「ブラームス ピアノ協奏曲第一番」と「ストランビスキー バレエ音楽 春の祭典」を聴く。その後、小泉さんたちと、その後援会の方々と食事。何人かの方々に、私が行っている食のワークショップのことが知れ渡っていて、関心を持っていただけていることを嬉しく思った。
■大分県豊後大野市での食のワークショップ開催
豊後大野市は自然に恵まれた水と田園のやすらぎのふるさとです。大地に育まれた農産物を活かし地域と一緒に健康作りを始めます。市内で9月から5回シリーズで、地元の食材を生かした味覚ワークショップを開催します。
募集1「稲穂の汁をすする会〜美酒と緒方の発酵文化」
◇日時:9月25日(火) 午後3時から6時半
◇場所:緒方町馬場「俚楽の郷」日本晴れ伝承ホール
◇内容:米作りから酒造りまで、鷹来屋五代目の蔵元杜氏・浜嶋弘文氏のこだわりの美酒を、日本料理研究家の中川藤義氏の料理と共に味わいます。「キレイになる緒方の発酵食」をテーマに、ジャーナリスト、杜氏、料理人が講演。体の内側から美しくなる発酵文化の魅力を、お洒落に楽しむ講座です。
◇プログラム
午後3:00-4:00 講演会「〜食と農を取り巻く日本の現状〜  
    稲穂から発酵食まで」
講師:金丸弘美先生 
(大分県食育総合アドバイザー)
午後4:00-   味覚ワークショップ
「稲穂の汁をすする会〜美酒と緒方の発酵食」
�〔3亢軌蕕砲弔い董聞峪奸Ф盍盜鞍�先生)
�◆崋鬚里い蹐蓮(萄遒蠅�ら醸造まで」 (講師:浜嶋弘文氏)
午後5:00-6:30 地酒のテイスティング開始。
5感チェックシートを使って。
�N鼠�「幻の酒器根来(ねごろ)を愛でる美味な緒方の発酵食」
蒸す、煮る、揚げる、緒方絹衣のいろは(料理、講師:中川藤義氏)
▽参加費:講演会は無料。味覚ワークショップは定員10人で、
参加費5000円。
▽ 出演者プロフィール
▼金丸弘美:食環境ジャーナリスト、大分県食育アドバイザー。
▼中川藤義…日本料理研究家(豊後大野市清川町在住)
▼浜嶋文彦…浜嶋酒造五代目蔵元(豊後大野市緒方町)
募集2「まったりお茶三昧 〜茶ムリエと旅する秋風の茶葉紀行 緑茶から紅茶まで」
◇日時:9月25日(火) 午後3時から
9月26日(水) 午前9時から午後4時
◇場所:三重町 大分県野菜・茶業研究所
    千歳町 廣瀬眞一さんの庭園「夢茶園」
◇内容:日本茶インストラクターの佐藤幸生さんによる「べにふうき紅茶づくり体験」と豊後大野茶生産組合の廣瀬眞一さんによるおいしいお茶の入れ方講座など。地元の食材を使ったこだわりのおやつを味わいながら、千歳を一望できる丘の上で秋の風を楽しみます。
▽参加費:紅茶づくり、ミニ講座は無料。ワークショップ1000円。
▽ 定員20人。
▽ プログラム
1日目:9月25日(火)
午後3:00〜5:00 
べにふうき手摘み体験 県野菜・茶作業所にて(講師:佐藤幸夫氏)
2日目:9月26日(水)
午前9:00〜10:00 べにふうき手揉み体験 1時間@野菜茶業研究所
午前10:30 食育講座(講師:金丸弘美先生)@千歳町の「夢茶園」
午前11:00〜12:30 お茶の入れ方講座(講師:廣瀬眞一氏)、各自昼食
午後2:00〜4:00  紅茶審査会 @県野菜・茶作業所
【申込み先】
どちらも豊後大野市役所企画部企画調整課 
食育担当 河室まで Tell 0974-22-1001(内線2052)
◇ 今後の予定
○10月8日(月)地球芸術文化祭 @豊後大野市緒方町の「俚楽の郷」
 正午〜午後9時
正午からファーマーズマーケット、午後2時からお茶の味覚講座、午後6時から地酒の味覚講座。講座は各3000円で東京の演奏者を招いてのジャズライブ付き。
○10月17日(水)朝ごはんをたべよう
○11月13日(火)お父さんお母さんのためのうれしい朝ごはん
○1月17日(木)古民家で秘密の食事会
○2月22日(金)弁当の日がやってきた
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■最新刊のご案内。絶賛発売中!
『創造的な食育ワークショップ』金丸弘美著(岩波書店)。
定価1800円。8月30日発売。表紙:峰岸達
予約購入: 岩波書店 http://www.iwanami.co.jp/
       アマゾン http://www.amazon.co.jp/
東京・八王子:磯沼ミルクファーム牧場の料理会、埼玉:ファームINさぎ山農家の料理会、大分県竹田市:サフランのパエリア、大分県佐伯市:親子ふれあい教室のおにぎり、佐賀県唐津市の漁港でのブイヤベースなど19本の事例が大々的に登場します。
テーマは食育ですが、地域の活性化とブランド作りにつながる形としてまとめ、すべて実践に基づいて書いています。
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