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  旅日記 no.158
「伊賀の里 モクモク手づくりファーム」
2007年10月3日
 こんにちわ。金丸です。
 今日は「伊賀の里 モクモク手づくりファーム」訪問記です。

 久しぶりに三重県のモクモクファームを訪ねた。というのも、今、恵比寿で行っている?シンプルアイの「フードマエストロ資格認定講座」のスタッフの児玉浩康さんや柴田香織さんに、いちばん新しい農業の先進地として推薦したことから、ぜひ見てみたいということになったのだ。そこで一緒に行くことになった。

これに東京八王子の磯沼ミルクファームの磯沼正憲さんも参加したいということで、みんなでモクモクで大集合となった。現地についたら、偶然、私を長崎県平戸市の観光人材育成事業アドバイザーに推薦してくれた福岡の(有)よかネットのスタッフとばったり。みなさんとうちとけて、にぎやかなモクモクの会となった。

モクモクで感心するのは、専任の広報担当がいること。企画を担当する浜辺佳子さんとは、もう長いお付き合いだが、今回も、すべての段取りをしてくれた。彼女はモクモクの企画運営やプロモーションにすべて関わっている。彼女の発信したモクモク情報は、一年間でテレビ、ラジオ、新聞、雑誌など700媒体を超える。こんなプロモーションをやってのける地方の女性は、おそらく日本でも稀有な存在だろう。

みなさんとファーム内を見学し、木村修社長の話を聞く。僕は、何度もきているので、毎回、新しく立ち上がったプロジェクトの進展や、現在の状況をもっぱら話をきいた。

現在、モクモクファームは売り上げ38億円。スタッフは120名。これにアルバイトが400名が参加している。モクモクでは一昨年にジャージーの牧場を作った。そこからチーズを売り出す試みだったが、これが結構単価が高くてうまくいかなかったとのこと。ところが、思い切ってジェラードにしたところ、一日30万円の売り上げになって、採算にのったという。

なにより感心したのは、ジェラード売り場のディスプレィの牛の顔を描いたデザイン。とても全体の雰囲気を考えてある。これだけ全体を配慮した雰囲気づくりと、POP一枚、パッケージまで考えたデザイン力は、ほんとんどの地方では、めったにお目にかかれない。きけば、若い女性の姉妹がデザインを手がけているという。お目にかかったスタッフが実に若い。でもセンスがいい。なんと専任のデザイナーが6名いるというのだから驚きだ。

これまでの農業・農村にはなかったレストラン、工房、ウィンナーやパンの体験工房など、さまざまな施設を複合的に組みあわあせて、食を発信するモクモクは、僕らが初めて会った頃よりさらに進化し、現在は、ここで働きたいという若い人たちは、年間300名もの応募があるという。ということは、地方でも、モクモクのような発信力とセンスさえあれば、人は来る。

もっとも全体をマネジメントできる人材が地方に必要なのだが。ところで、もう一つ気になったのが、この秋9月1日に開講した「農学舎」。これはモクモクからさらに20分ほどいった農地を開放し、野菜づくりを教えるいわばカルチャーセンター。約8メートル×8メートル(64平方メートル)の畑を年間15万円で貸し出し、野菜づくりをしてもらおうというもの。

これは団塊世代をターゲットにしたもので、週二回の土日にきてもらおうというもの。キャッチは「5都2村(ごとにそん)」。現在36組が参加している。目標は150組。畑の横には、くつろいだり、食事をしたりできる大きな木造の洒落たサロンが建っていた。

カルチャーセンタースタイルの野菜作りは、すでに東京で事例があり成功している。モクモクは地方版の新しい試み。参加者の状況をきいてみると、ここまで来るのは、できれば古民家を借りて、そこを拠点に、のんびり野菜づくりをしてみたいという人が多いとか。となると、地方の空き家プラス野菜作りのカルチャーセンターというコラボレーションだと、新しい地域のメニューができる。そのことを担当の方に尋ねたら「いちばん理想で、きっとうまくいくでしょうね」とのことだった。

■塩をつかった「味覚レッスン」のお知らせ
恵比寿ガーデンプレイスで行う
SIO(塩)秋を食す スペシャルセミナー

「塩マエストロになる味覚レッスン」
日時:10月6日(土)11:00〜12:00
会場:恵比寿麦酒記念館(恵比寿ガーデンプレイス内)
定員:100名(当日受付、30名のみティスティング可能)
参加費:無料
講師:金丸弘美
協力:フードマエストロクッキングスクール(シンプルアイ)

恵比寿ガーデンプレイスでは、13周年記念として、「秋を塩で食す」
のテーマで、会場内のレストランのシェフ、パティシエなど
が、さまざな天然塩を使った料理を披露します。

そのなかで、私、金丸弘美は「塩」をテーマに、その内容と歴史、ティ
スティングを行う「味覚レッスン」を受け持つこととなりました。ぜひ
お出かけください。

詳しくはコチラをご覧くださいませ。
http://gardenplace.jp/weblog/13th_event.html?mv=tp&id=siteTop_index

金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
◎メールマガジンhttp://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/9697.html
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『創造的な食育ワークショップ』金丸弘美著(岩波書店)。
定価1800円。表紙:峰岸達

保育園から大学、地域作りとして実際に行った「味覚のワークショップ」
の計画立案から具体的な進行の仕方、食材のテキストやワークシートの
作り方、目的別の事例を紹介します。

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◎関東ツーリズム大学http://tourism-univ.net/