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  旅日記 no.160
「塩の味覚レッスン」
2007年10月17日

こんにちわ。金丸です。
今日は「塩の味覚レッスン」のお話。

 恵比寿ガーデンプレイスで、9月21日から10月8日まで、13周年記念で「秋を塩で食す」をテーマにフェアが行われた。サブタイトルは「天然塩が教えてくれる、新しい旬の美味しさ」である。このイベントに「塩マエストロになる味覚レッスン スペシャルセミナー」に講師として参加した。

驚いたのは、ガーデンプレイス内のレストランがすべて協力し、さまざまな塩を使っての、スーイツから寿司、和食、イタリアン、フレンチ、中華まで、塩の組み合わせが紹介された16ページオールカラーのテキストまで用意されていた。発行は3万部。駅張りのポスター400枚が掲示され、恵比寿のJR恵比寿駅からガーデンプレイスへの通路には私の顔写真入りの柱もところどころにあってびっくりである。

会場は恵比寿ガーデンプレイス内の恵比寿麦酒記念館。ティスティングできるのは30名で、見学もできるというもの。当日は47名の方々が参加してくださった。塩の必要性、その歴史、岩塩、海水の塩、精製塩など5タイプの塩の違いなどを、見た目、手触り、味わいを、豆腐に塩とオリーブオイルでティスティングをしてもらった。塩一つで味わいが違い、豆腐が抜群に美味しいこともわかって、この味覚レッスンは参加者から大好評だった。

「塩」のプランが生まれたのは、恵比寿ガーデンプレイス内のサッポロホールディングスの企画部でのこと。たまたま「塩の結晶が綺麗」ということで、塩をテーマにできないか、というのが発端という。ガーデンプレイス内のレストランを調べてみると「塩」にこだわる店が意外と多くあったことから、「塩」がテーマになることとなったそうだ。

そこに同じ恵比寿内にあるカルチャーセンターのフードマエストロクッキングスクール(シンプルアイ)で、私が「塩の味覚ワークショップ」をしていたことから、「フードマエストロ講座」の奈良井清美さんと柴田香織さんが、売込みを行い、私が推薦されたという、いきさつとのことだった。

奈良井さんと柴田さんには、「創造的な食育ワークショップ発刊記念 お酢のワークショップ」、そして今回の「塩の味覚レッスン」と続けて、お世話になった。やってみてわかったことがある。塩と酢という大変地味なテーマ。人が集まるのに時間はかかったが、しかし、いずれも満員。参加した人たちは、そうとう食に関心が高く熱心で、ワークショップの雰囲気がじつにいい。充実した空気に包まれ十分な手ごたえを感じた。

その同じ夜、東京大学の前にある「新蕎麦の会」に参加した。この会は、東京大学名誉教授で、今回、科学技術振興機構理事長に就任された北澤宏一さんの主催のプライベートな会。この会では、科学者や教師など物理に関わる方々が集まり、それぞれどんな活動を日常や学校などでしているかを発表することとなっている。今回は30名近くが集まり、10名近くが発表をした。

北澤宅には、なんと、私の故郷の唐津の「川島豆腐」が取り寄せてあった。北澤先生に、「金丸さんを驚かせようと、豆腐を取り寄せました。豆腐の説明をしてください」とのこと。北澤さんは、私の故郷の祭り「唐津くんち」にご夫婦できてくださり、地元で評判の豆腐をおぼえておいてくださったのだった。

そこで、私は、午前中に恵比寿ガーデンプレイスの「味覚ワークショップ 塩のレッスン」で使った塩のパンフをみなさんに配布し、持参した4タイプの塩とオリーブオイルで、豆腐とオリーブオイルと塩のティスティングをしてもらった。「塩とオリーブオイルがこんなに美味しいと、初めて知りました。それにワインにあうなんてびっくりです」と絶賛であった。

私は、多くの方々の発表のなかで「創造的な食育ワークショップ」と題して、学校で行っている「味覚ワークショップ」を紹介した。さまざまな学校や一般向けにに行っている味覚ワークショップのパワーポイントによる紹介は、興味をもっていただくことができたようだ。

文部科学省の田島博樹さんに「食育で、こんな方法があると初めてしりました。とても感心しました」とのこと。サイエンスの雑誌の方からは「すごく面白い手法。ぜひ今度取材をしたい」など感想をいただいた。

北澤先生からは「金丸さんがうらやましい。こんな授業ができるなんて。子供たちに未来の夢をと『夢フォーラム』を私たちは行いましたが、あのとき『夢』をつなごうと誓いあいました。それを今も実践しているのは、東京理科大の川村康文さんや、金丸さんですね」ともおっしゃってくださり、これがとても嬉しかった。おかげで素晴らしい時間となった。私のなかのずんずんと嬉しさが響き広がった。

丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
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