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  旅日記 no.166
「根獅子の食のワークショップ」
2007年11月28日

こんにちわ。金丸です。
今日は「根獅子の食のワークショップ」の話です。

佐賀県鳥栖市の無農薬の野菜を作るところからレストランを運営し]ている「大きな樹」に寄ってから平戸に向かった。平戸では第二回目になる食のワークショップ開催のためである。今回は、隠れキリシタンの里根獅子地区でのおにぎりを作る食育。根獅子は人口600名ほど、200世帯の家がある小さな町である。

中山間地で、海にせり出すような土地。傾斜の強い棚田で米が栽培されている。会場になったのは、根獅子小学校体育館。前日に机を並べて、翌日の本番にそなえた。担当の土田一球君は、「明日うまくいくか心配です」と言うので、「大丈夫。すべて成功する。これだけ準備がきちんとできてるのだもの。小さくとも確実に、楽しんでやろうよ」と話した。

11月25日の本番。9時に集合して、準備を始めた。町の農家の人たちが集まり、それぞれに支度をした。これが、実に徹底した内容なのである。米の三種類、ヒノヒカリ、コシヒカリ、あさひの夢を炊くのに、運動場には、3個の釜が用意されていた。しかも地元の山からもってきた薪を使う。

会場のテーブルには、和紙を一人一人に置いた。その上に、山茶花の赤い花が、箸置きとして並んだ。ご飯を炊いておにぎりを置くのに、ハランをもってきて敷く。テーブルには季節の花が飾られた。塩は三種類をティスティングするというので、皿を3枚並べ、そこに大量生産の「精製塩」、地元根獅子の海からの釜炊きの塩「海の子」、「滋眼の塩」を盛った。

さらに外では、地元大豆と米と塩を使った味噌での味噌汁が作られた。またおにぎりのおかずにと、地元の漬物も用意された。そして、塩の生産者、米の農家、地域のお母さんたち、役場のスタッフが一同に会した。

こうして11時30分からスタートした。集まったのは約40名近く。遠く福岡や島原から3時間以上もかけてやってきた人もいる。テーブルにみなさんが着席してから、根獅子の背景や歴史を紹介。それから一度外に出て、炊きたての釜のご飯を試食してもらう。そして運動場から周辺を見てもらい、米の栽培の棚田の環境や、塩作りの海などを、生産者に紹介してもらった。

そして体育館に戻り、塩のティスティングをしてもらい、そこから好きなご飯でおにぎりを作ってもらった。みんな大きなおにぎりをたくさんにぎった。そこに味噌汁、漬物が配られた。そこから、米の生産者の紹介、農林課からテキストを用いて、棚田の米作りと環境の解説がされた。

参加者の方から「ご飯がどれも美味しい」「3時間かけてきたかいがあった」「これぞ究極のおにぎり」「地域の作り手がすべてわかり、実に明快で楽しい」との声があがった。もう早速、農家に直接お米を注文した人もいた。その後、地域を紹介したこともあり、参加者の方々は、塩の鎌炊き見学や、民俗館に出かけた人も多かった。

この食のワークショップ。薪や釜、テーブルの花からおにぎりを並べるハラン、さらにはご飯や、村の歴史や米や塩の資料などの手配と、徹底的にこだわって、地域のパーソナルを明確に出すということを準備してくれたのは、観光商工課の藤井誠司さん、土田一球さん、吉永由美子さんという20代、30代のメンバー。実に頼もしいし、楽しんでやってくれている。最後にメンバーを参加者に紹介したら、絶賛の拍手が起こった。次回以降が、楽しみだ。

■平戸のワークショップ
平戸市観光商工課http://www.city.hirado.nagasaki.jp/sight/

○じゃがいもで和と洋の融合
日時:1月11日(金) 11:30〜13:30
場所:按針の館(平戸市木引田町431)参加費 2,500円【30名】

"平戸の赤土で育ったじゃがいも(馬鈴薯)をイタリア料理で。料理人は平戸の洋風小料理店「紺や亭」のオーナーシェフ谷川克城氏と和食料理店「磯かつ」の店主・宮國和彦氏。平戸素材を贅沢に使った平戸産じゃがいものニョッキ、また全国で有名な平戸牛と旬の野菜の煮込みミラノ風もご一緒に!場所は江戸時代、徳川家康の外交顧問として仕えた三浦按針(ウィリアム・アダムス)が住まいとした「按針の館」です。

○ 海豊かな幸を握る
日時:1月22日(火) 11:30〜13:30
場所:白石漁港(平戸市主師町)参加費 3,000円【30人】

漁港を目の前に定置網に入った新鮮な魚を地元の寿司職人が握った「海のおまかせ寿司」をメインにいただきます。イカやカツオが獲れる季節!生月大橋と海が創った最高のシチュエーションで、平戸の海のおまかせを召し上がれ!!"

○ いちご摘みからデザートまで贅沢な味覚
日時:2月29日(金) 10:00〜14:00
場所:平戸市ふれあいセンター(平戸市紐差町678-1)
参加費2,500円【20名】

"平戸果樹の代表格「いちご(さちのか)」のデザートでいちご摘み体験。生産者による「いちごの選び方、いちごの摘み方」を学び、いちご(さちのか)の創作デザート。いちごの種類別による食べ比べも行います
(摘んだいちご500gはお持ち帰りいただけます。)

○ 古き建物群と本物素材の田舎料理
日時:3月7日(金) 10:00〜13:00 
場所:神浦地区伝統的建造物群(平戸市大島村神浦 JA前)
参加費 2,500円(フェリー代別)【30名】

"平戸からフェリーで45分、人口約1,500人の的山大島。島の高台から見渡すと海岸線へ棚田が広がります。島の東側、神浦地区の漁港は伝統的港町の空間を持ち、江戸期以降古い家屋が建ち並ぶ捕鯨で栄えた島。現在、民間団体と行政が一体となって伝統的建造物群保存に向けての取組みを進めている。その町並みを歩き、町の一角で天然鯛の茶漬け、新鮮な魚と平戸の天然塩だけで作った魚のすり身を、その場で揚げていただきます!!
※第2フェリー大島平戸発第1便着的山港より現地まで送迎します。

◎申し込み先
※申込は先着順。定員になり次第締め切り。
天候等により会場を変更する場合にはあらかじめ連絡いいたします。
"平戸・松浦地区観光人材育成協議会平戸事務局
(平戸市観光商工課内)
【電 話】0950-22-4111(内線2276)
【 FAX 】0950-22-3399
【メール】氏名・住所・電話番号・職業を明記のうえ
kankou_jinzai@city.hirado.lg.jp まで
※交通アクセスは下記URLにて確認してください。
 http://www.city.hirado.nagasaki.jp/jinzai/"

金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
◎メールマガジンhttp://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/9697.html
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■最新刊のご案内。先行予約中!

『創造的な食育ワークショップ』金丸弘美著(岩波書店)。
定価1800円。8月30日発売。表紙:峰岸達

購入: 岩波書店 http://www.iwanami.co.jp/
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東京・八王子:磯沼ミルクファーム牧場の料理会、埼玉:ファームINさぎ山農家の料理会、大分県竹田市:サフランのパエリア、大分県佐伯市:親子ふれあい教室のおにぎり、佐賀県唐津市の漁港でのブイヤベースなど19本の事例が大々的に登場します。

テーマは食育ですが、地域の活性化とブランド作りにつながる形としてまとめ、すべて実践に基づいて書いています。

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