最近の旅日記
過去の旅日記一覧
  旅日記 no.167
「飛騨古川、飛騨高山の旅」
2007年12月6日

こんにちわ。金丸です。
今日は、「飛騨古川、飛騨高山の旅」です。

11月は、本当によく旅をした。佐賀県唐津市の「唐津くんち」に始まり、群馬県上毛高原、大阪、大分県豊後大野市、玖珠町、宮城県石巻、佐賀県鳥栖市、長崎県平戸市、名古屋、岐阜県飛騨古川、飛騨高山、徳之島、山梨県南アルプス市と、10県、13の町を巡ったこととなる。

この間、講演や学校の授業、ワークショップの開催などがあり、多くの人たちと会うことができた。できるだけ現場の声を聴き、今の地域の現状がどうなのか、目指すべき未来はどうあるべきか、を知りたいというのが、今、思っていることだ。

なかでも今回、町並み景観という観点から、ぜひ再訪したかったのが飛騨古川と飛騨高山である。すでに何度か訪ねているのだが、今回は、町作りを知りたかった。古川も高山も、古い町並みを維持し、かつ景観保護を行っている。

古川も高山も昔ながらの山車があり、祭りが有名。古川は、戦後火災にあい消失したなかから町並みを再興し、そこから古い町並み造りを行っている。高山も古川も非常にプライドが高い。町には条例があって、勝手に看板を建てたり、景観にそぐわない建築をすることができない。そのことが情緒豊かな町を作っている。

古川の町を訪ねた後、午後から高山に向かった。高山市役所では、市町村アカデミーでお会いした地域振興室の林篤志さんが、都市整備課の武川尚さんや黒谷渉さん、文化財課の岩田崇さんなどと待っていてくださった。

高山の町並み保存の動きが始まったのは昭和41年のことで、町の人たちが始めたのだという。高山にはお祭りと連動した16の団体の保存会があり、そこが中心となって古い町並みを作っているという。町内ごとに山車を置く蔵があり、祭りの伝統と町並みが、見事に調和するように住民主導で街づくりがされている。

町並み保存は補助があり、伝統的な建物を建て替える場合最大800万円。補助率80パーセントが出ることになっている。予算は年間4000万円。このうち国が二分の一、県が5パーセントを持つという。このために昔の家の町並みが保持されている。どの家も建て替えるのに5000万くらいかけるのだという。補助は人気がありすでに30軒の家が予約をしているという。

夕方、町を歩いた。ゴミ一つ落ちていない。町の住民の自主条例で、タバコを路上で吸うことや、ゴミのポイ捨てなどは、すべて禁じられているのだという。また町並みを生かすために、電信柱も地下の埋め込みをしてある。町の外灯は、昔ながらの裸電球に傘がかぶっている。家の中をのぞくと、中の様子が、薄暗くなった夕方のなかにくっきりと浮かび上がってきた。

高山は市町村合併で、農村部まで広がった。このことで、町だけではなく、農村景観も配慮した街づくりの「高山市景観計画」が作られている。高さや看板の規制、色など、自然と町が調和するように条例が策定されているのである。この素晴らしい取り組みが、観光客や映画ロケの誘致に大きくつながっている。

■金丸近況報告です。

◎「クロワッサン」でエッセイを書きました。
リレーエッセイ「なんだかんだの病気自慢」です。
発売日が12月10日の723号となります。
現在の食の仕事をするきっかけや家族のことをつづりました。
http://croissant.magazine.co.jp/

◎「ビッグイシュー 日本版」で映画評を書きました。
地球規模の生き物のドキュメント「アース」です。
12月15日発売の85号に掲載です。http://earth.gyao.jp/
http://www.bigissue.jp/

「ビッグイシュー」はホームレスの人の自立を応援している雑誌。
街頭でホームレスの人が販売しています。
1冊300円で、160円が販売者に渡ります。

◎ラジオ「世相ホットライン ハイ!竹村健一です」に出演します。
文化放送- 12月23日(日)朝7時〜7時半。
岩波書店の新刊「創造的な食育ワークショップ」をベースに環境や新しい農業、地域づくりについて話をします。
http://www.joqr.co.jp/ttb/sun.html

STVラジオ- 7時30分〜8時
東北放送- 9時30分〜10時
北日本放送- 9時〜9時30分
東海ラジオ- 9時〜9時30分
ラジオ大阪- 9時〜9時30分
中国放送- 7時00分〜7時30分
西日本放送 9時〜9時30分
九州朝日放送 - 9時00分〜9時30

金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
◎メールマガジンhttp://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/9697.html
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■最新刊のご案内。絶賛発売中!

『創造的な食育ワークショップ』金丸弘美著(岩波書店)。
定価1800円。表紙:峰岸達
アマゾン「食育」の本おすすめ第1位。
マスコミ30媒体で紹介されています。
本の購入はアマゾンからhttp://www.amazon.co.jp/もできます。

保育園から大学、地域作りとして実際に行った「味覚のワークショップ」の計画立案から具体的な進行の仕方、食材のテキストやワークシートの作り方、目的別の事例を紹介します。

◎日本ペンクラブhttp://www.japanpen.or.jp/
◎ホームページhttp://www.jgoose.jp/kanamaru/
◎ライターズネットワークhttp://www.writers-net.com/
◎関東ツーリズム大学http://tourism-univ.net/