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  旅日記 no.233
「食のワークショップ」
2009年3月11日
「食のワークショップ」こんにちわ。金丸です。
今日は、「食のワークショップ」のお話です。

叔母の33回忌で唐津に戻った。久しぶりに従姉妹の家に行き、ゆっくりと話すことができた。武雄市に住む従姉妹の山口裕子は、現在、ご主人が農業をしている。彼女は市議会議員。地域の農業や地域づくりに熱心だ。今、彼女たちは大豆を育て、豆腐を作ったりしている。そんな話をすることができて嬉しい時間となった。

前日は、佐賀県で立ち上げた食のネットワーク「オリザ・ジャポニカ・クラブ」の総会。有田での3年間の取り組みとなった食育事業が報告のメイン。この報告書が素晴らしい。有田の学校や教職員向けに、料理家を入れた子どもたちの体験教室などの活動が写真入りで詳細に紹介されている。ひつとの定着した形が生まれている。

今後は、無理せずにできるところ確実にやろうと確認。メンバーは現在30名いるが、すでに活動をしている人がたくさんいる。その代表が多久市の学校給食センターの福山隆志さん。福山さんとは、オリザのメンバーと前任の唐津市の浜玉中学校で公開学校給食を行った。これは「給食で育つ賢い子ども」(ソトコト新書)にも掲載したのだが、ついに国が選んだ「地産地消の仕事人」の40人の一人にもなったのだ。↓
http://www.maff.go.jp/j/seisan/gijutu/tisan_tisyo/sigoto_nin_kohyo.html
(地産地消の仕事人)


福山さんたちの活動をメーリングリストで公開していけば、それだけでも活動はつながり連携できるものとなるだろう。2010年は、佐賀県が全国の食育大会の拠点となる。佐賀県のくらしの安全課の西博人さんが、食育事業をわれわれも形にしようと提案がある。メンバーで食のワークショップを何本か手がけることを確認。なんだかわくわくする。

帰りに唐津市浜玉町の鏡山中腹にある「田舎のビストロ POPOTE」でお茶とケーキ。この店は町づくりのイベントに熱心な小島起代世さんに紹介されて、今回も小島さんと友人と3名で訪ねた。店からは虹ノ松原が一望できる。唐津ではもっとも人気のあるお店。一戸建てで、木造と漆喰でのどっしりした造り。こんな店が唐津にあることが嬉しい。

食のワークショップは、大分県竹田市で始まり、古川康佐賀県知事の後押しで、唐津市で本格的に取り組みができた。それが、来年、地域のメンバーと再び形にできるかと思うと嬉しくなった。ようやく考えていたテキスト作成から食を展開するという形が、認識されるようになったということだ。

大分と佐賀で行った食のワークショップは、岩波書店で「創造的な食育ワークショップ」となり、これがベースとなって、常陸太田市での展開となった。そのテキストは「常陸秋そばの故郷 常陸太田の物語」として、さらにグレードアップしたのだが、それをホームページにアップして、だれでもが見れるようにした。↓
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/yotei/yoteidetail.php?&no=75&a=1
(常陸太田の物語)


ワークショップは、食材の背景、歴史、文化、栽培法、加工法のテキストを作成し、それをもとに公開で料理までおこなうもの。これが大好評で、昨年は、数えてみると常陸太田市、飛騨高山、平戸市、浜田市、大妻女子大学、イータリー、江上料理学院など20回ほど行っている。

また講演でも各地で紹介を行い、その数は50回以上に。マスコミ掲載は常陸太田市だけでも34本。他の地区の登場をあわせると100本を超えた。

なかでも嬉しかったのは常陸太田市の蕎麦のワークショップに参加してくださった横浜国立大学教授の金子佳代子先生からのご依頼により7月に同大学で行われる文部科学省の中学校の家庭科の先生の研修で「地域の食文化を知るワークショップの作り方」として採用されたことだ。これで学校の教育の先生の場にもつながった。

さらにま「総務省地域力創造アドバイザー」懇談会委員の明治大学農学部教授の小田切徳美先生からは、明治大学農学部食料環境政策学科「食文化論」の非常勤講師の依頼があった。4月から講師を担当するが、ここでもワークショップの活動の授業を行う予定だ。

さらに一昨年から非常勤講師をしている大妻女子大学家政学部ライフデザイン学科「食と社会」でもワークショップの講義を行う予定で、いよいよ大きな広がりとなってきた。小さかった活動が、今、さまざまな形で実ろうとしている。