今日は「マスター・オブ・フード」のお話
イタリアのスローフードの食材の講座に「マスター・オブ・フード」というのがある。基本食材の、たとえば、パスタやオリーブオイルなどが、その歴史、加工から、料理、そして風味や味わいがテキストになっていて、これをベースに、ティスティングを行う味覚の講座である。スローフードでは、これらの基本食材を使
ってのワークショップがイベントや大学の授業などで行われていて、これがつまり、地域の食文化を知る基本となり、食のブランド作りや、料理の基礎となっている。
イタリアのスローフードのイベントで、チーズをはじめ、いくつかのワークショップを受講して、その面白さにすっかりはまってしまった。ティスティングをベースにしたワークショップは、ワインでは、日本でも行われているようだが、他の食材では、あまり馴染みがない。もちろん専門家の人たちは、それぞれの食材を
知っている人は多いのだろうが、一般で公開の講座で行われてのは、聞いたことがない。
そこで、自ら試みたいと思って最初に行ったのが2004年の伊東市の小学校の授業で試みた「塩」と「おにぎり」を使った味覚講座だった。伊東市の授業がとても反響があったことから、佐賀県の有田中部小学校でも試みた。最近では、東京の八王子の磯沼ミルクファームという牧場で、3種類の牛、ジャージー、ブラウンスイス、ホルスタインという、ミルクの違いを知って、牧場で料理を行うという試みをしたところ、これも評判になった。
大分県の食育アドバーザーとなって、毎月、竹田市に行っているのだが、「ワークショップをしてみませんか?」と、話したところ、のってくれたのが、保健課の堀田貴子さんや、観光課の人たち。竹田には、大豆から豆腐を作っているので、豆腐でワークショップを行った。地元の豆腐を3タイプ、それに唐津の川島豆腐、川越の小野食品、群馬の尾瀬トーフの6タイプを、見た目、香り、味わい、で表現を行い、その背景、大豆の品種の違い、加工法などを紹介して味わい講座である。講座には農家の人たちにも参加してもらった。
この豆腐の講座、参加した旅館の経営者、農家、料理家、栄養士さんからも好評だった。なにげない豆腐が、比較してみると味がまったく違う。さらに塩、オリーブオイル、蜂蜜、黒蜜、ジャム、水飴などとあわせていったのだが、これがいろいろと組み合わせてみると、意外やいける。この基本を知って、地域の食材を見直し、そこから個性を見出す講座なのだ。豆腐のさまざまな表情に、みなさん、目から鱗だったようだ。そうして、次回は、豆腐からさまざまな料理やデザートを作ってみようということになった。
一方、豆腐の後に、塩とおにぎりも行ったのだが、次回はサフランを使った味覚講座。実は竹田市はサフランが100年前から栽培されている。せっかくだから農家を解放してもらい、サフランでパエリアを作ってみようとなって、これも実行することが決定した。また味噌の講座も計画されている。竹田市と同時に毎月行っている佐伯市では、お茶と魚と麹を計画をしている。
今後の計画では、イタリアと同じようにテキスト作りを行い、せめて15項目を作り上げ、そのとき公開で、大々的な記者会見と、ワークショップを行おうと考えている。また東京では、企業専門家と連携してのコーヒー、塩、米、鰹節などの講座も近々行うことにした。こうして、それぞれの実施した内容を相互に交換しながら、理想的なテキスト作りを目指すことにしている。毎月、一つづつ、実際の講座を行いながら、専門家を交えてのワークシップの試みは、実に面白い。
セミナーのご案内です。
第8回 都市経営セミナー
テーマ 「豊かさとゆとりを体感できるまちづくり〜団塊パワーの可能性を引き出す〜」
開催日時 平成18年10月5日(木)13:00〜17:10
会 場 日本都市センター会館 3階「コスモスホール」
対 象 全国都市関係者(市区長、議員、職員等)
参加費 無料
主 催 財団法人 日本都市センター
後 援 全国市長会 /社団法人 全国市有物件災害共済会
プログラム 13:00 開会
・13:05 基調講演
「暖かいふれあいと生きがいのあふれるまちを!」
堀田 力(弁護士・さわやか福祉財団理事長)
・14:00 事例報告
黒須隆一(東京都八王子市長)
麻生圭子(エッセイスト)
・15:10 パネル・ディスカッション
「豊かさとゆとりを体感できるまちづくり〜団塊パワーの可能性を引き出す〜」
・コーディネーター
中邨 章(明治大学副学長・大学院長・政治経済学部教授)
・パネリスト
西寺雅也(岐阜県多治見市長)
津村重光(宮崎県宮崎市長)
金丸弘美(食環境ジャーナリスト)
細内信孝(コミュニティビジネス総合研究所所長・埼玉女子短期大学客員教授)
17:10 閉会
・申し込みは、以下のホームページから。
http://www.toshi.or.jp/keiei_semi08.shtml
■発売たちまち増刷!
「東京の自給率は1%」「そばの自給率は14%」「食料の輸入が
とまると肉は10日に1食」など、食の姿が見えてくる48の事実を、
豊富なイラストで紹介するオールカラー・ビジュアルブック。
・『フードクライシス 食が危ない!』
・金丸弘美著 イラスト・ワタナベケンイチ
・出版社:ディスカヴァー
http://www.d21.co.jp/
・価格1260円(税込) ・問合せ:電話03−3237−8991
「クロワッサン」「VOCE」「SPA!」「週刊現代」
「ダヴィンチ」「生島ヒロシのお早う一直線」「ビッグイシュー」
「生島ヒロシのエイジングジャパン」「FM東京」などで
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