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  旅日記 no.189
「ふたたびサンワ工務店・山田潤一さんのこと」
2008年5月14日
こんにちわ。金丸です。
今日は「ふたたびサンワ工務店・山田潤一さんのこと」の話です。

 熊本市の上乃裏通りの古い建築部を活かした店舗が100軒近くあり、そのリニューアルを手がけたのが、サンワ工務店の山田潤一さん。

山田さんに言わせれば、「民家移築とかをやっているわけではない。上乃裏の建築物は、ほとんどバラック。ほとんどが昭和の住宅で、壊して駐車場にしてしまったり、空き地になってしまっていた。もったいないから、テナントを入れて、なんとかしようとしただけなんです。気づいたら100軒くらいになってた」

そのテナントの入れ方が、すごく面白かった。「うちの会社にいろんな人が集まるわけ。それで、この店を持ちたい人と、家主が結びついたらいいなあということで、つながりが生まれるんです」という。

店舗を持ちたい人を古くなった建築物の家主に紹介をする。家賃は、できるだけ低く抑えてもらう。そして継続的に長く、お互いに続けられるようにする。建築物は、その建物をできるだけ生かして使う。そのデザインから、リニューアル、家主の交渉からテナントに入る人までも結びつけてしまうのだ。

「昔の建物は今と違って、建築物の構造がすぐに見えるようになっている。だからどこが傷んでいて、どこを補修をすればいいかがすぐわかるんです。だから昔の人は、傷んだところを直して、長く使っていた。今の建築物は、なかがどうなっているのかわからないんです」

「店を持ちたいという若い人たちにやらせることに、まず自己資金のほかに、開業資金を得るために融資先を探してもらう。これはまず県とかに尋ねてもらう。するとたいてい断られる。いろんなところがある。銀行、中小企業金融公庫など。すべてまわってもらう。するとね、お金を得るというのがいかに大変かがわかるんです。まず大切さを知ってもらう」

「次に貧乏人チャートというのがある。これは必ず書いてもらう。それはねメインタイトルを書く。例えば、それはヤキトリ カナマルとかね。つまり目標ね。それにサブタイトル。どんなイメージかやね。そして、いつ、どこで、いつまでに開店すると、時期までの目標を横に書く」

「そのチャートに、開店で必要なものを書いていく。例えば、飲食店なら、皿、箸、コップ、スプーン、テーブル、椅子などなど、いろんなものがあるでしょう。これね、店にいるものをすべて書き出す。店を一度でも持った経験がある人なら400くらい出てくる。でも初めてという人は、200くらいしかでてこない」

「でね、これをあるもので埋めていく。例えば、コップなんか、うちにいらなくなった店のものが1ケースあったりする。うちの倉庫にいろんなところの店が閉店したりしたときのものがとってある。そこから探して、使えるものはもっていきなさいと。全部ただであげる。というのはね、開店となると、小さいものでも新しく買い始めると、すごいお金がかかるんですよ」

「BGMで音楽も必要だと。するとカセットでもいいだろうと。すると、妹が古い使ってないカセットがあるとする。するとそれをもらうとかね。とにかく、友人、親戚など、知り合いからゆずってもらえるものがあるのがあったら、それをチャートで埋めていく。それでも、どうしても購入しなけばならないものが必ずある」

ここから話がとても面白かった。
「融資受けてね、帰りに夫婦で、大きな電気店に寄る。すると5万8000円のカセットが、特別価格で一台現品限りで、2万8000円で売っていたとする。するとね、融資受けて、初めてお金をもって、すごく持っている気がする。妹のお古のカセットより、新品で、しかも半額なら買うか、安いし。お金あるし。なんて、そういうところをやると、間違う。あとで、どんなにお金が必要か、ということが後からわかるですよ」

金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
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