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  旅日記 no.194
「ギリシャのマスティハ・ディナー」
2008年6月18日
こんにちわ。金丸です。
今日は「ギリシャのマスティハ・ディナー」の話です。

ギリシャ政府観光局からディナーの招待状が届いた。会場は青山・カナダ大使館の地階にあるシティ・クラブ・トウキョウである。すべて着席。ギリシャのもてなし(ケラズマ)は、いつも素敵なので、さっそく出かけた。

一人ではつまらないので、産経新聞総合企画室の石野伸子さんを誘った。彼女は大阪からの単身赴任中で「産経新聞」紙上に「お江戸単身暮らし」というコラムを持っている。食にめがないので、誘うときっと話が弾むだろうと思ったからだ。

今回のディナーの目的は、ヒオス島の天然マスティハのプロモーションである。マスティハは樹木からとれる樹液で、化粧品や、医療、お菓子を始め、さまざまな食品に使われている。つまりは、この伝統的な特産品を売り出そうということである。

きめこまかな演出が用意してあった。まずDVDの映像があり、ヒオス島の様子、アスティハの栽培や樹液の採取が紹介される。その効用も案内された。こうすれば歴史的背景や、加工法、希少性、用途が明確にわかる。さらに手許には、美しいパンフレットがあった。アスティハが、ヨーロッパ原産地名称保護PDOの認証を受けていること、そのEUにおける認証の意義もきちんと解説書がある。

そして料理が用意された。すべてマスティハを使ったものである。

・ヒオ島のマスチックで風味をつけたトラハナのスープ
・ダイコンのタリアテッレ仕立てカルボナーラ
 メソロンギ産カラスミ添え
・平政のソテー マーマレード風味チョリソ、ナス、
 ドライトマト添えトマト水のアンバージャックソース
・ヨーグルトのパンナコッタ イチゴのマリネ
 ローズシャーベット添え
・コーヒーまたは紅茶
・マスディハワッフル

食事のレシピと作り方、材料の仕方もべつに詳細のパンフが用意されていた。ほかにオールカラーの豪華な料理ブックも準備してある。いつもギリシャの特産品や、観光と食のプレゼンテーションで感心するのは、トータルにデザインがされていることだ。こういう視点は、国内ではなかなか見当たらない。

食事をしていたら、石野さんが、「素晴らしいけど、特産品のマスティハは、そう量も多くなさそうだし、これだけ売り込んでも、どうなのかしら?」と疑問をなげかけてきた。

「ギリシャは、健康・長寿の国として、アロマテラピーとかタラソテラピーも売っている。これに加えてチーズ、ハニー、オリーブオイル、ワインなどを連携させて、トータルに売るという試みでしょう」と答えた。

あとで、輸入を検討中という大手商社の方にあったら、やはり、医療、エステ、美容の素材として輸入をする方向という。その分野であれば付加価値の高いものとして売ることができるというわけだ。ここ3年、ギリシャのプロモーションは、とても素晴らしい。

その中心となっているのは、ギリシャ政府観光局の日本・韓国地区局長のソフィア・パナヨターキさん。ブロンドの美しい人。昨年はセミロングだったのに、今年はショートヘアで、より行動的な雰囲気。彼女に、ギリシャのプロモーションの素晴らしさを絶賛し、挨拶の握手をし、石野さんも紹介をして、青山を後にした。実に楽しいひとときだった。

金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
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