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  旅日記 no.205
「映画『那須少年記』のこと」
2008年9月3日
こんにちわ。金丸です。
今日は「映画『那須少年記』のこと」のお話です。

 映画『那須少年期』の試写を観てきた。というのも原作の森詠さんから声をかけてもらったからだ。森さんとは、日本ペンクラブの環境委員会で一緒で、隔月で環境の専門家を呼んでのセミナーを開催している。

環境委員会は、もともと森さんが提唱して誕生したらしい。代表は、最初は直木賞作家の西木正明さん、現在は俳優の中村敦夫さんである。昨年の暮れから中村さんに、幹事を頼まれて、この一年は、僕が講師依頼を担当している。

国立感染研究所の岡田晴恵さんの新型インフルエンザH5N1、兵庫県豊岡市の中貝宗治市長のコウノトリと環境経済、東京のカルチャーセンター方式の体験農園の加藤義松さんをこれまで呼んだ。いずれも実践に根付いた話なので、とても評価が高かった。

10月6日は、日本政策投資銀行の藻谷浩介さんを呼んで「実測ニッポンの地域力 画一化した町からの地域再生」である。全国の地域が画一化しているのはなぜか? その結果どんな経済的なマイナス要因が生まれているのか? 

地域再生の要とはなにかを、全国600ヶ所のデータと現場検証から読み解いてもらう。すでに藻谷さんの本を読み、ご本人にもお目にかかっているのだが、またぜひ話を聞きたくて、今回、お呼びすることとしたのである。

さて肝心の『那須少年記』だが、舞台は昭和29年の栃木県黒磯村(現在の那須塩原市)。主人公のオサムは14歳の中学生。離婚した母に連れられての転校生である。彼の学校での出会いと、さらに転校するまでの出来事が描かれる。

学校には、とてもやさしい生徒思いの美人の大月先生。力とビンタで教育を進める堀田先生、教科書通りの授業をすすめるうらなり先生、ときどき優しい声をかけてくれる白崎先生などがいる。

オサムの教室では、アキラという成績優秀だが、いつも反抗的な生徒がいる。彼とオサムは距離を置いているのだが、だんだん巻き込まれて、さまざまな事件が持ちあがる。

ひとつひとつの描写が、僕が小さかった頃と、どんどん重なっていく。ほんの些細なことが、中学生には重大事で、その繊細な心の葛藤が、よく伝わってくる。

どれもとても納得が行く。確かに僕も感じていたものが、今は、いつの間にか忘れている。それが大人になるということなのだろうけれど、同時に、どこかに忘れていた大事なものを、見つけ出してもらえたような嬉しさを感じる映画だった。

森さんは、いつも会うとニコニコしているのだが、ああ、この『那須少年記』のように、どこかに子供の頃のナイーブさをもっていらっしゃるのだなあと思ったものだ。

オサムと母親が下宿するのが木造の梁の大きい洋風の建物だが、よくこんな家があったなあと思うほどの作り。その家には、いつも酒ばかり飲んで仕事をしていない親父と、いつも亭主に文句をいっている妻がいる。

この夫婦というのが、北見敏行さんと、片桐はいりさん。じつは、昔よくあっていた。あっ、いつのまに夫婦になったんだと、思ったが、そんなことも嬉しかった映画だ。東京は恵比寿の写真美術館で10月4日公開。

■ラジオ出演のお知らせ
J−WAVE 81.3FM 「LOHAS TALK」
9月8日(月)〜9月12日(金) 20:40〜20:50
http://www.j-wave.co.jp/blog/lohastalk/ee/
・ナビゲーター:小黒一三さん ・ゲスト:金丸弘美

雑誌「ソトコト」では2002年から2006年にかけて北海道
から沖縄まで学校給食を訪ねる連載をさせていただきました。
それが「給食で育つ賢い子ども」(ソトコト新書)になりました。
この本が評判になっていることからのラジオ出演です。

発売されて3ヶ月ですが、これまで『読売新聞』『中日新聞』
『日刊ゲンダイ』『読売ウィークリー』『大分合同新聞』
『月刊JA』『中国新聞』『宮崎日日新聞』『新潟日報』
『学校給食』『TBSラジオ生島ヒロシのお早う一直線』
『グルメジャーナル』『内外教育』『農林経済』『聖教新聞』
『熊本日日新聞』『日本農業新聞』『児童心理』『クラリス』
『佐賀新聞』『食生活』『奄美新聞』『山形新聞』『伊勢新聞』
『自然と人間』『いただきますごちそうさま』
 などなど、33媒体で取り上げていただきました。

金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
◎総務省 地域力創造アドバイザー
http://www.soumu.go.jp/ganbaru/jinzai/pdf/b022.pdf
◎メールマガジンhttp://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/9697.html
◎ホームページhttp://www.banraisya.co.jp/kanamaru/home/index.php
◎日本ペンクラブhttp://www.japanpen.or.jp/
◎ライターズネットワークhttp://www.writers-net.com/