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  旅日記 no.231
「飛騨高山から浜田市への旅」
2009年2月25日
「飛騨高山から浜田市への旅」こんにちわ。金丸です。
今日は「飛騨高山から浜田市への旅」のお話です。

この二ヶ月、旅から旅で、寅さんよりも旅をしているかもしれないというほど、各地を訪ねている。2月17日は飛騨高山に。宿儺(すくな)かぼちゃの総会にでるためで、会長の若林さんのはからいで、前日入りで食事をということに。雪がちらほら降っているが、例年より極端に少ないとのこと。

宿は民家を改装した「四反田」。それから村の温泉に入り、宴は180年前に建ったという大谷信應さん宅で、女性人による手づくりの料理。囲炉裏を囲んでの最上のもてなしを受けた。囲炉裏のけんちんと手打ちの蕎麦が素晴らしかった。「こんなことを一度したかった」と若林会長。素敵なので、この囲炉裏を拠点に夏には農家ツアーをしようと話す。

翌日は早朝より会議。次年度の方向を決める。地域の料理家との連携を徹底することを決める。というのは地元の農家が料理家を知っていることがほとんどない。加えて飛騨高山は、観光客が430万人も来ている。だったらへたに東京に売り込むより地元を固めたほうが、よほど力になると踏んだからだ。

東京では、マスコミとバイヤーに絞り込んでの試食会を行うことを決定。また私自身が春に、岐阜の東京事務所のメンバーと問屋に挨拶に行くことにする。そうすれば、売り手の事情と現在の東京のことが違う視点でみることができるに違いない。総会には110名の農家が参加。会場は満員。各地の事例で、地域連携で豊かになった豊岡市や馬路村などをパワーポイント紹介する。大好評だった。

夕方名古屋に移動し、そこから高速バスで飯田市に向かう。翌朝の18日に「Jミルク学乳スクエア」というウエッブサイトの映像を撮るためにロケのメンバーと高森町に。学校給食の牛乳の取り組みを取材。酪農家が立ち上げた農事組合信州市田酪農を中心に学校との連携をインタビュー。ここはビン牛乳で低温殺菌。小学校の学校給食におじゃまする。一年生が元気で嬉しくなった。この日、ロケバスで東京に戻り、早朝に、今度は平戸に。

平戸では、昨年オープンしたばかりの「母々亭」という漁師の女性たちのお魚料理の店に行く。定置網にかかった魚を出してくれる。大好評だのこと。店は海の横にある木造平屋で、オープンキッチン。内装はすべて木造。センスがいい。各地からお客さんがきていて評判がいいという。こんな店をお客さんが求めている。ぜひ成功して欲しい。調味料からドレッシング、飲み物まで、徹底的に地域のものを使うようにアドバイスをする。

翌日は、いよいよ平戸最後のワークショップ。役場のメンバーが設定したのは、松浦藩主41代目の私邸を開放してもらい、そこで、オランダ料理をフルコースでというもの。かつての城の近くにある二階建ての木造家屋を貸しきりとして、地元の料理家「紺や亭」の谷川夫妻によるオランダ料理の創作。

料理の前に松浦史料博物館を学芸員の岡山さんが案内。そのあと、オランダから留学して、市の交流員のメンバーであるレスコーさんをインタビュー。参加者の前で、オランダのことを話してもらう。料理は、白身魚のマリネ、ウチワ海老のムース、オランダパン、平戸牡蠣ジェネバー蒸し、エルテンスープ、平戸牛とジャガイモ、ケーキ、コーヒー。

参加者から絶賛される。それにしても平戸市の職員のメンバーのセンスは、今年になって創作性をおびて、格段にステップアップ。シチュエーションの組み込みが素晴らしい。この形が定着すれば、確実に観光客の心をつかむだろう。今後の発展を期待したい。このあと唐津に行き自宅で一泊。そして広島経由で浜田市に。浜田市には昨年から地域の食材のワークショップをアドバイス。

こちらも最後のシンポジウム。奈良の「くるみの木」の石村さんと。前日入りをして、地元の食関係の方々の持ち寄った料理での懇親会。満員盛況。翌日も立ち見がでるほどの盛会。みんなモチベーションが高い。役場の方々と参加の女性人がやるきまんまん。それが嬉しかった。こちらも今後、大きく広がって欲しいと願う。

こうして一週間、岐阜県飛騨高山、長野県高森町、長崎県平戸市、佐賀県唐津市、島根県浜田市とめぐり、ようやく東京へ。水曜日は、今度は山梨県甲府市へ、とでかけることとなる。

■祝・受賞
練馬区の農園を営む加藤義松さんたちの活動が、このたび第38回日本農業賞(全中、NHK主催)を受賞されました。

集団組織部:東京都の練馬区農業体験農園園主会。

加藤さんたちの活動は、早くから注目をしてきて、新しい都市の農業として多くの方々に紹介をしてきただけに、とても嬉しいです。
なお加藤さんたちの東京の農業の取り組みは、以下に取り上げています。

「月刊JA」2008年6月号
「体験農園で野菜づくり。農業にはまる人が急増中!
〜東京都練馬区「加藤農園」↓
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/data/rensai/pdf/rensai02003.pdf

「食の未来の先駆者たち 食文化再生、食育、
 そしてスローフード」(コープ出版)↓
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/book/bookdetail.php?&no=122&a=1

「本物を伝える 日本のスローフード」(岩波書店)↓
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/book/bookdetail.php?&no=117&a=1