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  旅日記 no.234
「映画『未来の食卓』」
2009年3月18日
こんにちわ。金丸です。
今日は「映画『未来の食卓』」の話です。

 学校給食を村全体でオーガニックにするというフランスのドキュメンタリー映画『未来の食卓(Nos enfants nous accuseront)』 が、六本木ヒルズのフランス映画際で上映となり、妻の早苗と観にいった。
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/22291/

この映画、字幕の監修と映画の解説を頼まれたものだが、スクリーンで見るのは初めてである。舞台になっているのは、フランス南部のガール県バルジャック村。村全体の学校給食を有機栽培に変えるという活動と、フランスの農薬使用が世界でも多く、健康被害を受けている人が多いことや、農薬が間接的にガンの要因になっていること、また、食品の添加物が子どもの健康被害に繋がっていることを訴えたものだ。

映画上映後に監督のジャン=ポール・ジョーさんが舞台に登場した。彼によると、「農薬の使用量はアメリカが世界1位。2位はフランスだったが、昨年、日本がフランスを抜いて2位になった」と言う。

「毎年800万人がガンで死亡している。9・11で、3000人が死亡し、アメリカの大統領がこれは戦争だといった。しかし、一日にアメリカはガンで1500名が死亡、そうのうち70パーセントが環境が要因による死亡。そのうちの3割が環境汚染。4割が食物からの被害。2日ごとに9・11がおきている計算になる。世界の農業は3割が環境破壊と地球温暖化を招いている」とも。

トークライブが終わって配給会社の平井さんに、「監督が学校給食のことを聴きたい」というので、サイン会場に。その途中で、映画の感想を述べたオーガニック野菜でスイーツを作っている「パティスリー ポタジエ」のパテシェの柿沢安耶さんに声を掛けられた。まえに彼女の出たシンポジュウムでお会いしていたのだが、覚えてくれていたので感激。映画がふたたび引き合わせてくれた。
http://www.ntv.co.jp/burari/061223/info02.html

サイン会場で監督と握手。「字幕は映画の流れとうまくあっていた?」と聴かれて「ぴったり」と言うと「よかった」とのこと。「多くの人に見て欲しい」というので「約束します」と答えた。この通訳をしてくださったのが、フランスから農業のことで調査にきたというアンベール雨宮裕子さん。

雨宮さんと名刺交換したら、なんと彼女の方から「あなたに連絡をしようと思っていた」と言われてびっくり。聞けば、日仏会館にあった僕の本『ゆらしぃ島のスローライフ』(学研)を観てくれたらしく、農業のことを尋ねたいと思っていたのだという。なぜ日仏会館に本があったのか? 一昨年に武蔵野美術大学教授だった小谷育弘さんが、日仏会館で講演をし、そのとき知り合った関係者に本をプレゼントしたのだが、それをどうも観てくれたらしい。ここでもつながった。

そして、映画配給会社の人たちと話していたら、監督は、今度はアジアを舞台に映画を撮る計画があるという。その取材先を聞いたら、なんと、福岡県のアイガモ農法の古野隆雄さんというから驚き。こちらもよく知っていて、僕の本にも登場している。なにからなにまでつながって、なんだか嬉しい一日となった。

妻・早苗は映画がとても気に入って「これは絶対多くの人に見て欲しい」と熱が入る。僕も多くの人に見て欲しい。というのも、子どもたちのファストフードを始めとする食がアレルギーを招いていることは、多くの取材で知ったし、我が家の家族も食で健康をそこねたまさに被害者でもあるからだ。
公開は2009年初夏。シネスイッチ銀座でロードショー予定。

■「食育」をテーマに、本を書きました。

イタリアでのスローフード協会の食のワークショップや、静岡の小学校の「おにぎり」での味覚の講座、徳之島での1200名の長寿の食の調査と町を巡るワーキング、全国の学校給食の現場など、自ら参加したものをメインにまとめました。

 ぜひお読みいただけると幸いです。

・書  名  『子どもに伝えたい本物の食』
・著  者  金丸弘美
・価  格  1、680円(税込)
・出版版元  NTT出版

・インターネット書店 Amazon.co.jpから注文ができます。
『子どもに伝えたい本物の食』http://www.amazon.co.jp/