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  旅日記 no.247
「高山市の宿儺(すくな)かぼちゃ」
2009年6月24日
「高山市の宿儺(すくな)かぼちゃ」こんにちわ。金丸です。
きょうは「高山市の宿儺(すくな)かぼちゃ」の話です。

久々に岐阜県高山市に出向いた。2008年から始まった農林水産省ブランド化支援事業プロデユーサーとして、 高山市の「宿儺(すくな)かぼちゃ」のプロモーションを手がけることとなり、今回は、新年度の計画の会議を行うためである。
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/data/rensai/pdf/rensai07005.pdf
(宿儺かぼちゃ)

宿儺かぼちゃは、初めて観たかぼちゃで、大きなながひょろい、ひょうたんのような形状で、5、60センチにもなる。中京地区ではよく知られているようだ。スーパーでカットして売られている。これを東京進出させたいというのが、地元からの要望だった。

もっともどういう食べ方があるのか、現在の食事の事情にあわせて、料理展開までが具体的にわからないといけない。昨年は、補助金の決定が遅くて、旬の時期の展開ができなかった。それでも宿儺かぼちゃのテキストの作成、江上料理学院でのプロモーション、そして地元でのホテルを使っての料理家と農家との連携とメニュー開発と、基礎はほぼできた。
http://fv1.jp/movie_flv/2009/01/10.html江上料理学院)

今回は、さらに手法をしぼって、より目に見える展開をしたいと思っている。高山市は、町並み保存がしっかり行われていて、それが海外にまで知れて、観光客420万人と、全国でも、もっとも活力のある観光地でもある。東京に売るという、地元の最初の構想に加えて、地元を優先した連携こそするべきだとういうのが私の主張で、地域の料理店との連携を提唱した。

高山には、フレンチ、イタリアン、和食、和菓子店、洋菓子店などすぐれたところがある。そこと連携して、農家も参加して、食材から知る料理会を連続して実施をする。そのまえに、料理家を農家の畑に案内をして、素材から知ってもらうという活動を行う。

これによって、農家が新しい料理を知る。料理家に素材の畑の様子と旬を知ってもらい、また他の料理に利用できるような素材がないかも見てもらう。あるいは、栽培すれば使えるような新しい作物の提案も料理家からしてもらう。農家は、料理家を知り、よそから来た人たちに、自分たちのかぼちゃや野菜を使っているレストランを紹介する。そのような相互連携を行う。

また9月には秋祭りがあるというので、この時期にあわせて、大阪や東京からツアーを行い、農家でのもてなしや、村や町の散策、お祭り見学、地元レストランでの食事、温泉などを楽しんでもらおうと思っている。

東京では江上料理学院、イータリー、生活クラブ生協など、すべてキッチンを開放してもらい、それぞれの料理家とのテキストを使ってのワークショップを実施する予定だ。農家、JA、県、市を交えての会議を行ったのだが、いちばんの乗り気なのは、農家。これが嬉しい。しかもキャラクターがみんないい。

会長の若林定夫さんの案内で畑を観にいった。かぼちゃの畑には、敷き藁が敷かれて、大きくなったかぼちゃが傷まないように工夫がしてある。大事に育てられているのがわかる。だが、かぼちゃの収入を聞いてみると、1反(10a=300坪)で40万円。お米の8〜10万円からははるかに高いが、収入の中心にはなれない。

高山市の農家の主要換金作物はトマト、ほうれん草で、これだと1反が250万円にもなり、各地の農家よりはるかに収入が高い。畑と畑のあいたところに、かつては大豆やえごまなどを植えていたが、儲からない。なにか名物になるものをというのがかぼちゃの始まりだとか。それだけに、高付加価値で安定したものにする必要がある。それには希少性と料理までを知らしめる必要があると強く感じた。


■雑誌特集のお知らせ
「フィガロ ジャポン」6月20日発売号 2009年7月5日号
http://madamefigarojapon.hankyu-com.co.jp/con/
「“食べる”ことは“生きる”こと
 映画『未来の食卓』について考えよう。」
で、大妻女子大学と明治大学の学生が参加した「牧場の料理会」のワークショップが紹介されました。

字幕監修と解説をした映画「未来の食卓」の特集の一連で、取材を受けたものです。ぜひ観ていただけると幸いです。

「未来の食卓」は学校給食をオーガニックにするという村の取り組みを描いたドキュメンタリー。監督のインタビューも出ています。http://www.uplink.co.jp/shokutaku/(未来の食卓)