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  旅日記 no.251
「若い世代の食生活」
2009年7月22日
「若い世代の食生活」こんにちわ。金丸です。
今日は、「若い世代の食生活」のお話です。

今年初めて非常勤講師をした明治大学農学部食料政策学科「食文化論」と、3年目になる大妻女子大学家政学部ライフデザイン学科「食と社会」の前期の授業が終了した。できるだけ現場のことを伝えようとしているのだが、なにせ、初めての学生を相手に話すから、この内容でいいのか、いつも考えている。

明治大学は農学部だから各地の新しい農業の現場のことにとても関心をもってくれた。最終講義のときは、熱心な学生がいて、何度も質問をうけた。そのなかには、僕のような仕事に就きたいという学生がいてびっくり。各地のアドバイザー事業に興味をもってくれたらしい。あと三重県のモクモクに行ってみたいと相談してきた女学生がいた。彼女は牧場の料理会でとても楽しんでやっていた。

そんな反応があると、それだけでやってよかったなあと思う。ただ、やはり、レポートをみると「現場に触れたい!」という要望がたくさんある。農学部なのに、現場に行く機会が少ないようだ。できれば、各地に行く講座をしてみたいと思う。

というのも、僕の授業は、課外授業で牧場を借り切ってのフルコースの料理会や、さまざまな塩を味わってのティスティングや、食と健康という観点からお弁当を自分で作って食べるという、ほかの先生たちは、あまりやらないような講義をおりこんでしてきたからだ。さらに全国の新しい農業のことをビデオやスライドで、現場レポートを相当にやったからだろう。

一方、大妻女子大学は家政学部なので、どちらからというと健康と食という観点で、明治大学の講義とはことなり、かなり女性の健康や体と食のことに話をシフトさせた。便秘のアンケートやチェックシート、腸内細菌と食生活、ダイエットと健康など、実生活に近い形から、各地の取り組みを見せた。

また大ぞの千恵子さん(義姉)にきてもらっての健康講座も開いた。千恵子さんはボランティアである。現在の年齢のときにいい食生活と生活リズムをきちんとしないと、肌にも体にもよくないことを話してもらった。

最終日に、各地のワークショップのことを話した。そのときに「常陸秋そば」のテキストを観せて、蕎麦の種や、昆虫の受粉のことなど、食料自給率のことを話したら、とても反応がよかった。
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/data/rensai/pdf/rensai07001.pdf
(常陸秋そば)


学生のレポートをみると、蕎麦の実を観るのも、白い花がさくことも、花が昆虫が介在して受粉をし実ができることも、また蕎麦の自給率が14パーセントと低いことも初めて知って、びっくりしたという。なるほどなあと改めて思った。

コンビニやスーパーで簡単に手に入る蕎麦が、彼女たちにとっての日常で、花や昆虫のことは、まったく知らない。いつでも食べられる蕎麦は、日本のイメージで、実は、中国からほとんど輸入されているとは思ってもみなかったようだ。駅前の蕎麦屋には、いちいち中国産など断っていない。

蕎麦が代表されるように、彼女たちのパンも、日常の食事も、ほとんど現場も知らないまま食べている。しかも簡易な食事で、ダイエットに夢中だから、体のアンケートをとると体調不調を訴える学生が6割近くもいる。

彼女たちの健康のためにも、きちんとした食がわかる授業を今後してみたいと思った。いちばんは、ワークショップで、実際に食材を口にすることだ。スローフードやギリシャなど、現地の講座をみせると反応がとてもよかった。なにせ、きちんと文化的な背景から見せて、手作りのものを食べるというものだからだ。

来年も声がかかれば、食と健康と文化というテーマで、味覚のワークショップを展開をしてみたいと思う。ワークショップは毎年、20本近く行っているが、大学生にこそ、試みるべきだと思った。食に関心も高い。体力も学力もある。また本物の食を知るには、いちばんいい時期なのだろう。そしていちばん知識として吸収できる時期だろう。


■ワークショップ開催のお知らせ
スローフード協会がコンサルティングをした「イータリー」代官山での「すくなかぼちゃ」のワークショップが決定しました。

若手のシェフとして注目の「GUIDOPERATALY]のエンリコ・パネロさんが料理を担当します。
http://www.eataly.co.jp/welcom.html(イータリー)

スローフード協会のあるピエモンテに「すくなかぼちゃ」とそっくりのものがあります。今回は、パネロさんがピエモンテの伝統料理を披露します。

2009年8月1日(土)〜9日(日) 食文化交流企画
飛騨高山、乗鞍山麓からの贈り物
「宿儺かぼちゃ」+「イタリア」

ワークショップの案内チラシ↓
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/data/yotei/yotei100.pdf
宿儺(すくな)かぼちゃの物語↓
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/data/rensai/pdf/rensai07005.pdf

・「宿儺かぼちゃ栽培と食文化を学ぶテイストとワークショップ
8月1日(土)12:00〜13:30
8月2日(日)12:00〜13:30
EATALY 1階 エノテカ
参加費 2000円(各回とも30名)
住所:澁谷区代官山20−23

プログラム 
1・宿儺かぼちゃの魅力をプレゼンテーション
2・生産者の声
3・レストランGUIDOPERATALYエンリコ・パネロシェフによる宿儺かぼちゃを使用したピエモンテの伝統料理料理
4・質疑応答

・宿儺かぼちゃを味わう
8月1日(土)から9日(日)
レストランGUIDOPERATALYにて宿儺かぼちゃを使用した特別メニューを展開します。

・宿儺かぼちゃを買う
店頭販売 
8月1日(土)〜9日(日)
7月20日より出荷が開始される、今が旬の宿儺かぼちゃを生産者が直接皆様のお手元へお届けします。

主催:宿儺かぼちゃ研究会・Eataly Japan 株式会社
協力:金丸弘美(食環境ジャーナリスト)
後援:JAひだ・飛騨地域農業改良普及センター・高山市

問い合わせGuido per Eataly TEL/03-5784-2739
E-Mail:school@eataly.co.jp