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  旅日記 no.264
「ものづくり学校」
2009年10月8日
「ものづくり学校」こんにちわ。金丸です。
今日は「ものづくり学校」の話です。

世田谷の中学校の廃校を使った「IIDものづくり学校」の5周年に行ってきた。廃校を使った取り組みが行われているというのは、なんとなく聞いてはいたが、すっかり忘れていた。そんなとき5周年のインフォメーションをいただいた。
http://www.r-school.net/

場所は、三軒茶屋から徒歩10分ほど。昭和大学の先の三宿通りをを渡った世田谷公園の前にあった。一歩、奥に入るだけで、とても静かなところ。指定の場所にきたら、素敵な看板があって、とてももと学校とは思えないモダンさで、地域に溶け込んでいる。

なかに入ってすぐにハンドメイドの自転車屋さんがある。まだパーティーは始まらないようなので3階までの、各部屋をのぞいてまわる。学校の廊下沿いに、さまざまな会社が入っている。大きなガラス張りで、ほとんどのところがなかをのぞける。どこでも個性的で見ていてあきない。

デザイン会社、映像会社、建築会社などがある。スクリーンのあるスタジオもあって、そこでは、編集途中の映像が映し出されていた。編集室もあって、入り口には「編集中につき只今入れません」とあった。建築事務所は、都内の飲食店などのデザインをしているらしく、さまざまな店舗デザインの実施事例が張り出してあった。

一階の下には、カフェがあって、ここがパーティの中心。その隣がスタジオスペースで、ここでセレモニーが始まった。挨拶にたったのは世田谷区熊本哲之区長、ものづくり学校松村拓也校長、高山勝樹社長。お隣の池尻小学校杉本一郎校長。

代表取締役の高山さんの挨拶によると、現在、41のデザイン事務所、映像事務所、建築事務所、カフェなどが入っているという。しかもかなり質が高い。すでに建築、映画、店舗デザインなど、多くが社会に進出したのだという。

年間5万人が訪れ、ホームページのアクセスは月400万。5年間のマスコミ取材は600本になるという。地域と連携したイベントも行っており、JA世田谷と連携した二子玉川のファーマーズマーケットは売上1億円なったという。

学校は2004年3月で統廃合となった世田谷区立池尻中学校の再生事業として始まったという。世田谷区から、各会社が出資した(株)ものづくり学校に委託されたかたちで運営されているらしい。5年契約だったというが、成果があがったということで、今後、5年後も継続されるそうだ。

会場をうろうろしていたら、雑誌「ソトコト」の元編集部で現在エコロジーのウエブサイトの運営をしているという「biopio」の鈴木菜央さん。飯田市でデザイン事務所とイベントを行っているメンバー杉浦歩実さんなどとあった。大分県臼杵市で一緒だったカメラマンの米田渉さんがいて、なんと、この、ものづくり学校の事務所に席をおいていた。

カフェの横にあったテキスタイル事務所のデザイナー有田昌史さんのところで、少し話を聞いた。彼は生地のデザインを手掛けて、美術学校の講師もしているという。以前は、青山に事務所をもっていたのだそうだが、ここに越してきたという。

家賃を聞いたら水道光熱費を入れて16万円ほどだという。店舗は自分でデザインをし50万円ほどで改装したという。昼間、子供たちの声が聞こえるこの空間が気に入っているとか。

「ここを拠点に出ていく人もたくさんいるが、僕はここが気に入っている。このものづくり学校がいいのは、スタジオや教室や映写室があって、ワークショップを開催したり、映像でのプレゼンテーションをしたりするので、それらが使えるということです」

なるほど、教室がさまざまなワークショップが会議室、プレゼンテーションルームになる、こんな作り方があったのだ。世田谷区には20年も暮らしたのに、地域で、こんなすごいクリエーターの集まりが、廃校を使ってできていたなんて、びっくり。まさに灯台もと暗しだ。

全国を巡っているうちに、足元で大きな動きがあったことに気付かなかった。ほんと、5周年行ってよかった。さっそく学校に学ぶツアーを企画することにした。