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  旅日記 no.272
「クリント・イーストウッド」
2009年12月16日
「クリント・イーストウッド」こんにちわ。金丸です。
今日は「クリント・イーストウッド」の話です。

旅が多くなって旅程でなにを読むかいつも時間があれば本屋を巡っている。というのもこのところほぼ毎週全国各地に出かけていて時間が膨大にある。先週は和歌山県の串本という漁港の町に呼ばれたのだが、片道が6時間もある。それで旅が読書の時間となるわけだ。最近、携帯するものにパソコン、デジカメ、携帯電話、本、それにウオークマンが友となっている。

最近読んだなかでおおいに刺激されたのが「映画作家が自身を語る孤高の騎士 クリント・イーストウッド」マイケル・ヘンリー・ウイルソン編 石原陽一郎訳(フィルム・アート社)である。ずいぶん前に購入したのだが、編者のマイケル・ヘンリーの解説が饒舌で好きになれなかったのだが、インタビュー自体は、時代ごとに行われ読みごたえがあるものだった。

編者マイケルが映画の意味や哲学を求めようとするなかで、クリント・イーストウッドがヒッチコックとあって、映画についてえんえんと話したというエピソードを披露する。「最後にヒッチコックは、こう言った。『忘れちゃいけない。たかが映画じゃないか』とね」これには笑った。

クリント・イーストウッドは、テレビの『ローハイド』、イタリアでの『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』。アメリカに凱旋してからの『ダーティー・ハリー』を始め、最新の『グラントリノ』まで、リアルタイムで観てきた俳優である。

彼ほど年齢に合わせて時代性に合わせて作品を選んできた俳優はない。このところアメリカの作品は、CGとアクションとで派手なばかりでめまぐるしく記憶に残らない、どれも同じパターンで、ほとんど触手が動かない。そんななかで時代に向き合っているのは、クリント・イーストウッドだろう。

彼は、最近のハリウッド映画がマーケッティングの手法を使い、どのテーマがあたるのかとリサーチをしてから作品を作り、それらの調査に時間をかけすぎてると非難している。さらにゲーム的なめまぐるし展開で、情緒をなくているとも。

彼は俳優というだけではなく、監督としてもすぐれ、自身が出演にむかないとなれば、監督に徹するという姿勢を貫いている。俳優もマカロニウエスタン、『ダーティ・ハリー』が一段落すると、きっぱり、ヒットの流れを変えて、自らやりたいもの選択する。インタビューを読むと、「なんでいつまでもダーティ・ハリーのようなマグナムをもってなきゃならないんだ」とはっきりしている。

また現在のハリウッドの特殊効果満載の派手なアクションを毛嫌いしていることもわかった。ストリー性が豊かで情感があり、観客に考えさせる余韻を持たせることを好んでいることもわかった。さらに撮りたいものがあれば、ギャラを放棄してでも、作品を優先するという姿勢を貫いてることも知った。

とくにこのところの彼の作品はアメリカの現実に向き合うようなものが多い。1992年『許さざれる者』、2003年『ミスティック・リバー』、2004年『ミリオン・ダラー・ベビー』、2006年『父親たちの星条旗』、『硫黄島からの手紙』、2008年『グラントリノ』は、秀逸な記憶に残る作品である。


もっともアメリカ社会の現実の奥底にある問題をエンタテインメントの世界に見事に引き出している。なにより、時代に迎合せずに自らの開拓精神発揮をして、さまざまな作品を生み出していく姿勢に大いに刺激されたのだった。


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『田舎力〜ヒト・夢・カネが集まる5つの法則』(NHK出版生活人新書)
金丸弘美著 208ページ 定価・735円
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取材協力をいただいた小値賀、平戸、常陸太田市、上の裏街、竹田市、伊賀の里モクモクファーム、シュシュ、豊岡市、馬路村、イタリア・ブラ市を始め各地のみなさま、本のご紹介をしてくださった
多くの方々に心より感謝申し上げます。

最近、各地に講演に行くと、担当者の方たちがほとんど本を手にしてくださっていて、とても嬉しいです。

本は「朝日新聞」「毎日新聞」「日本農業新聞」「地方行政」「日刊ゲンダイ」「月刊ガバナンス」「日経グローカル」「月刊JA」「TBSラジオ お早う一直線」「クラリス」「週刊ダイヤモンド」「料理王国」「週刊エコノミスト」「クロワッサン」など、マスコミ35媒体で紹介されました。

総務省主催「地域力創造力セミナー」のテキストに採用されたほか、山梨県の地域づくりの参考書として配布してもらったり、馬路村でセミナー用に使われたり、ミシュラン一つ星の両国の蕎麦店「ほそ川」さんが、お店で販売してくださったりと、おもわぬ広がりとなっています。

町づくりのテキストというばかりでなく、最近は企業の営業マン向けの研修事業でも使われ始めました。

12月30日早朝「TBSラジオ お早う一直線」に出演します。TBSラジオは、なんと4回目の出演。「田舎力」を応援してもらってます。
この日のパーソナリティは、生島ヒロシさんに変わって、ピンチヒッターで、一緒にイタリア取材をした「たなかゆうすけ」さんです。

ぜひ読んでいただけると幸いです。

金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
◎総務省 地域力創造アドバイザー
http://www.soumu.go.jp/ganbaru/jinzai/pdf/b022.pdf
◎内閣官房地域活性化応援隊地域活性化伝道師
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/tiiki/070415meibo.pdf
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