こんにちわ。金丸です。
今日は「愛媛県内子町を訪ねる」の話です。
ずっと旅の空の下にある。13日長野県塩尻市、15日千葉市、16日広島、17日秋田県横手市、18日秋田市、19日新潟県粟島と経て、23日に愛媛県内子町にやってきた。秋田、新潟は雪景色だったのに、四国に入れば温かく、梅が咲き、菜の花の黄色い可憐な花があちこちにある。
愛媛県高洲市から香川県高松市に行くこととなっていたので、ちょっと早めに入って、前から気になっていた愛媛県の内子町に出かけた。内子は直売所の「内子フレッシュパークからり」が、さまざまなメディアで取り上げられてきた。この内子の集客には、町づくりがあると思っていたので、町づくりから見てみたと思って出かけたのである。
コーディネートをしてくださったのは内子町役場総務課行政財政班の井上淳一さん。行って初めて分かったのは、もう30年も前から景観に配慮をした町づくりをしており、当時先端を行っていた岐阜県飛騨高山と同じように条例を創り、さらにドイツとの交流を始めたというのである。
しかも竹下内閣での1億円の「ふるさと創生資金」をドイツとの交流と人材教育に使っているとのこと。お金をプールして、現在も中学、高校生をドイツに行かせ、ドイツの環境に配慮し、景観保護をする町づくりを見せているというから驚きである。
かつての伝統的な建造物が残る地域の保護はもちろんだが、山間地の景観にも配慮をして、川にせりだした土砂を防ぐためのコンクリートが見えないように、さざざまな木々を植えて、木々の力で自然を演出したりしている。石畳を復活させていたりと農村景観を豊かにした配慮がされていた。
翌日、直売所の「からり」を訪ねた。案内をしてくださったのは、総務部部長代理の沖野智寿子さん。現在、480名の農家が参加。売り上げは7億3000万円だという。景観が素晴らしい。ゆったりした空間で、にぎわいがあるが、とてもなごむ雰囲気にある。
生産者ごとのデータの管理やPOSシステムの導入による商品管理など、感心することはあったが、それよりも、売り場の手数料は15%で、そのうち0.8%を還元して、これを農家の商品開発や研修にあててもらっているという活動だ。
さらに品質を管理するために劣化したものを3回以上出すと出荷停止となるルール。そのための管理と検査をする専門委員まで設置されていた。なにより、感銘をうけたのが、20年も続く農家の勉強会を実施していることである。ワンコインで500円。これによって外部の刺激とモチベーションをあげている。
ちなみにこの日の勉強会のゲストは滋賀県の「ニューファームSAYURI」の西村小有里さん。彼女は30歳で80ヘクタールの米、麦、大豆栽培をしている。集約型ですべて借地で、行っている集約型の農業。内子とは相対的な農業。売り上げ1億円で、利益は補助金という。イギリスやアメリカの大規模農業と同じ。びっくりした。
午後は、八日市・護国街並保存センター主任兼センター長の畑野亮一さんに内子の町並みと伝統的建造物の保存の取り組みを案内してもらった。畑野さんはドイツで1年間現地での町づくりをみてきたという。「ドイツでは明治期にすでの街並み景観を守ることが行われていて、それが住民に定着をしていて驚きました」とのこと。
内子の町並み保護も高レベル。新築の学校や図書館も見せてもらったが、愛媛の木材をふんだんに使用をした木造建築なのには驚いた。徹底している。宿泊は、伝統的な建造物のなかにある「民宿 月乃家」。自家製の野菜の料理がふんだんに出たのだが、こんなに野菜が美味しいと感じたのは久しぶりである。
この日、県主催のグリーンツーリズムの勉強会もあって急きょ参加。ゲストは東洋大学の青木辰司教授。挨拶をしたら驚かれた。イギリスの先進地の紹介で、おおいに刺激をうけた。しかし、内子の人たち、行政も含めて、きちんと新しい動きをキャッチする前向きさには感銘したのだった。
■コウノトリを戻した田んぼのお米のワークショップを開催
「コウノトリを復活させた豊岡市のおいしいお米をいただく」
健康な食事は環境にもやさしい
開催日 平成22年3月15日(月)15:00〜18:00
場所 先端ナレッジフィールドUDXマルチスペース
(東京フードシアター5+1)
JR山手線、JR総武線秋葉原駅徒歩2分
・参加費 無料
・定員 50名
・申し込み締め切り:3月10日
http://www.icic.jp/workshop/cat/o/000299.html(申し込み用紙)
環境の取り組み:豊岡市
料理:馬場香織さん。
栄養バランスのアドバイス:こばたてるみさん。
金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
◎総務省 地域力創造アドバイザー
http://www.soumu.go.jp/ganbaru/jinzai/pdf/b022.pdf
◎内閣官房地域活性化応援隊地域活性化伝道師
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/tiiki/070415meibo.pdf
◎メールマガジン
http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/9697.html
◎ホームページ
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/home/index.php