最近の旅日記
過去の旅日記一覧
  旅日記 no.157
「平戸・豊後大野・玖珠の食」
2007年9月27日
こんにちは金丸です。
今日は「平戸・豊後大野・玖珠の食」の話です。
長崎県平戸市で「食のワークショップ 平戸素材の劇場」、それに大分県豊後大野市、玖珠町の「食育事業」がいよいよ始まった。とてもわくわくしている。9月18、19日の平戸市に出かけた。これは「平戸・松浦地区観光人材開発育成協議会」の新しい地域づくりの全6回のプログラムの第1回目である。
平戸市の南部にある志々伎(しじき)の漁港の目の前の福田酒蔵を開放してもらい、そこでとれたての魚をメインに料理を出そうというものだ。福田酒蔵は、日本最先端にあり元禄元年創業である。地域の伝統的な場所と建築物、食材、料理家を結びつけての料理会である。当日は、山口県や大分県などから30名の参加があった。
 
料理メニューを考えたのはイタリアンのシェフ谷川克城さんと和食の板前の宮國和彦さん。当日は福田酒蔵の専務さんが、蔵の酒造りを案内し、そして酒のティスティングから料理となった。
登場したのは「カナトフグのエスカベッシュ」「きのこのマリネ・アスパラガス入りジャガイモのパテ&トマトのブルスケッタ」「ジャガイモのトルタ」「サザエの炭火焼 エスカルゴ見立て」「マトウダイのカルトッチョ」「ナベタのアクアパッツァ」「ウチワエビのスパゲッティー」「甘酒と夏香のムース」
この料理会、魚、野菜、塩、醤油など素材はもちろん平戸のものだが、サザエを焼く炭、テーブルの飾りの葛の花、平戸の浜辺の石の箸置きなど、小さいところまで、地元のものを最大限に使うという心遣い。
準備をしてくれたのは観光課の若手の藤井誠司さん、土田一球さん、吉永由美子さんという20代、30代のメンバー。彼らが俄然張り切ってくれた。地域の下見から準備、パンフレット作りから、マスコミへの依頼、開催まで行ったのである。
料理は大好評だった。とくに「ナベタのアクアパッツァ」「甘酒と夏香のムース」は絶賛。翌日、早速、谷川さんのお店でメニュー化されることとなった。
この日に視察のために参加したのは、大分県豊後大野市企画部の河室晃明さん。彼の町では、その一週間後、9月25日と26日にワークショップを開催をした。こちらは、さらに凝っていた。25日は「中秋の名月と酒と料理を楽しむ会」。外観が漆喰、内部は木造で土壁を使った「俚楽の郷」民俗館を会場に、5種の酒のティスティングと中川藤義さんによる料理。小鉢、前菜、汁物、油もの、ご飯という日本料理。場所も設定も素晴らしいもので、これを今後のイベントに使えば最上のものとなるだろう。
翌日26日は、豊後大野市の「県野菜・茶作業所」での日本茶インストラクター佐藤幸夫さん指導による「べにふうき紅茶づくり体験」。会場の場所は県のお茶の研究所。出されたお茶の葉が、なんと10種類。これを参加者がもんで、自分で紅茶を作り、それをティスティングするという、お茶の奥深さを知るものだった。
豊後大野市で2日泊まり、翌日は、玖珠町に出かけた。こちらも打ち合わせてきた食育事業がスタートした。担当は保健課。スタッフの人たちが実に細やかで、基礎の健康の食作りを町ぐるみの取り組みとして丁寧に積み重ねている。27日は消費者の方々に「食の安全性」についての話をし、その後、農家民宿をしている方々の中心としたメニュー開発の調理実習を行った。
28日は、これから子供を授かるお母さんたちのための食事セミナー。一週間の料理献立メニューから出汁の採り方、子供の健康づくりを配慮した料理までの実習で学ぶというもの。テキストも懇切丁寧に作ってある。着実な積み重ねのある取り組みで、これが町全体に広がるかと思うと、とても嬉しい。
金丸弘美(食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサー)
◎メールマガジンhttp://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/9697.html
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■最新刊のご案内。絶賛発売中!
『創造的な食育ワークショップ』金丸弘美著(岩波書店)。
定価1800円。8月30日発売。表紙:峰岸達
予約購入: 岩波書店 http://www.iwanami.co.jp/
       アマゾン http://www.amazon.co.jp/
東京・八王子:磯沼ミルクファーム牧場の料理会、埼玉:ファームINさぎ山農家の料理会、大分県竹田市:サフランのパエリア、大分県佐伯市:親子ふれあい教室のおにぎり、佐賀県唐津市の漁港でのブイヤベースなど19本の事例が大々的に登場します。
テーマは食育ですが、地域の活性化とブランド作りにつながる
形としてまとめ、すべて実践に基づいて書いています。
◎日本ペンクラブhttp://www.japanpen.or.jp/
◎ホームページhttp://www.jgoose.jp/kanamaru/
◎ライターズネットワークhttp://www.writers-net.com/
◎関東ツーリズム大学http://tourism-univ.net/